映画感想・レビュー 111/2564ページ

麦の穂をゆらす風:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-06-10

※このクチコミはネタバレを含みます。 [クリックで本文表示]

この映画「麦の穂をゆらす風」のタイトルは、英国からの支配への抵抗のシンボルとして、アイルランドに伝わる同名の歌からきているという。

「外国の鎖に縛られることは---つらい屈辱」という歌詞が、映画の多くを物語っている。

1920年代、英国統治下のアイルランド。独自のスポーツ、ハーリングさえ咎められる時代。

緑の丘が広がる静かな土地で、独立を求める男たちは、ハーリングのスティックで戦う訓練をしている。

医者の道を捨てて戦いに加わったデミアン(キリアン・マーフィー)もその一人。
英国の武装警察隊の暴力で、普通の暮らしをしていたデミアンが、戦う男に変わっていく過程が、冷徹な視線で抑制的に描かれる。

停戦の後、アイルランドは、英連邦の自治領となったが、デミアンはともに独立を求め戦ってきた兄(ポードリック・ディレーニー)とも、袂を分かつのだった-------。

社会派で知られるケン・ローチ監督は、拷問で爪を剥がされる男の痛み、家を焼かれ髪を短く切られる女の悲しみを、観る者にそのまま体感させる。

アイルランドの歴史を通して綴られるのは、戦う相手が別にいたはずなのに、いつしか同郷の者同士が争い始めるという万国共通の構図だ。 アイルランドの歴史をあまり知らないで観ていたが、みるみるうちに、その普遍性に引き込まれてしまった。 老婦人が歌う「麦の穂をゆらす風」が、実に印象的だ。 どんな目に遭っても、自分の土地から離れようとしない老婦人の強さが、かすかな希望を感じさせてくれる。 世界のどこかで繰り返されてきた悲劇と、普通の人々の痛みを思い起こさせて、この映画は、カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを受賞した。

プリンス ビューティフル・ストレンジ:P.N.「パープル・グレープ」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-06-10

9日の上映の感想です。
場内はほぼ満席でした。
上映前に売店で、ポスターなど関連グッツを購入してるFUNのかたなどおりました。
上映開始、プリンス財団はこの製作には関りがないとテロップがながれました。気にせずみてるとまず、ブラックミュージックの起源のはなしからはじまりました。そのあと、チャックベリーやジミヘンなど歴代の大物のはなし、なkなkプリンスの名前がでてきません。
プリンスの写真がでてきましたが、楽曲は1曲も流れません。
とうとう眠気におそわれるぐらい退屈な作品でした。
題名でだまされたお客はほぼ全員とおもわれます。

利休にたずねよ:P.N.「pinewood」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-06-10

🦉NHKラジオ保阪正康の人物史は梅原猛の第一回だった。本篇のような千利休も視野に歴史哲学を考察した同氏,原点は先の戦争から受けた心の傷痕に在ったと云う。

メリー・ポピンズ・リターンズ:P.N.「pinewood」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-06-10

今日は時の日,ジェイウェイブのラジオ番組でケンブリッジ天文台の話題がー。そしてビックベンの話も。時刻が正確に記されるのは鐵道の発達と関連して居ると云う。英国でも本篇に出て来るビックベンのように正確な公共時計は少ないのが実態だとか

明日を綴る写真館:P.N.「喜び(光)のアングルで捉えよう!!」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-06-10

