映画感想・レビュー 189/2562ページ

座頭市血煙り街道:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2023-12-12

旅の途中で偶然出会った子供の父親を、市が探してやっていると、ご禁制の浮世絵皿を描かされている、絵皿職人が浮かび上がる。

それまでに何度か顔を合わせていた、謎の浪人風の侍が、実は公儀隠密だった。
事件の関係者は全て斬ると、子供の父親に斬りかかり、遂に市との一騎打ちに---------。

戦前の剣戟スターから東映の「柳生武芸帖」シリーズを経て、TVシリーズの「素浪人 月影兵庫」でお茶の間の人気俳優になっていた近衛十四郎(松方弘樹のお父さん)が、公儀隠密の侍役で出演していて、日本の映画界で若山富三郎と並ぶ、殺陣の名人が、この映画でも迫力のある殺陣を披露していて、通常よりも長く見える刀を豪快に振り回し、市の仕込み杖と激突する。

ほとんどアドリブだったという、勝新太郎と近衛十四郎の二人の殺陣は、凄まじい迫力で、本物の時代劇の殺陣の素晴らしさを堪能できましたね。

加えて、最後の決闘の場面を盛り上げる雪、雪、雪の素晴らしさ。
最近のちゃちなCGでは表現できない、見事な質感は、まさに大映映画の美術の真骨頂だ。

シンシナティキッド:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★
投稿日
2023-12-12

この映画「シンシナティ・キッド」は、興奮と緊張に貫かれた、冷たく孤独なギャンブルの世界を、「夜の大捜査線」「華麗なる賭け」のノーマン・ジュイソン監督が、鋭いタッチで描いた作品だ。

いささか自信過剰の気味の若いポーカーの勝負師と、ベテラン勝負師が、精魂傾けての一世一代の大勝負をクライマックスにした、一瞬にして金も女もふっ飛ぶ、非情な世界が魅力的に描かれている。

ノーマン・ジュイソン監督が、スティーヴ・マックィーン、エドワード・G・ロビンソンのリアルな演技に焦点を合わせて、迫力のある作品にまとめていると思う。

フル・ハウスのスティーヴ・マックィーン扮するシンシナティ・キッドが、勝利を確信した時、エドワド・G・ロビンソン扮する老勝負師ランシーのストレート・フラッシュが、それを打ち砕くラストが印象的だ。

市子:P.N.「ロマンチックエロ爺」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2023-12-12

杉咲花、地獄めぐり映画です!市子に関わると人生狂います~下手すると死にます!最初、市子に同情してますが~危ない~危ない~市子の悲しさ~辛さ~哀れさに深く関われば関わるほど飲み込まれてしまいますよ!こんな恐ろしさまで表現した杉咲花、恐るべし!

戦場のピアニスト:P.N.「ショパンに、ノクターン?」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2023-12-12

今まで聴いたショパンのノクターン、遺作で、いちばん、柔らかく包み込む調べ。

人間は、振動体、

その生きざまは、人生に表現される。

主人公が、そのように生きたとしたら、俄然、神に生かされる存在として、うなずける。

沈黙と感謝の精神は、生きる上で、最強の武器だ。

多くの人々は、沈黙を貫けない、一見、物静かな人間も、悶々と独り言を呟き、はたまた、頭でお喋り。

とっても、辛い、ストーリーですが、頭と終盤に、ノクターンが、印象的に使われています。

その変化を楽しめると思います。

最新技術で、鮮やかによみがえる作品です。

羅生門(1950):P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2023-12-12

黒澤明監督の「羅生門」は、1951年度ヴェネチア映画祭金獅子賞、アカデミー賞特別賞を受賞した作品で、世界中に黒澤明監督の名を知らしめた映画詩に残る傑作だ。

この作品の素晴らしさは、人間の本質がどこにあるのかという、人間存在そのものに対する根本的な疑問を、観る者に強く訴える力を持っている点だと思う。

また、単に疑問をなげかけるだけではなくて、例えば、捨てられた赤ん坊を育てていくというヒューマニズムも織り混ぜられ、それがこの作品の救いになっていると思う。

奔放なカメラワークで、映像の魔術師と絶賛された、宮川一夫のモノクロの撮影も素晴らしく、とりわけ世界的に有名な森の中を走る場面は出色の出来だと思う。

誰が為に鐘は鳴る(1943):P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★
投稿日
2023-12-12

