映画感想・レビュー 187/2562ページ

やさぐれ刑事:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★
投稿日
2023-12-16

この藤本義一原作、渡邊祐介監督、原田芳雄主演の「やさぐれ刑事」は、主人公の原田芳雄扮する刑事が、自分が狙っていた暴力団幹部に妻を寝取られ、コールガールに売りとばされて怒り狂い、警察官としての職務も規律もなげうって復讐の鬼と化してしまう。

そしてダーティな追跡劇を、北海道から九州までと大がかりに繰り広げるさまを描いた、ハードボイルド刑事アクション映画なのです。

藤本義一の原作小説のハードボイルド色を極力抑えて、活劇としての面白みを強調していると思う。

職務に忠実なあまり、家庭からはみ出し、さらに、妻を奪われてからというもの警察機構からもはみ出した”男の屈折したエネルギー”を、原田芳雄が実に好演して見せているが、映画としてはリアリティの欠如が目立ち、いささか説得力が乏しかったような気がする。

しかし、日本の伝統である任侠映画のパターンに、アメリカ映画の「ダーティハリー」シリーズに代表される豪快なアクションを織り混ぜて、それまでの刑事ものとは一味違った、”アクション娯楽活劇”に仕上げた渡邊祐介監督の演出の手腕は、なかなか冴えていたと思う。

プロヴァンスの贈りもの:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★☆☆
投稿日
2023-12-16

リドリー・スコット監督にしては、非常に珍しいラブロマンスの作品だ。
仕事人間の男性が、真の人生に目覚める温かい物語のテーマは、ロハス。
隠し味は伝説のワインだ。

主人公の少年時代を演じるハイモア君は、絶品だが、成長してクロウになるのが、どうも疑問。
おまけに、なぜ彼が仕事と金儲けしか、興味がない人間になったかを描き忘れている有様だ。

物語的には欠点が目につくものの、リドリー・スコット監督らしさは、シネスコープでとらえた美しいワイン畑の映像に垣間見えましたね。

美しい彼 special edit version:P.N.「リアメテ」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2023-12-15

私も〝美彼〟に すっかりハマってしまった1人です。BL作品に全くと言っていいくらい興味が湧かず、むしろ拒絶感で いっぱいでした。そんな私が この作品に出逢ってから恥ずかしながら虜になってしまったと言っても過言ではありません。以後、小説やコミックまでも書ってしまい、とにかく文学的な所が大好きです❣️
また、萩原利久さんと八木勇征さん共にハマり役だと思います✨
美しい彼は、もう2人無ければ成り立たないと思える程に適役だと思います。監督の酒井麻衣さんの演出も素晴らしいと思います✨
主題歌や挿入曲も とても良いと思いました✨もう何回観たか分からないくらいです。そしてまた、何十年ぶりかに名画座・映画館に行って、また改めて観たいと思います。ちなみに、この2人を見ているとハッピーエンドなのにも関わらず不思議と涙が出て来てしまう程に切ない感情に囚われます。とにかく平良と清居の それぞれの感情の揺れがヒシヒシと伝わって来ます。もう語り尽くせません…。

ゴジラ-1.0:P.N.「ゆき」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2023-12-15

皆さん見てください。
戦死者への慰霊も兼ねてるのでは、だから泣いてしまう。米国
でヒット、それ以上に日本でもっとヒットしてほしい。
多くを語りたくない。映画館に足を運んでね。

さよならコロンバス:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★
投稿日
2023-12-15

この映画「さよならコロンバス」は、フィリップ・ロスの小説が原作のラリー・ピアース監督の青春映画の佳作

ニューヨークで図書館に務める青年ニール(リチャード・ベンジャミン)が、ブレンダ(アリ・マッグロー)と知り合う。
二人はデートを重ねるが、裕福なユダヤ人の両親に育てられ、我儘に育ったブレンダと、ナイーヴなニールとの間には、次第にズレが生じてくる。

当時の青年男女の生態を、階級の違いと、典型的なユダヤ人一家を通して、ほろ苦い、軽喜劇タッチで描いていて、セックスに関する露骨なセリフも出てくるが、ヒロインのユダヤ人女性としての在り方を捉える視点が、実に興味深い。

