- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2019-10-15
サイレント映画の異端にして完全主義者のエーリヒ・フォン・シュトロハイムの代表作。当初公開した15巻版が今では11巻でしか観られない状況では、正当に評価できない。まして拙生の遠い記憶では詳しく述べることも儘ならない。それでもこの作品には、他では観ることがない残虐で非情なカラムジン伯爵に憑依したシュトロハイムの恐ろしい演技が刻印されていた。当時の検閲や批評家が衝撃を受けたという話も頷ける。ヴィスコンティの名作「地獄に堕ちた勇者ども」を更に極悪非道にしたタッチと云えばよいか、ギレルモ・デル・トロの傑作「パンズ・ラビリンス」からファンタジー色を一切取り除いたおどろおどろしさというか、いやそれも的確ではない。ルノアールの名画「大いなる幻影」やワイルダーの「サンセット大通り」のシュトロハイムとは余りにもかけ離れた、グロテスクなる人間ドラマの表現が凄い。
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2019-10-14
映画館を出てからずっと静かな興奮と感動と切なさに胸が痛くて、…素敵なドラマだった。あおい役の詩音さんと慎之介しんの役の吉沢亮さんが良かった!吉沢さんは この作品でまた演技力を認められるだろう。
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2019-10-14
ストーリーテラーの達人ビリー・ワイルダーは多作な上傑作も多く、正直なところ代表作を絞り切れない。未見の「熱砂の秘密」から「深夜の告白」「失われた週末」、この「サンセット大通り」「情婦」「昼下りの情事」「翼よ!あれが巴里の灯だ」「お熱いのがお好き」「アパートの鍵貸します」と、どれもが個性的で魅力的な映画ばかりだ。ルビッチとヒッチコックを足してダークにした感じで、独自の演出タッチを確立している。他に「男性と女性」「エアポート’75」しか観ていないが、ノーマ・デズモンドを演じるグロリア・スワンソンのサイレント映画の演技スタイルの存在感には圧倒される。そこにサイレント映画の巨人エーリヒ・フォン・シュトロハイムとセシル・B・デミルが加わり、クラシック映画好きには堪らないキャスティングになっている。ラストのスポットライトに照らされた、サロメを演じる狂気のノーマ・デズモンドを観られるだけでも価値がある。
- 評価
- ★★★☆☆
- 投稿日
- 2019-10-14
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原作は読んでいません。
ピアノが聞きたくて見ました。
内容は、んー青春映画?に感じました。
一人の天才少年が現れたことによってほかの3人が覚醒したというかピアノを弾くことの本質を思い出したというか。
きっと原作はもっともっと素晴らしいのでしょうが、これはこれで若い人向けの作品となっていると思います。
でもファンタジーでしょうね、本当のコンクールではこんな情景ありえなさそうライバル同士が助け合うなんて。
それも天才少年からの「ギフト」だったのでしょうか。
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- ★★★★★
- 投稿日
- 2019-10-14
作品数は少ないが安定した演出力と粋なセンスの持ち主ジョージ・ロイ・ヒル監督の代表作。「明日に向って撃て!」「スローターハウス5」「リトル・ロマンス」「ガープの世界」と多彩なジャンルに秀作ばかり。騙して大金をせしめる”スティング”ではフィルダー・クックの傑作「テキサスの五人の仲間」があるが、更に大掛かりな仕掛けと時代背景のセンス抜群な美術・衣装が目の保養となる。ニューマン・レッドフォードコンビが最良だし、特に憎めない愛嬌を醸し出すニューマンの良さが作品の品位を上げている。ロバート・ショウとの列車内でのポーカー対決場面なんて、こちらもニヤリとしてしまう可笑しさに溢れる。たったひとつ残念なのは女優陣に印象に残るような美女がいないことか。アカデミー賞の6部門で受賞をしたが、個人的にはニューマンに男優賞が与えられるべきと思った。これ以来、アカデミー賞を私は信用しなくなった。
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2019-10-14
俳優陣の熱量をビリビリ感じる作品!
CGを使わずに、ここまでのアクションを撮れることに驚きでした。
ヒロシ先生が脚本されているとのことで、見に行きましたが、ストーリーも面白く続編も見たいと思える内容でした!
