映画感想・レビュー 113/2550ページ

マクベス(1971):P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-05-21

※このクチコミはネタバレを含みます。 [クリックで本文表示]

そして、この作品の大きなポイントは、マクベスとマクベス夫人を演じる二人の主役。
マクベスにはジョン・フィンチが、マクベス夫人にはフランセスカ・アニスがそれぞれ扮し、怪奇と幻想の世界の王と女王を見事に演じていると思います。

公開当時、ジョン・フィンチが30歳。フランセス・アニスが26歳。
そしてこの若さこそが、ポランスキー監督にとって、人間の生身の本心を、生々しい肉体から爆発させるのに必要なエネルギーだったのだと思います。

終わりの方の魔女の饗宴、これは、まさにポランスキー監督ならではの怪奇の世界になっていたと思います。

私が特に面白いなと思ったのは、ラストシーン。
ダンカンの二人の遺児のうち、下の方の王子が、魔女の洞窟へ近寄って行くんですね。
これは、マクベスと同じことをやろうとしているわけですね。

マクベス(1971):P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-05-21

ポーランド出身のロマン・ポランスキー監督が、シェークスピアの名作「マクベス」に挑戦し、イギリスで撮った作品が、この「マクベス」ですね。

「水の中のナイフ」「反撥」「袋小路」「ローズマリーの赤ちゃん」「チャイナタウン」等々、ポランスキー監督の映画は、常に悪魔の世界、怪奇と幻想の世界を追い続けていたと思います。
そして、特にこの「マクベス」に、その大いなる、彼の特徴が出ていると思います。

このシェークスピアの「マクベス」は、様々な形で映画化されていて、黒澤明監督の「蜘蛛巣城」や、オーソン・ウェルズの「マクベス」などが有名ですね。

このポランスキー版の「マクベス」は、出だしの三人の魔女のシーンから、粘っこい怪奇の世界に、我々観る者を引きずり込んでくれます。

セルラー:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-05-21

また、悪玉になったジェイソン・ステイサムが、本当に見るからに強そうな役柄を悠々と演じていて、やはりこの俳優は、主役を張るより、このような凄みのある脇役の方が似合っているのかも知れません。

ストーリー展開に出来過ぎ感も否めないが、電話の機能や役の設定など、ちょっとしたエピソードが伏線となって、物語が進むにつれて、パズルのようにきっちりとハマっていく爽快さがありますね。

そして、電話の向こうに何が待っているのかわからないという怖さは、観終わった後から、じわじわとやってきますね。

セルラー:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-05-21

思わぬ凶悪事件に巻き込まれてしまう、人のいい青年ライアンを、マーベルのキャプテン・アメリカでブレークしたクリス・エヴァンスが、飄々と爽やかに演じていて、実に好感が持てますね。

このライアンと共に事件に巻き込まれるのが、ウィリアム・H・メイシー演じる実直な警官。
長年の勤務から引退して、スパを営もうとしており、アボガドのパックを塗った"キュート"な顔も披露して、緊迫したサスペンスにユーモラスな味を添えていて、「ファーゴ」といい、この映画といい、相変わらず演技がうまいですね。

誘拐されたジェシカを演じるキム・ベイシンガーは、限られた空間の中で命の危険にさらされるという役を、ヒリヒリするような緊迫した表情とその仕草で的確に演じていて、さすがにうまい。

そして、何よりも素晴らしいのは、ラストシーンで見せる彼女の表情の素晴らしさ!!

セルラー:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-05-21

携帯電話は今や毎日の生活に欠かせないツールとなっていますね。
この映画「セルラー」は、その携帯電話で偶然、見知らぬ人から助けを求められ、ロサンゼルスを走り回ることになる男の活躍を描く痛快なサスペンス映画ですね。

高校教師のジェシカ(キム・ベイシンガー)は突然、自宅に押し入ってきた男たちによって誘拐される。
監禁された部屋の電話は壊されていたが、ジェシカは、ワイヤーを接触させてダイヤル信号を送り、繋がった電話に出たライアン(クリス・エヴァンス)に助けを求めることに。

電話を命綱として自分の息子や夫に危険を知らせるよう、ライアンに頼むジェシカ。
その指示に従ってライアンは駆けつけるのだが-------。

黒部の太陽:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★
投稿日
2024-05-21

同じプロジェクトものなら「富士山頂」の方が面白かったという気がする。
尚、寺尾聡と宇野重吉が親子役で共演している。
寺尾聡は、これが映画初出演だと思うが、まだまだへたくそでしたね。