「ある愛の詩」でブレークする前のアリ・マッグローが好演していて、後に監督へ転身するリチャード・ベンジャミンのキャラクターも新鮮だ。
そして、アソシエーションの歌う主題歌も、いつまでも心に残る。

血を吸う薔薇:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★
投稿日
2023-12-15

この映画「血を吸う薔薇」は、当時、東宝映画の名物となっていた、山本廸夫監督のドラキュラもの。

もちろん主演は岸田森。しかし、この映画は、ハマープロのドラキュラというより、ヴァディム調でちょっと凝り過ぎの感がある。

八ケ岳山麓の女子学園から、健全そのものの青年教師(黒沢年男)がやって来た。
初日から、学長の邸に泊まったこの教師の身辺に、不思議な現象がまとまりついてきた。

死んだはずの学長夫人が現われたり、胸をはだけた女が現れたりと、このあたりは少しクルーゾーの「悪魔のような女」を思わせる。

そして彼は、この地方で二百年も前に転びバテレンとなった白人が、今や吸血鬼となっているのだが、その吸血鬼と対決することになる。

田舎の女子学園が舞台というのは、アイディアもので、しかも女の子たちだけの世界というのだから、「尼僧ヨアンナ」のような無気味さが漂っている。

メル・ブルックスの大脱走:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★
投稿日
2023-12-15

才人メル・ブルックスが、製作と出演のみに専念した「メル・ブルックスの大脱走」は、エルンスト・ルビッチ監督の「生きるべきか死ぬべきか」のリメイク作品だ。

ルビッチは、倫理コードの厳しさを逆手に取り、セックスを暗示的に描くのが得意で、その洗練を極めた演出は、ルビッチ・タッチと呼ばれたものだ。

この二人には幾つも共通点があって、ユダヤ人であること、喜劇役者から監督に転じたこと、監督となってからも喜劇ばかりを手掛けたこと。

これがブルックスをして、ルビッチ作品のリメイクを思いつかせた理由だろう。

ほとんど欠点のない、完璧な映画がオリジナルなので、なぞっただけでも面白くなるのだが、ブルックスらしいアクの強いギャグを詰め込んだこの作品も、かなりいい線をいっていると思う。