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2019-10-14
芸術は政治的な判断を決定付けてはならない。映画も、思考の自由を理想とした、人間や取り巻く社会の冷静で客観的な観察者でなければならない。このテオ・アンゲロプロス監督のギリシャ演劇を土台とした政治に翻弄される旅芸人物語は、その理想のところにある。ワンショット・ワンシークエンスが連続する特殊な話法で導かれた視界は、自然に苦も無く私たちを静かな観察者にしてしまう。なんて大胆で意思強固な作家魂だろう。同じくギリシャ出身のジュールス・ダッシン監督の政治に影響を受ける宗教劇「宿命」を連想させるが、今作はまた格別だ。
姉エレクトラらに拍手を持って送られるオレステスの埋葬シーンに見せる、民衆の力。エレクトラの妹クリュソテミと米兵の結婚披露宴で長く白いテーブルクロスを無言で引く息子の抵抗にある虚無感。そして、秘密警官に強姦された後に、観察者に顔を向けて切々と語るエレクトラの政治情勢についてのモノローグ。演劇と映画の表現が合体した映画文体が自立してそびえ立つ。
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2019-10-14
スマばあちゃんの市原さん、シゲ爺の綿引さん、まわりがあたたかくて徐々に心を開いていく伊豆美の顔と、もうひとつの表情。遣都君、憑依してます。
三年後の伊豆美の顔は反則です。
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2019-10-14
ネオレアリズモを代表するイタリア映画の歴史的名画。戦後の荒廃した庶民の生活を写実した、ありのままの記録。ベッドシーツを質草にして自転車を質請けする場面の天井まで積み上げられたシーツの山、自転車や部品が並ぶ市場、サッカー場の周りに置かれた夥しい数の自転車、占い師に縋るエピソード等々。戻った自転車を手入れする幼い長男が傷を見つけて憤慨する細微な描写もいい。喧嘩別れした後の息子の安否に狼狽する父の心情と、レストランで食事する金持ちと比べて味わう親子の惨めさが、切実極まりない。そして、追い詰められた父が取った有り得ない行為を凝視する瞬間の長男の眼が、全てを物語る残酷な結末。子供の記憶に刻まれた親の姿が、その時代と社会を写し一生の心の傷になる。泣きながら寄り添う長男の手を握り絞めてから、恥辱に耐え切れず涙する父。ラストシーンに、これほど言葉を失うものは無い。
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2019-10-14
映画を観るということ。
本を読むと言うこと。
1人ひとり 解釈も違えば、好みも分かれる。
ただ この映画はあなたの中に、長らく残る何かを植え付ける。
どれだけ時代が変わっても、人類は同じ事を繰り返す。
何かのきっかけが有れば、誰にでも起こりうる事。
この映画を観てそう思わない人は、幸せな人なんだろう。
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2019-10-14
60代の女社長と40代の主婦(私)で見に行きました。
何度も泣いてしまいました。
そして沢山笑いました。
二人の女性の人生に考えさせられ
最高に元気をいただきました!
女優さんお二人の演技もとても素晴らしかったです。
- 評価
- ★★★☆☆
- 投稿日
- 2019-10-14
字 幕がと にか く気 持ち悪 い
演 出と言 ってい るけ れど病的なも の を感 じて堪 えられ ない。
本当にこういう表記していてもう無理
役のスコティッシュをバカにしているのか?と思いきや役者が話している言語がイングリッシュでも同じ手法。手紙と会話で変わるのか?と思いきや同じ手法
フランス語でも勿論同じ
むしろ日本人をバカにしているのかも
エリ ザベ ス…
誰やねん。字幕はダイイングメッセージか何かですか?
作品の品を大きく壊しているので字幕版はお薦めしません
字幕演出をした人は不法なクスリでも使っているのでは?と疑ってしまいます。そのくらい見ていて不愉快です
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2019-10-14
ホアキンの演技が圧巻です。カットやカラーが素晴らしく、映像だけでも見逃せない、印象に残るシーンが沢山ありました。
狂気の世界を、映画で観るに値する作品にした演出・脚本・俳優の熱量が凄かった。真っ当に生きる人間なら、この作品の映画としての娯楽性を十分理解し、楽しめます。
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2019-10-14
長い原作をよく纏めたし、コンクールの緊張感と臨場感は感じられる。映画館で観る価値あり。
キャストの適合性は100%があり得ないから、これで十分。
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2019-10-14
『時計仕掛けのオレンジ』のような心のざらつき。
よく出来ている。
バットマンの原作者は半世紀の後にかくも多様な展開を見せるとは思わなかっただろう。
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2019-10-14
非常に考えさせられる映画。今の日本でも繰り返される虐待を根底に底辺に生きる人を描く。精神異常もあり、賛否はあって当然。それを映画にしここまで魅せる、観せるのは凄い。役者の鑑。お腹いっぱいになる、秀作でした。
- 評価
- ★★☆☆☆
- 投稿日
- 2019-10-14
※このクチコミはネタバレを含みます。 [クリックで本文表示]
ジョンの体型は戦う男の体じゃ無い。ラスト、ゼロとの死闘は燃えよドラゴンと死亡遊戯のミックス設定。改めてブルース・リーの偉大さを確認。キアヌ、構えが中年。
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2019-10-14
本篇主演のグレン・クローズが「ロミオとジュリエット」宜しくジョン・マルコビッチに求婚される場面で一際美しいのが映画〈ワンダフル!ウエディング~結婚できる人できない人〉(原題THE wild wedding)
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2019-10-14
monochromeの名篇〈ハネムーン・キラーズ〉との大きな違いはロラ・ドエニャス演じるヒロインが美女で魅力的な点にも在るのかも知れない。駄目男にトコトン惚れ抜いて仕舞う辺りはフランソワ・トリュフォー監督の絶讚した上記の作品と共通しているんだけどね。究極の愛とは
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2019-10-14
完成度では戦後の名作「近松物語」に比肩する溝口健二の芸道ものの最高作。ワンショット・ワンシーンの手法で遺憾なく表現された舞台的映画技法の見本のような作品で、カメラアングルや移動撮影に唸る感想になる。お徳が菊之助に演技の不味さを諭すシーンの川岸の道に沿った移動撮影。背景の下町の家並み、その前を通り過ぎる人々、会話する二人の心の繋がりが、時代色を出して魅せる。義母里がお徳を叱り付ける場面では、家にいる多くの女中たちの様子が端的に的確に描かれ、田舎に帰ったお徳を探して菊之助が出会う場面では、山道の茶屋の林を生かした演出で人物の動きや思考を想像させる上手さが光る。また、口論する菊之助と義父菊五郎を撮らずに、隣の部屋で心配そうに聞く義母里を正面から撮る演出。高い演技力を要求する監督とそれに応える梅村蓉子の演技。
観るもののイマジネーションを刺激しながら、登場人物の感情や思考などに思い至らせる溝口監督の演出を存分に味わえます。