だが、全体としては、大企業(関西電力や建設会社)の提灯持ち映画と言われても仕方がないような気がする映画だった。
そうならないように、熊井啓監督は、一生懸命に努力をしていましたが--------。

黒部の太陽:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★
投稿日
2024-05-21

※このクチコミはネタバレを含みます。 [クリックで本文表示]

そして、三船敏郎の娘は白血病で死ぬ。父は仕事で見舞いもそこそこ。
家族よりも仕事を大切にする時代の価値観そのものだ。
今の時代なら、こうはならないだろう。

戦前派と戦後派の対立など、今観ると隔世の感がある。
今では高度経済成長の世代と、そのバブル崩壊以降の世代の対立ですからね。

ラストの犠牲者の碑を大きく写すところに、熊井啓監督の信条を見た気がしましたね。

映画的見せ場の中盤の大事故シーン。
水が一気に溢れ出てくるシーンは、まさに圧巻の一言だ。
CGではない本物の迫力だ。
このシーンで、途中でストップモーションになるシーンがあるが、この後きっとカメラも流されたので使えないカットだったのだろう。

ここで休憩が入るが、その後はなにをやっても水が止まらない八方塞がりというシーンが続いてやや退屈。

黒部の太陽:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★
投稿日
2024-05-21

資本家、使用者、労働者の対立のドラマに持っていくあたりは、いかにも熊井啓監督らしいと言えるかも知れない。

それに、今の時点で観ると時代の違いを感じてしまう。
もう高度経済成長そのものなのだ。
電力の為なら、自然破壊もなんのその。第一この映画には、自然破壊という概念がない。
ダム建設の時代だけではなく、映画製作時にもなかったろう。

そして、工事が停滞すると「シールド工法というやり方もありますが、予算がかかります」と言うと、社長は「金で解決することなら遠慮せずに言ってください。金のことは私に任せて」と言い放つ。

3.11以降、原発問題で、如何にコスト削減の為なら、安全対策を怠ってきた電力会社の体質を観ているので、嘘くさくて、思わず笑ってしまった。

むしろ、コストがいくら掛かっても、電力会社としては、電力料金に上乗せすればいいから気にならないのかも知れない。

黒部の太陽:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★
投稿日
2024-05-21

源三の息子の剛(石原裕次郎)は、父のかつてのトンネル建設のためなら、どんな犠牲もいとわない父に反発していた。

実は剛の兄も、かつて父の無理な命令によって命を落としていたのだ。
工事は始まった。心配された通り、破砕帯にぶつかった。
落盤と出水が全く止まらないまま何ヶ月も過ぎていく--------。

この「黒部の太陽」の中心は、ダム建設ではなく、トンネルの話で、実際にトンネル作りが始まるまでは、会社のお偉いさんたちの会議が多くてやや退屈する。

それに、戦前の戦争を勝つために行われた無理な工事、それを推進した父と、戦後民主主義のもとに工事を行おうとする息子の対立。

しかし、工事が進むうち、自分は労務者たちの仲間だと思っていたが、実は労務者たちからは「俺たちに工事をさせて儲けるということじゃ同じトンネルのむじな」と言われてしまう。

黒部の太陽:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★
投稿日
2024-05-21

昭和31年。高度経済成長が始まった日本において、今後の電力供給能力を強化するために、関西電力は、黒部峡谷に黒部第四ダムの建設を決めた。

工事責任者となった北川(三船敏郎)だったが、難工事が予想されるため、辞令の辞退を申し出るほどだった。
しかし、太田垣社長(滝沢修)の説得により、重い腰をあげることになる。