赤ちゃんや子供たちが輝いているのは、全身で喜びに生きているから。

何でそんなに嬉しいことがあるのだろ?と大人は忘れている。

光と闇、

昨今の芸能界の光と闇が暴かれ、才能より、売れることに熱中した結果、歪んだ
、音楽が聞こえない芸能界となり久しい、そんな世界を結果的に描いてしましたように思う。

仕事、育児、そこに喜びを見いだせば、人生は、光輝く。

喜びでシャッターを切る時、そこには美しい光がある。

喜びで、田植えをする姿に、美しさを感じる。

喜びで、子供を育てる姿に、美しさを覚える。

あなたが、喜びのアングルで人生、その時、その場所を生きれば、そこは光輝く、喜び、地上の楽園となる。

猫は抱くもの:P.N.「水口栄一」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-06-10

猫は抱くものをまた観て、とても感動した。これは何よりもほっこりした気分にさせてくれたからだ。最近、野良猫が我が家の庭を歩き回ることが多かったから、猫はいつも気になっていたのだ。それだけにひじょうに興味深かった。この映画で沢尻エリカさんが出演されている。私は彼女の大ファンだ。沢尻エリカさんと言えば、今年の2月に舞台で復帰された。私は大阪公演に出かけて、祝電も送らせて頂いた。彼女の演技はやはりあまりにも素晴らしかった。私はまたタイミングを観て、この公演を再演されたらどうかと思う。欲望という名の電車という作品は原書でも日本語でも読んだが、パーフェクトな内容だ。また沢尻エリカさんを何度も舞台で観てみたいと思う。

罪深き少年たち:P.N.「ige」さんからの投稿

評価
★★★★
投稿日
2024-06-10

韓国検察の腐った体質に真っ向から立ち向かう一人の刑事の胸熱映画。
本年度ベスト級。

スーパーでの強盗殺人事件で冤罪となった3人の少年の無実を証明しようと孤軍奮闘するソル・ギョングさん演じる刑事、ファンの実話ベースのストーリー。

韓国の検察の腐った体質を全面に描いていて、良く当局からクレームが付かなかったと思う位のクソ映画だった(笑)
人権を全く無視した最低な展開。
検察が無実の少年達を犯罪者にして行く行為が酷すぎた。

そんな子供達の無実を証明するためファンの行動が熱かった!

検察側のファンに対する圧力がハンパ無い!
ファンの妻が経営する食道や警察官のファンの娘に対する嫌がらせが酷すぎた。

そんな中、ファンが真犯人を突き止めてからの展開に引き込まれる。
幸せに暮らす真犯人を説得させ裁判に登場するシーンが胸熱!
まさか感動の涙が流れる作品とは思わなかった(笑)

ラストの裁判所を出た所での記念写真がメッチヤ良い!

真犯人の奥さんがとても綺麗な方でした( ´∀`)

違国日記:P.N.「ige」さんからの投稿

評価
★★★☆☆
投稿日
2024-06-10

心地よいガールズトークの会話劇が満載の作品。
本年度ベスト級。

両親を事故で亡くした女の子。
朝(アサ)を演じた早瀬憩さんの演技が素晴らしかった!
今まで存じなかった役者さんだけど、今後スクリーンに多く登場する予感!
彼女のインスタは観賞後に即フォロー(笑)

両親を事故で亡くした朝。
母親の妹の新垣結衣さん演じる槙生(マキオ)が引き取り共に生活して行くストーリー。

特に新垣結衣&夏帆さんの会話が最高に良かった!
その会話に早瀬憩さんも遜色無く加わって行く感じ!
餃子を3人で作るシーンが最高!
餃子がメッチャ熱そうだけど美味しそう。
早瀬憩さんの今後が楽しみ!

女子トークが多い中、男性陣がチョイ役ながら光ってた感じ!
瀬戸康史&染谷将太さんが作品のスパイスになっていた印象。

ぶっちゃけ上映時間139分は長いと感じお尻が痛くなったけど自分好みの作品で満足度はソコソコ。

何故か、綾瀬はるか&長澤まさみ&夏帆&広瀬すずサンが登場する4姉妹の作品を思い出してしまった。

早瀬憩さんの今後の活躍に期待しかありません( ´∀`)

あんのこと:P.N.「ige」さんからの投稿

評価
★★★★
投稿日
2024-06-10

ひとりの女性が必死に生きようとする姿を表現した作品。
本年度ベスト!!

本作は当然、河合優美さん目当て。
最近話題となった不適切なテレビドラマの影響なのか?
集客率はほぼ100%
やっぱり河合優美さんの演技が素晴らしかった!