この映画「誰が為に鐘は鳴る」は、ヘミングウェイ原作の映画化作品で、ゲーリー・クーパー、イングリッド・バーグマン競演のスペイン内乱の戦時下の大メロドラマの傑作だ。

スペイン内乱時に、フランコ反乱軍に対して、人民戦線軍に身を投じた、アメリカ人のロバート(ゲーリー・クーパー)は、ゲリラ活動を行なうジプシーの一団と行動を共にする。

そこにいた娘マリア(イングリッド・バーグマン)は、ロバートに恋するが、彼には苛酷な戦いが待っていた。

極限状態の中の男女の愛を、壮絶な戦闘と絡めて描いていて、かなり大甘のメロドラマになっているが、ゲーリー・クーパー、イングリッド・バーグマンの絶頂期の作品だけあって、これぞハリウッド映画と呼びたい。

髪を短くして撮影に入ったバーグマンは、まさに体当たりの熱演で、クーパーとのラブ・シーンでの「キスの仕方を知らないの。鼻と鼻が邪魔するわ」というあの甘いセリフは、強烈なエロチシズムを感じさせ、「カサブランカ」と並んで、最高に綺麗なバーグマンを見ることができる。

1900年:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2023-12-11

ベルナルド・ベルトリッチ監督の「1900年」は、ロバート・デ・ニーロとジェラール・ドパルデューが存在感のある演技を競い合った、壮大なる映像詩とも言える作品だ。

1900年の同じ日に、大農園で二人の男児が誕生した。
ひとりは、地主の孫アルフレード、もうひとりは、小作人の孫オルモ。
二人は激動の時代を、互いに意識し合いながら成長していく。

2部構成によるベルトリッチ監督の壮大なる叙事詩でもあり、豪華な配役により、世代の移り変わりを描いたメロドラマにもなっている。
そこに、ファシズムの狂気が割り込んでくる。

人々の愛と憎しみ、農民のデモやファシストによる虐殺という、歴史的な事件までが、ゆったりとした時の流れの中で、何気ない出来事のように描かれている。

ライアンの娘:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2023-12-11

この映画「ライアンの娘」は、20世紀初頭の反英運動下のアイルランドの寒村を舞台にした、巨匠デビッド・リーン監督の壮大な愛の叙事詩だ。

教師と結婚した居酒屋の娘が、英軍の指揮官と恋に落ち、スパイ容疑をかけられる。

人妻の不倫愛を軸に、大自然と人間の共存を、デビッド・リーン監督独特の重量感とスケールで描いた佳作だ。

崖を舞うパラソル、冬の荒海、官能的な森といった、各々のシーンの絵画的な美しさ。

貧困と偏見が蔓延する村への不満を、結婚で解消できず、不倫へ溺れていく人妻の心の揺れを、サラ・マイルズが繊細に演じているのが印象に残ります。

また、ヒロインに付き従う小男の純粋無垢な愛も忘れられない。

鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎:P.N.「たつさん」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2023-12-11

昭和時代のタバコ描写の多さ、結構今見るとびっくりしますね。
ゲゲ郎の語り口調やアクションが非常によかったです。
水木とのバディ感もかなりよかったです。

あと、糸目のCV石田彰キャラは明らかになんかあるぞ…と思わせてくれました。

救いのない鬱展開や流血描写は、
確かに小学生以下はちょっときついかも。

時弥くんが本当にCV小林由美子さんの演技で泣いてしまいました。

龍賀家全体的になんて家だ…って最初は思いますが
見終わった後、しばらくたつと
いや、こうなってしまったのには理由が…とか
描かれていない背景を考察するのも楽しいのかもしれません。

ラスト付近は 自分を含め 両隣も涙。
上映終了後も泣いてるような方がちらほら…でした。

妖怪の孫:P.N.「なんのきなし」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2023-12-11

※このクチコミはネタバレを含みます。 [クリックで本文表示]