一番の難工事は、トンネルの建設だ。
黒部のあたりは、フォッサマグナという破砕帯があり、地盤の中がどうなっているか解らない。

しかし、トンネルを作らなければ資材が運べず、ダムは完成しない。
言い換えれば、トンネルさえ開通すれば、ダム建設の見通しは立つのだ。

トンネルの建設は間組が請け負う。だが実際に働くのは、下請けの人々だ。
その労務者を束ねるのが岩岡源三(辰巳柳太郎)だ。

FARANG ファラン:P.N.「ぽとれろ」さんからの投稿

評価
★★★☆☆
投稿日
2024-05-21

ポスターやフライヤーに書かれた達筆な「血まみれの拳と肘が俺の武器」と書かれてて…えっ!てなったが、観て納得、ああ、ヨーロッパ発だからハードコアアクションとか言ってるけどもこれって任侠映画じゃんかぁ~となる。バイオレンス描写がエグいのでR18+です。痛いのレベルじゃない怪我描写が無理な人にはおすすめしません。
この作品のおすすめポイントは
主人公サムの肉体美が素晴らしいのと高倉健ばりの目の演技が秀逸です。
エグい描写があるけれど時々美しい構図や背景をぶっ込んで来る感じも嫌いじゃないかな。

サンフランシスコ連続殺人鬼:P.N.「水口栄一」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-05-21

この映画を観て、とても感動した。これはあまりにも面白くて、決して飽きさせないストーリーだからだ。サンフランシスコと言えば、私はこれまで何度もサンフランシスコの夢を見た。ジュリー・ロンドンさんの想い出のサンフランシスコを聴いていると、私は前世はアメリカ人だったのではないかと思ったものだ。それだけにこの映画は私の心を捉えて離さなかったのだ。また殺人事件というものはやはり興味深かった。殺人を通して人間というものが、あらためて見えてくるからだ。素晴らしい作品だと思う。

君の名は:P.N.「pinewood」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-05-21

NHKラジオ第一の百年ラジオで紹介された有名なラジオドラマの原点はは残念ながら初回を含む3回分しか残っていないと云う。本篇の岸恵子と佐田啓二の共演の映画化はラジオドラマと並行して実現したとも。近年,朝ドラやアニメーション化でも注目された菊田一夫原作。貴重な第一回分が今回放送された

黒部の太陽:P.N.「pinewood」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-05-21

今朝のNHKラジオ深夜便ジャパニーズ・ポップスは本篇の寺尾聰特集,大ヒットしたルビーの指輪はレコード化に際して,当初盛り上がりに欠けると訝られたが石原裕次郎の,まあいいんじゃないの一声で実現してレコードに,そして年末の日本レコード大賞受賞へと云うエピソードも紹介された。他に季節風,ママに内緒の子守唄,出航さすらい,囁くようなムーデイな曲目が

無名:P.N.「吾輩は猫である、名はもたない、」さんからの投稿

評価
★★★★
投稿日
2024-05-21

この作品は、中国の心情を歴史的観点から考察できる作品です。

なぜ、中国が、今の様な態度や政策をとるのか、その根拠が、理解できます。

日本については、『ラスト・エンペラー』よりは、とんでも日本が
改善されているので、まだ、史実に近いのかも知れません?

ただ、この作品は、中国を理解する上では優れた作品です。

映画作品としては、いまいちですが、

湖の女たち:P.N.「ふぞろいのスマホ頭たち」さんからの投稿

評価
★★☆☆☆
投稿日
2024-05-21

これは作品としてひどい。

『唄う六人の女』

『隣人X疑惑の彼女』

以来の残念さ、

まだ、前2作は、結末までの展開が惜しかったの対し、この作品は、演出・構成から、練り上げる構築力もちぐはぐ。

まるで、スマホをいじっている人間の頭の中みたいな内容。


あっちいって、こっちいって、している内に、何がしたかったかの方向性を失い、スマホ中毒よろしく、映え映えポイントだけで、まったく繋がらない作品。

最近、世界の有名監督がスマホで迷走した作品が増え、日本のアニメ、コナンも、皆、ふぞろいのスマホ頭たちになってしまったようです。

別に参考にしなくても構いません。本人の自覚無しに何も変わらないのですから。

お金を払ったので鑑賞しましたが、すべて中途半端。

ボブ・マーリー:ONE LOVE:P.N.「シュガーベイビーキッド」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-05-20

1970年代当時、そして今現在まで、ジャマイカ、レゲエ、ボブ・マーリーのことを知らなさ過ぎたことが恥ずかしくなった。「音楽」は小さい頃から親しんで聴いてきたつもりが、「音楽」そのものにはそれほど大きな力は無いと思ってきた。しかし、時には「人の心」だけではなく、「国家」自体をも動かす力も持ち備えているということを改めて思い知らされた。

最終更新日:2025-03-15 16:00:02

広告を非表示にするには