翔んで埼玉 琵琶湖より愛をこめて:P.N.「ボス」さんからの投稿

評価
☆☆☆☆
投稿日
2023-12-15

前作が、馬鹿馬鹿しいストーリーながら
思わず爆笑してしまった私です。
今回も爆笑する覚悟で観に行きましたが…

大げさすぎる演技の割に、
たまにクスッと笑う場面が少しあったくらいで、ガッカリ。
観客も、1割ほどでした。
館内は、盛り上がる事も無く静まりかえっていました。

最後のお姫様の本当の姿には笑ってしまいましたが。

海軍特別年少兵:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2023-12-15

戦争は肉弾を必要とした。十代半ばの子供も兵隊になって行った。
年少兵と呼ばれた彼らは、都市や村から応募してきて、速成の訓練を受ける。

そのような子供が、兵隊になっていく様をカメラはリアルに捉えていく。
軍隊教育というのは、人間らしさを消し去っていくのだろうか。

教官役の地井武男が、自分の感情を抑えつつ、彼らを鍛えなくてはならないジレンマを好演している。

あどけなさを残した子供が、敵兵を殺しても、びくともしない面構えになって、硫黄島の守備につく。

年端もいかぬ子供たちのしごきと、死を見つめ続ける姿を、今井正監督が祈りを込めた視点で描いていると思う。

越前竹人形:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2023-12-15

この映画「越前竹人形」は、主演の若尾文子の、なんともけだるく、妖しい魅力に圧倒される作品だ。

着物の着こなし、帯、首すじ、柔らかなおくれ毛、裾からはみ出た脚、白い足袋-----何もかもまぶしいくらいの美しさだ。

遊女上がりの妻の所在なさと官能的な悶えが、モノクロの画面に漂う感じさえしてくる。

水上勉の原作、吉村公三郎監督で、薄幸のヒロインと竹細工に打ち込む青年の狂気の愛を描き、胸に切々と迫るような悲劇が綴られていく。

若尾文子の淫らなと言いたいくらいの身のこなし方、そのエロティックな風情に、すべてのドラマが吸い込まれていくような印象すら受けてしまう。

長い白い道をさまよい、川べりに出て、小舟の中に倒れ込むまでの、彼女の苦悶の身振りが、痛ましく美しい。

吼えろ鉄拳:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2023-12-15

この映画「吼えろ鉄拳」は、「忍者武芸帖 百地三太夫」に続く、真田広之主演2作目の作品。

テキサスで育った空手の使い手の若者(真田広之)が、いろいろあって神戸や香港をまたにかけ、プロレスラー、ボクサー、剣術使い、力持ち、ナチ・マニアなどと闘う痛快娯楽アクション映画だ。

監督は前作に引き続き、カルト映画の職人派、鈴木則文。
そういうわけで、真田広之の肉体の酷使は、前作以上に炸裂して凄まじい。

自殺の名所、東尋坊の崖からダイブするわ、大海原を飛ぶヘリからダイブするなど、本当にジャッキー・チェンも顔負けの物凄いスタントに自ら果敢に挑んでいる。

更に驚くべきことに、高層ビルをスパイダーマンのように自力で登ったりしているのだ。
果ては、香港市街を走る二階建てバスの上で大乱闘を繰り広げるなど、もう命知らずのアクションが満載なのだ。

また、この作品には鈴木則文監督ならではの愛すべき、おバカギャグが随所に盛り込まれていて、大いに楽しませてくれる。

プレデター2:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★☆☆
投稿日
2023-12-15

中南米のジャングルでアーノルド・シュワルツェネッガーと対決した”人間狩り”を最大の喜びとする地球外生物プレデターが、今度は1997年のロサンゼルスに出現し、アクション・シーン満載のノンストップで展開する「プレデター2」。

映画の冒頭は、麻薬組織の一味対警官隊の拳銃乱射の大銃撃戦。
それを色彩フィルムのネガみたいな映像で眺めているのが、見えざる地球外生物ブレデター。

麻薬一味が退却して籠城したビルの階上へ、部長刑事のダニー・グローヴァーがコンビのルーベン・ブラベスや女刑事のマリア・コンチータ・アロンゾと突入してみると、一味はみんな惨殺されていたのだった。

プレデターは例によって、容易に姿を見せず、最後になってワニみたいな奇怪な頭の正体をチラリと見せるのだが、アクション場面の全てが暗がりでのSFXでの目くらまし戦法で処理されているので、おどろおどろしいムードだけで、具体的なことはよくわからずじまいとなり、安っぽいという印象だけが残ってしまいましたね。

ブラック・レイン:P.N.「鬼籍の復活?」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2023-12-15

以前、かなり鑑賞出来ていたと思っていたが、

改めて、鑑賞すると、ハリウッド・マジックが解けて、

日本のベテラン俳優陣の演技が見応えあります。

今まで、海外の作品を鑑賞して来て、如何に、『ブラックレイン』が、お手本になっているかが解ります。

だから、このブランクは、無駄ではなかった。

ブラックレインの意味は、若山冨三郎さんが、映画で明かしてくれます。

高倉健さんの自然な演技は、凄い、普通にハリウッドスターとこなしている。

監督の遊び心、アンディ・ガルシアとのお茶目なデュエット、ゴルゴ13張りの演出。

気が付けば、たくさんのシーン、阪急の教会のような
演出は、以前なら、身近すぎて見落としていました。

わぁ、凄い、盛り沢山の発見、盛り沢山の内容。

松田優作さんも、凄い努力家で、かなり疲れたのかも知れません?