親から虐待を受け覚醒剤に頼る杏。
そんな彼女を佐藤二朗さん演じる警察の多々羅が更正させようと奮闘するストーリー。

杏がとにかく可哀想。
必死に生きようとする中、事ある毎に母親に妨害される感じ。
クソ親の元に生まれた杏が観ていて辛く、泣ける。

杏、多々羅、桐野の3人が共に行動するシーンが良かった。
時々笑顔を見せる杏の幸せそうな表情が印象に残る。

後半に信じられない事件が発覚!
まさかの展開に驚く。
杏に親身に世話をしていた多々羅との接触がなくなり杏の感情に変化をもたらした感じが辛い。

実話ベースと言うことが信じられないけど、この物語を取材した記者はどんな思いで取材をしていたのか?

多々羅のタバコのポイ捨てのシーンが多過ぎたのが気になりました( ´∀`)

かくしごと:P.N.「ige」さんからの投稿

評価
★★★★
投稿日
2024-06-10

赤の他人が本当の親子に変化して行く感じを表現した作品。
本年度ベスト!

終盤のある出来事から怒涛の展開。
この先どうなるのか?
考える暇も与えられず進む構成から、ある一言に泣かされた(涙)
これが本作の肝って感じ。

認知症の父の介護の為、実家に戻った杏さん演じる千佐子。
認知症の父の奥田瑛二さん演じる孝蔵。
記憶を失った9歳の男の子。
この3人を中心に進むストーリー。

認知症の孝蔵を演じた奥田瑛二さんの演技がとても素晴らしかった!

本作は親子や家族がテーマだった感じ。
孝蔵と千佐子と記憶を無くした男の子の3人の共同生活。
最初はぎこちない感じけど、孝蔵と記憶を無くした男の子の関係が少しづつ良くなって行く感じか印象的。

認知症の父の面倒をみる千佐子の苦労が生々しい。
杏さん演じる千佐子の母としての行動が観ていて考えるさせられた。

最近、藤原季節さんと共演したお気に入りの作品の木竜麻生さんも登場。
彼女の役は微妙だったけど美しく今後に注目したい女優さん。

9歳の男の子が学校に行かないのが気になりました( ´∀`)

違国日記:P.N.「sanjuro」さんからの投稿

評価
★★★☆☆
投稿日
2024-06-09

原作未読。無愛想で人付き合いが苦手?ってドコが?慎生の描き方を観てそう感じてしまった。重苦しいギクシャクした雰囲気とその中でたまにクスリと笑える映画を期待していたのだが‥‥‥違った。

K-19:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
なし
投稿日
2024-06-09

ただ、惜しむらくは、致命的な欠点が一つある。
ソ連の軍人がロシア語訛りの英語を話すこと自体は、お約束なので何とも思わない。
英語に吹き替えられていると思えばいいのだ。

ただ、ソ連の海軍の艦長にハリソン・フォードというのは、いくら何でも違和感を抱かない方がおかしい。
一度はアメリカ大統領まで演じた男が、ロシア人艦長じゃまずいと思うのだ。

年輪を重ねてゴリラのようにたるんだ頬が、幾分それらしさを醸し出すのを助けてはいるが、彼が主演する映画をずっと観てきた、一人の映画好きとしては、その顔にアメリカのヒーローを重ねないわけにはいかないのだ。

もちろん、彼を主演に起用することで製作のゴーサインが出た企画かも知れないが、こればかりはいただけないキャスティングであったと思う。

K-19:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
なし
投稿日
2024-06-09

旧敵国の英雄を描いているようであって、旧敵国の非人間性や無茶苦茶さ加減、お粗末さ加減が際立ってくる。

必要なパーツは供給されず、放射能の防護服の替わりに雨合羽しかおかれていない。
こうしたディテールが、物語の直接的な伏線として機能するだけでなく、描かずして冷戦に勝利したアメリカへの賛歌となるあたりは、計算づくでないわけがない。

