ゾディアック 作品情報

ぞでぃあっく

1969年7月4日、カリフォルニア州バレーホで若いカップルが拳銃で襲われ、女性が死亡。警察に事件を通報してきた男は、犯人は自分であると言ってきた。それからほぼ1か月後の8月1日。新聞社に、去年のクリスマスにハーマン湖で2人、7月4日にバレーホで若い女を殺したという内容の手紙が届く。これがのちに自らを“ゾディアック”と名乗るようになる男からの、第1の手紙だった。犯人しか知りえない事件の詳細を書き記したその手紙には、さらに不気味な暗号文が添えられていた。一般読者はもとより、手紙が送られてきたサンフランシスコ・クロニクル紙の記者ポール・エイブリー(ロバート・ダウニーJr.)と、暗号に並々ならぬ関心を寄せる風刺漫画家のロバート・グレイスミス(ジェイク・ギレンホール)はこの事件に熱中する。サンフランシスコ近郊に住む現役教師とその妻は暗号を解いたものの、そこから犯人の正体を知ることはできなかった。9月27日、再び若いカップルが襲われ、女性が死亡。10月11日、サンフランシスコ市内でタクシーに客として乗り込んだ男が運転手を射殺。ゾディアックは手紙の中で犯行を認め、さらに現場近くで警官に尋問を受けたと告白する。これを機にゾディアック追跡の最前線へと躍り出たのが、サンフランシスコ市警の刑事デイブ・トースキー(マーク・ラファロ)と、相棒のビル・アームストロング(アンソニー・エドワーズ)だった。警察で、そして新聞社で、取り憑かれたようにゾディアックを追いかける4人の男たち。いくつもの手がかりを与えながら、証拠は決して残さず、常に一歩先で嘲笑うゾディアック。真相を突き止めようとする執念から、エイブリーは酒に溺れるようになり、アームストロング刑事は殺人課を去り、英雄視されていたトースキーも証拠捏造の疑いをかけられ、転落の道をたどる。諦めることのなかったグレイスミスだが、彼の人生もまた永遠に変わることになる…。

「ゾディアック」の解説

“ゾディアック”と名乗る連続殺人犯からゲームのように送られてくる暗号を取り入れた犯行声明文に翻弄され、人生が狂っていく男4人の姿を描いたサスペンス。原作は、実際に起きた事件を追跡した諷刺漫画家ロバート・グレイスミスの『Zodiac』。監督は「セブン」「パニック・ルーム」のデヴィッド・フィンチャー。出演は「ブロークバック・マウンテン」のジェイク・グレンホール、「グッドナイト&グットラック」のロバート・ダウニーJr.、「エターナル・サンシャイン」のマーク・ラファロほか。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 2007年6月16日
キャスト 監督デイヴィッド・フィンチャー
原作ロバート・レイスミス
出演ジェイク・ギレンホール マーク・ラファロ アンソニー・エドワーズ ロバート・ダウニーJr. ブライアン・コックス ジョン・キャロル・リンチ クロエ・セヴィニー イライアス・コティーズ ドナル・ローグ ダーモット・マローニー
配給 ワーナー
制作国 アメリカ(2007)
上映時間 157分

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ユーザーレビュー

総合評価:3.5点★★★☆、2件の投稿があります。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★
投稿日
2024-05-17

この映画はデビッド・フィンチャー監督作品で、フィンチャーが連続殺人事件を描いたということから、出世作の「セブン」を思い出した。

だが、この映画「ゾディアック」が「セブン」と大きく異なるのは、ここで描かれているのが実際に起こった事件であり、いまだ未解決という点だ。

それと惨殺死体だけを見せた「セブン」に対して、こちらは犯行そのものを映していく。
しかも、このときのカメラが容赦ないんですね。

次々と有力情報がもたらされるものの、どれも実ることはなく、結局は空振りに終わってしまう。
この描き方がドキュメンタリーとまでは言わないにしても、少し引いた目線で描かれる。

ところが、それがある瞬間、一気に身も凍るスリラーへと変わる。
この話法の転換が実に見事でしたね。

犯人の挑発、自己顕示欲。それにマスコミが乗ったことで、モンスターのようにその像を膨らませていった。 そして、そのことがまた真実を知りたいという男たちの執念をさらに増幅させる。 しかし、もがけばもがくほど一様に深みにハマっていく。まさに底なし沼。 フィンチャーは、そんな事件に魅入られた男たちをひとりに絞ることなく複数描くことで、この事件が生み出した不条理そのものをあぶり出しているようにも見える。 論理では決して割り切れない、人間の不可解な心理と行動。 そういう意味でも、実に見応えのある映画だった。

最終更新日:2024-05-27 16:00:01

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