最初は妖怪ものかと思っていましたが、予想とは大違い。まさか妖怪が岸伸介で孫があの安倍晋三とは想定外の驚きもありついつい見入ってしまいました。
たんたんとした進行の中に安倍晋三による政治の私物化、国民をだます姑息さがここまで酷かったのかと思い知らされました。政権を取ったら政策なんかどうでも良く、国民にはやってる振りを見せていれば良いような発言もしていたり、国会答弁では野党を小ばかにする姿勢や嘘の答弁などなど呆れるばかりです。
安部が刺殺されてから統一教会の問題が大きく報道され始めましたが、それまでのメディアの姿勢などが問題視される中、安倍政権に対するメディアの忖度姿勢もまた大きな問題であることが入念な調査によりよく描かれていてとても良いドキュメンタリーだなと思います。
こんな自民党を支持し続けている方々に特に見て頂きたいと思います。

ジュリア:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2023-12-11

この映画「ジュリア」は、女流劇作家リリアン・ヘルマンの回顧録「ペンチメント」の映画化作品だ。

反ナチ運動の信念に生きる、親友ジュリアとの友情を中心に、共同生活をしていた作家ダシール・ハメットとの愛情を織り交ぜながら、親友を失ったリリアンの深い憤りが、静かに伝わってくる感動の一篇だ。

第二次世界大戦直前に、全てを賭けて抵抗運動にのめり込んでいくジュリア。
その凄まじい生き方が、劇作家リリアン・ヘルマンに物凄く大きな影響を与える。

力強くヒューマニズムを描くことで定評のあるフレッド・ジンネマン監督の厳しい映画で、国境を越えるところのサスペンスなど、とても面白かった。

しかも、ジェーン・フォンダとバネッサ・レッドグレープという、社会派女優の顔合わせが凄い。

エクソシスト 信じる者:P.N.「ロマンティックエロ爺」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2023-12-11

90才ぐらいのエレン.バ-ステンの登場は、リアルタイムで故フリ-ドキン監督のエクソシストを観てる爺には嬉しいのですが如何せんサ―ビス的面白味を惜しいところで超えられず!悪魔に乗り移られる女の子を2人にしたんだからアクションを恐ろしさを旧作の2倍にしてもらいたかったな~しかし、女の子2人はメッチャ頑張ってます!三部作と言うことなので次作に期待です!

ウェルター:P.N.「宝箱」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2023-12-11

 お金では得られない大切なものを出演者の1人、1人がはき出したそんな映画だった。少年院の友人役の人は「バカみたい」と女の子に言われ怒らずに「だろ」と返すセリフや、いい日旅立ちにこのひとが送られる時の表情を何度も映すのはこの人しか出来ない表情であり、それが光っているからだろう。 院長と課長のコンビの面白さ。 心震わすところは主人公が女の子に会いたくてしらじらしい時間つぶしをしまくるが、道を隔てたところには女の子の仲間3人がいる。まったく意識してないところ。又、試合中女の子が来てくれたかと何度も見るところ。 主人公の1度だけの笑顔の愛らしさ、性格の深み、女の子の「今の時刻に迎えに来て」を受け無表情なのにすごく喜びがあふれていて、カメラとか光のあて具合とか演出とかすごいなと思った。

 

あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。:P.N.「ige」さんからの投稿

評価
★★★★
投稿日
2023-12-11

タイムリープ系の映画ではかなり泣ける作品。
本年度ベスト!

福原遥さん目当て。
なかなか良い演技で女優としての成長を感じる作品だった(笑)

父が他界し母と二人暮らしの百合。
生活も苦しい中、亡くなった父を誉めるばかり母にうんざりする感じ。
大学の進学を諦め就職を選んだ百合が戦時中の日本にタイムリープする展開。

特攻隊に志願した彰と出会い、食堂で住み込みで働く事に。

父親が他界した事もあって百合が自ら命を絶つ特攻隊員に疑問を抱く姿に泣ける。
今更だけど特攻隊の是非を問う感じに考えさせられる。

彰が出撃する日が訪れ泣ける展開に期待するもあっさりと出撃してしまい泣ける作品と思いきやそうでもない(笑)

と、思ってから百合が現代に戻り、ある施設を訪れたシーンから涙腺が緩む感じに意表を突かれた。

そして彰が目指したかった道を百合が引き継ぐ展開にも泣ける。

あの花が咲いていた場所。
丘じゃなくて谷と感じたのは自分だけなのか?
気になります( ´∀`)

ウォンカとチョコレート工場のはじまり:P.N.「ige」さんからの投稿

評価
★★★★
投稿日
2023-12-11

ファンタジー要素が多目なメッチヤ面白いミュージカル映画。
本年度ベスト!!