鬼籍の方々に感謝と敬意をはらいたいと思います。

ぬくもりの内側:P.N.「ゆうた」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2023-12-14

東京&大阪だけじゃ勿体無い!名古屋、福岡、仙台、札幌、、、全国で上映して欲しい!
事情があり家族には看取られない人達が次々と現れる。
それぞれの人達の人生を思うと涙無しには見れない。
だけど映画全体を見て、ラストは何故か心が温かくなった。
渡辺裕之さんの力強い演技を見たら、現実が信じ難いという気持ちになった。

かもめ食堂:P.N.「雪風」さんからの投稿

評価
★★★★
投稿日
2023-12-14

日本人の優しさ、謙虚さ、奥ゆかしさ、礼儀正しさがよく出ています。料理がおいしそうでお腹がすく映画です。なんでガッチャマンなのかとトンミ、ちょっとは遠慮せえと思いました。

野獣都市:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★
投稿日
2023-12-14

1960年代末から数年間、優れた活劇映画を生んだ”東宝ニューアクション”の隠れた傑作が、この大藪春彦原作の映画化「野獣都市」だ。

工学部の大学生の有間は、銃砲店でアルバイト中に偶然、製薬会社社長の石浜を恐喝した男を殺してしまうが、石浜から銃器と車の腕前を買われてボディガードを務めることになる-------。

大藪春彦の原作と異なり、2人の主人公の父子にも似た関係が印象的だ。重厚かつ不気味な存在感の名優・三國連太郎と破滅に向かって突き進む黒沢年男の温度差の対比が、実にいい。

リンチを受け廃人になった三國は、黒沢ならずとも驚愕の衝撃映像だ。
また、三國の娘役の高橋紀子の小悪魔ぶりもキュートだ。

ゴミ埋立地を舞台にした決闘シーンや暗闇でのクライマックスなど、職人監督・福田純のシャープなハードボイルド演出が光っている。

そして、音楽の佐藤勝は「アクション映画ではこれがベスト」だと語っており、ブルーベル・シンガーズの主題歌「疎外者の子守唄」もひりひりと身にしみる。

ザ・ディープ(1977):P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★
投稿日
2023-12-14

バミューダにハネムーンで訪れたカップル(ニック・ノルティとジャクリーン・ビセット)は、ある日スキン・ダイビングを楽しんでいる途中、海底で黄色い液体入りのアンプルと古いスペイン銀貨を発見した。

戦時中、一千万ドルに及ぶ麻薬を積んだまま沈没した貨物船の残骸から流れ出たものらしい。
この麻薬をめぐって正邪入り乱れ、灯台守(ロバート・ショウ)の活躍で悪は滅びる。

全編の70パーセントが水中撮影という涼味満点の娯楽映画で、ジャクリーン・ビセットの肢体が存分に楽しめるのはもちろん、サメの襲来やら巨大なウツボの出現やらの仕掛けも面白く、黄金に輝くスペインの財宝を手に、ロバート・ショウが水面に踊り上がるストップ・モーションのラストまで飽かせない。

職人技のプロが作ったと実感させるピーター・イエーツ監督の腕の冴えは、ロケ撮影の美しさとともに爽快な後味を残してくれる。

昼顔(2017):P.N.「くまぐ」さんからの投稿

評価
★★☆☆☆
投稿日
2023-12-14

※このクチコミはネタバレを含みます。 [クリックで本文表示]

のりこの家に押しかけるくだりで一気に冷めた。さわは、自分さえ良ければいいとしか見えない。事故の後、警察から連絡行くのもおかしいし。まだ離婚してないんだし。

不良番長:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★
投稿日
2023-12-14

梅宮辰夫扮する、不良グループのカポネ団が、暴力組織を相手に、ゲリラ戦で対抗するというのが、基本パターンの映画で、まさしく、当時の東映の岡田茂社長お得意の、”東映不良性感度”抜群のシリーズ物なのだ。

野田幸男が監督した初期の作品は、シリアスなアクション物に仕上がっていたが、シリーズ第4作目の「不良番長・送り狼」から加わった内藤誠監督が、コメディタッチを強調したのをきっかけにして、野田、内藤のコメディ合戦となっていく。

そして、最後には、梅宮辰夫以下の出演者の個人芸の合戦へと横滑りしていくことになる。

山城新伍、谷隼人、安岡力也、鈴木やすしなど、脇を固める俳優陣が、カポネ団の一員として、それぞれ個性的な演技を披露して笑わせてくれるのも、楽しいシリーズだ。

このシリーズ第1作目の「不良番長」は、新宿を根城に、いかなる組織にも属さず、恐喝、婦女暴行は朝飯前の極悪不良グループ・カポネ団の私闘を描いた、長寿シリーズの記念すべき作品だ。

最終更新日:2025-04-26 16:00:02

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