とはいえ、キャスリン・ビグロー監督は、そんな”愛国映画”を撮ることに興味があるわけもなく、これまでの作品でも垣間見せていた本領を発揮して、力強く物語の核心を抉り出していく。

乗組員と新しい艦長との確執や、政治局員たちのキャラクターなどは今一つ描き切れていない。
しかし、それを帳消しにして余りあるほどの迫力と臨場感で、放射能事故の応急措置をめぐる乗組員たちを演出し、名前の知られていない若い俳優たちから素晴らしい演技を引き出していると思う。

K-19:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★
投稿日
2024-06-09

東西冷戦時代、ソ連の威信をかけて出航し、示威的にミサイルを打ち上げることに成功した原子力潜水艦内で、放射能漏れの事故が発生し、艦長以下の乗組員が究極の選択を迫られることになる——-。

おそらく、この映画はハリウッド製娯楽大作映画としては快挙と言えるだろう。
この作品は、放射能という”見えざる恐怖”と真剣に向き合い、その描写から逃げなかった。

もちろん、そうすることなしに、この作品は成立し得ない。何しろこれは潜水艦映画などではなく、”密室原発事故映画”なのだ。旧敵国がいかに無茶苦茶なことをやっていたかを描くことで、間接的に”愛国映画”たる枠組みを使って、キャスリン・ビグロー監督は画期的かつ容赦のない描写を実現した。
この映画はその一点においてだけでも賞賛されるべきだろう。

そして、この映画で一番うまいのは、実は、この免罪符としての映画の枠組みにあるのではないかと思う。

インサイダー:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
なし
投稿日
2024-06-09

我々が日頃、享受している「言論の自由」や「報道の自由」は、これら多くの犠牲や努力の上に成り立っているのだと、あらためて痛感させられます。

バーグマンとワイガンドが命を懸けて示してくれた大きな理想。これは、まぎれもなく、れっきとした事実なのです。

なお、この映画は1999年度のLA批評家協会の最優秀作品賞、最優秀主演男優賞(ラッセル・クロウ)、最優秀助演男優賞(クリストファー・プラマー)、最優秀撮影賞を受賞し、また、同年の全米批評家協会の最優秀主演男優賞(ラッセル・クロウ)、最優秀助演男優賞(クリストファー・プラマー)を受賞しています。

インサイダー:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
なし
投稿日
2024-06-09

様々な脅迫に耐えられず、夫から離れていったワイガンドの妻は、現実的な人間らしさを象徴するキャラクターでもあります。ただ、残念ながら、この女性は丁寧に描かれていたとは言い難く、このドラマの枠外へと追いやられてしまっています。こう考えてくると、結局のところ、ワイガンドの正義心を前へと突き動かしているのは、”男と男の信頼関係”だったのだと思います。

バーグマンの信念、それは、自分の情報源になってくれる人間を守ってやる事。これがジャーナリストの鉄則だと信じているのです。CBSがタバコ会社の圧力に負けて放送が中止になれば、新聞社へ情報を流し、あらゆる手段を使ってでも、この内部告発を世間に伝えようとするのです。

ワイガンドの勇気に報いるために、バーグマンもまた、組織の中での自分の立場を顧みる事などしないのです。この二人の男の稀有な勇気と信頼が、長く険しい道のりの果て、真実の公開へとたどり着かせるのです。

インサイダー:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
なし
投稿日
2024-06-09

※このクチコミはネタバレを含みます。 [クリックで本文表示]

まず、実話に基づいている事もあって、手持ち撮影によるドキュメンタリー・タッチが実に効果を上げているなと思います。更に、クローズ・アップやスローモーションで画面にメリハリをつけ、バーグマンのジャーナリストとしての信念と、ワイガンドの迷える複雑な心情を鮮やかに映し出していると思います。