元BiSHのチッチがチャーリーの相棒、ヌードルのCVと言う事で迷わず吹替版で鑑賞。
チッチの声がメッチヤ良い!
そしてチッチの歌声も聴くことが出来て最高な作品だった!

本作はオリジナル「チャリチョコ」のウォンカの若い頃のストーリー。
だけど「チャリチョコ」とは全くの別物って感じだった。
世界観も全く別物で関連性の無い映画だった感じ。
ウォンカの性格が全く違っていて、本作観賞後にオリジナルを見たら違和感あるかもしれない感じ。

母と夢見たチョコレート工場を作る為、ある街に訪れたウォンカ。
その街の悪徳ホテル経営者や悪徳チョコレート職人3人に立ち向かう感じのストーリー。

思ってもいないミュージカル要素が多目でとても良い!
吹替版だったので字幕版でティモシー・シャラメさんの歌声も聴きたい!

ウォンカのお母さんの手紙に泣け、その後のチョコレートのお裾分けのシーンも良かった。

字幕版で鑑賞した方は吹替版での再鑑賞を推奨。
自分は字幕版でもう一度観たいです( ´∀`)

市子:P.N.「ige」さんからの投稿

評価
★★★☆☆
投稿日
2023-12-11

杉咲花さんの演技にメッチヤ引き込まれた作品。
本年度ベスト!!

ぶっちゃけストーリーは今一つだった感じだけど杉咲花さんが素晴らしかった!
個人的に主演女優賞を差し上げたい位の演技。
特にプロポーズのシーンで流す涙に自分も涙が流れてしまった(笑)

市子と名乗る女性の壮絶なストーリーの認識で鑑賞。
それより市子の周りの人達が彼女を支えている感じのシーンの比重が高かった感じ。

若葉竜也さん演じる長谷川が市子にプロポーズした翌日に彼女が失踪。

刑事の後藤と長谷川が市子の過去を究明しながら彼女を探すストーリー。

市子が失踪した理由に泣けるもののストーリーにはイマイチ乗れず。
杉咲花さんの演技だけを楽しんでしまった感じ。

お母さんが一番悪いと思うけど、なぜそうしてしまったのか?
もう少し詳しく描いて欲しかった印象。

よく解らないシーンもあり期待していただけに少し残念です( ´∀`)

忍ぶ川:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2023-12-10

この映画「忍ぶ川」を撮った熊井啓監督は、一般的には社会派の監督と言われているが、基本的には社会的なテーマを取り上げつつも、そこにメロドラマ性や抒情的な色彩を、うまく折り込む監督ということが言える。

この「忍ぶ川」も、そういった意味で、メロドラマ性が生きた、非常に爽やかな、青春物語に仕上がっていると思う。

特に、当時、俳優座の新人だった栗原小巻が、新鮮な演技をしていて、若々しさと美しさ、爽やかさという、栗原小巻のいい資質が、見事に結晶した作品だと思う。

ゴジラ-1.0:P.N.「ばらちゃん」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2023-12-10

※このクチコミはネタバレを含みます。 [クリックで本文表示]

自分が監督だったらを、、、言っても良いですか?ネタがバレてしまいますが、、、。

自分が監督だったら、ラストの敷島の脱出はストーリーでは伏せておいて、観客には自爆したと見せかけて、全てを失ったかに思わせておいて、実は最後の最後で脱出装置で生き伸びていた!というふうにもっていきます。そして、のり子さんとあきこちゃんと人知れず、どこかで暮らしている、というようなストーリーにもっていきます。

いかがでしょうか?

映画 窓ぎわのトットちゃん:P.N.「けろたろう」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2023-12-10

黒柳徹子さんの幼少期の出来事と戦前から戦中までの不穏な空気感が伝わってきます。当時の生活ぶりや暮らしぶりがとても丁寧に描かれています。そしてトットちゃんの少し変わったところを受け止めてくれたトモエ学園。生と死、大人と子ども、戦争と平和、対比が素晴らしい。とても細かい実写化と見間違うような美しい映像。トットちゃんの空想や夢のシーンでは特殊な技術を敢えて使うという演出も良かった。いろんな人に観てほしいと思う

最終更新日:2025-04-26 16:00:02

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