このワイガンドが内部告発をする段になって、様々な圧力がかかり、身の危険や家族崩壊の危機にさらされる事になります。凄まじいまでの葛藤と戦い、ワイガンドは強固な正義心を貫こうとします。

現実問題として、このような過酷な試練にさらされた時、人間は理想というものを貫き通せるものであろうか? 人間は本来は、もっともっと弱いはずだし、このワイガンドの勇気を我々は現実のものとして、受け止められるであろうか?—-と、自問自答せざるを得ません。

インサイダー:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-06-09

“自分を信じ自分を貫こうとする男の美学をクールに熱く語る、マイケル・マン監督の社会派ドラマ「インサイダー」”

「ヒート」、「コラテラル」のマイケル・マン監督が放つ、男同士の死闘をクールに描いた骨太の社会派ドラマです。

静けさの中にもほとばしる熱気、マイケル・マン監督の抑制された演出が、男達の生きざまを輝かせます。自分を信じ、自分を貫こうとする男の美学が、我々観る者の心を激しく揺さぶります。

アメリカのCBSの人気報道番組「60ミニッツ」の舞台裏で実際に起きた事件を描く、実録社会派ドラマで、「60ミニッツ」の敏腕プロデューサー、ローウェル・バーグマン(アル・パチーノ)とタバコ会社の不正を内部告発した、ジェフリー・ワイガンド(ラッセル・クロウ)という二人の実在する男達の熱い戦いを実録タッチで描いています。

2時間38分と長い上映時間ですが、マイケル・マン監督の工夫を凝らした演出がピリピリするような緊張感を持続させてくれます。

模倣犯:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
なし
投稿日
2024-06-09

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当時の森田監督といえば、「黒い家」で「悪魔のいけにえ」的なテイストを発揮し、「39--刑法第三十九条」も当時のサイコ・スリラーブームに便乗しつつ、極めてロジカルな傑作にした監督だ。

だから期待して観たものの、ところが森田監督はこの作品をとんでもない"実験映画"にしてしまったのだ。
新しモノ好きの本領を発揮してHD24pで撮影したものの、凝り過ぎて特撮映画でもないのに合成ショットが800にも及んだとのことで、それってゴジラよりも多いわ、製作が大幅に遅れるわで、かなり問題を起こしたそうだ。

しかも、マスコミを利用して遺族を翻弄する狡猾な殺人犯を軸に置き、人間の悪意と犯罪心理に対して、深遠なテーマを投げかける原作の外殻だけ残し、後は素人の演技以前の、学芸会的なヘタな演技しか出来ない、中居正広演じる殺人犯を意味不明のトリックスターにして、完成したのは森田版「怪人20面相」。

しかも、ラストは石井輝男監督の「江戸川乱歩全集/恐怖奇形人形」もかくやのウルトラ首花火大会。
それなら、最初から江戸川乱歩でもやればよかったんだ、みたいな変な結果になっている。

模倣犯:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★☆☆☆
投稿日
2024-06-09

スティーヴン・キングの小説が素晴らしい映画に恵まれないのと同様に、宮部みゆきもまた自著の映画化に際して、原作と同等のクオリティが得られない作家であると思う。

その理由は奇しくも、スティーヴン・キングと一緒で、ディテールの積み重ねでリアリティを構築しているから、どうしてもセンテンスが長大になる。

映画はそれを限定された時間に置換しきれず、ダイジェスト以上のものを望む事が出来ないのだ。
そこで理想的なアプローチとしては、原作を思い切り意訳して真っ向勝負を回避するか、あるいは短編にするかだろう。

そんな宮部みゆきの原作映画「模倣犯」は、単行本が上下巻合わせて1,500ページというベストセラー大著に敢然と挑んだのが、今は亡き森田芳光監督だ。

当時の森田監督といえば、「黒い家」で「悪魔のいけにえ」的なテイストを発揮し、「39--刑法第三十九条」も当時のサイコ・スリラーブームに便乗しつつ、極めてロジカルな作品にした監督だ。

最終更新日:2025-05-04 16:00:01

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