- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2023-12-06
リビーとセーラの老姉妹は、毎年夏になると、小さな島の別荘に滞在していた。
夏にだけ、その入り江にやってくる鯨を見たいのだ。
少女の頃からずっと、それが夏の楽しみだった。
しかし、今年はまだ鯨が現れない。
代わりに現れたのは、亡命ロシア貴族のマラノフ老人や大工のジョシュアだった。
この物語は、きらめく夏の太陽の日差しの中で、静かに老いていく人々を、温かく見詰めている。
老いてなお、少女の頃から胸に抱きしめている憧れを、八月の鯨に象徴させ、老人たちの細やかな仕草のひとつひとつが、限りなく美しく輝く名作だと思う。
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2023-12-06
この映画「慕情」は、かつてハリウッドの大スターだったウィリアム・ホールデンの代表作の1本だ。
浜辺の二人が、2本の煙草に同時に火をつける、名ラブシーンをはじめ、アメリカ映画らしい、徹底したロマンの味わいを堪能できる。
ファースト・シーンで、画面いっぱいに広がる香港の街や、当時まだ残っていた古い中国の風俗の、どこかのんびりとしたユーモラスな風情。
そして、ヒロインのジェニファー・ジョーンズの美しくスリムなチャイナ・ドレス姿。
そうしたエキゾチックな香りが、この愛の物語にひとしおの趣を添えていると思う。
- 評価
- ★★★☆☆
- 投稿日
- 2023-12-05
怪しげなネオン、狭い路地、得体の知れない店に破れたポスター、路上のゴミや空気に至るまで、危険な裏社会の野望とパワーを感じさせ、この映画の歌舞伎町は、まさに超歌舞伎町。
「不夜城」の歌舞伎町は、あくまでも治外法権的な裏世界として描かれている。
そんな中、金城武扮する一匹狼の故買屋・健一は、上海、北京、台湾の各マフィアの抗争に巻き込まれる。
抗争の火種となる中国残留孤児二世役の椎名桔平の演技が大袈裟なのが、この映画のリズムを壊していましたね。
でも「不夜城」は、やっぱりスリリングで、そして美しい。
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2023-12-05
猫に扮したキャラクターのますむらひろしの漫画版原作の映画化作品。秘められた壮大な宇宙観は光瀬龍等の日本SFへも影響を
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2023-12-05
「アルゴ探検隊の大冒険」は、骸骨と生身の人間との壮絶なチャンバラ・シーンを観るだけでも心が躍ります。
もちろん、ぬいぐるみの骸骨なんかではない。
正真正銘の骸骨が、剣を持って立ち向かってくる。
その動きが実にリアルで、時には俳優のアクションを凌ぐ機敏さを見せる。
人形アニメの錬金術師と呼ばれるレイ・ハリーハウゼンのまさに魔術としか言いようのない、華麗な特撮のテクニックに、たっぷりと酔える娯楽スペクタクル巨編だ。
この世の悪を滅ぼして、幸せをもたらすという、金羊毛を求めて冒険の旅に出た、アルゴ号の遠征隊が様々な危険や謎に遭遇する。
青銅の巨神タロスに追いかけられるかと思えば、残忍な鳥身女面の怪物と戦い、また、黒海の入り口では、迫りくる両岸壁を半人半魚の海神が、押しとどめて一行の命を救ってくれる。
そして、また、骸骨の軍団との死闘-----もう面白くてたまりません。
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2023-12-05
🪽1965年に刊行された立木義浩写真集舌出し天使を開くとウイリアム・クラインのストレート写真さながらのポエジックなショットと共に本篇の様なアナーキなヌーベルバーグの同時代の息吹が犇犇と感じらる
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2023-12-04
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ホタルのレイのあたりは、まじか~
え~~
そういう展開かぁ と思いましたが
結果、いい感じにまとめられてました。
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2023-12-04
ピンク映画に綿密なストーリーが組み込まれた様な作品。
本年度ベスト!
まさか、こんなにエロい映画とは知らずに鑑賞(笑)
お目当てだった、さとうほなみサンの脱ぎっぷりに驚くも引き込まれる(笑)
そして綾野剛&柄本佑さんの会話劇にも引き込まれた!
綾野剛さん演じる映画監督の栩⾕と柄本佑さん演じる脚本家志望の伊関。
この2人の会話劇がメイン。
アパートから立ち退かない伊関。
ひょんな事から立ち退きの交渉人となった栩⾕。
この2人を中心に展開するストーリー。
立ち退きの交渉をするものの2人が意気投合。
酒を飲み交わしながら昔付き合っていた彼女の話で盛り上がる展開。
実は2人の彼女がさとうほなみサン演じる同一人物の女優の祥⼦。
お互いそれに気が付かず彼女との出来事を語り合う感じ。
回想シーンはかなりエロい(笑)
終盤、脚本家の伊関が書いた本作のタイトル「花腐し(ハナクタシ)」の脚本がパソコンに映され、栩⾕が脚本の一部を書き直そうとするけど時既に遅しって感じ。
エンドロールの歌。
まさかのカラオケでした( ´∀`)
- 評価
- ★★★☆☆
- 投稿日
- 2023-12-04
サイコパス的な人が沢山登場するけど実は悲しいストーリーの作品。
本年度ベスト級。
吉岡里帆さん目当てだったけど、菜々緒さんも良かった!
サイコパスvs怪物の木こり。
連続殺人犯の怪物の木こりを警察官が探し当てる感じ。
殺された人達の関連性が解ってからの展開に引き込まれる。
悲しい過去の事実に泣ける。
サイコパス的な人が多過ぎなんだけどその理由にも泣ける。
ぶっちゃけ前半の展開が意味不明だったけど、その後に解る事実や人間関係が衝撃的だった。
ラストシーン。
吉岡里帆さん演じる映美の行動に驚くものの、その後に亀梨和也さん演じる二宮の行動には泣けた。
中村獅童さんはじめ染谷将太さんなど皆さんインパクト有り過ぎな作品でした( ´∀`)
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2023-12-04
悩める女性と、その悩みを解決する男性セラピスト3組のオムニバス的なストーリー。
①安達祐実さん演じる沙都子ver
若い男性セラピストとデートする沙都子。
特にやりたい事もなく帰ろうとする中、セラピストの刻が沙都子を色んな所につれ回す展開。
そんな沙都子がめっちゃ楽しそう!
沙都子が最強だったシーンに大爆笑。
②夏子さん演じるミユポver
7万人のフォロワーがいるインスタグラマーのミユポ。
美味しい料理の写真をアップして料理はセラピストに全部食べさせる展開。
いろんな食べ物屋を連れ回し、あるイベント会場に。
そこでの出来事からミユポとセラピストが急接近。
屋上でのエモい景色での会話や倉庫でのミユポの躍りが美しい。
③穂志もえかサン演じる灯ver
余命幾ばくもない母を持つ灯。
セラピストを婚約者と偽って母の病院に連れていく展開。
母が全てをお見通しで早々と病院を退散。
そこからセラピストの刹那(セツナ)が本領を発揮。
1人で再び病室に戻り母の心を開かせる感じが良かった!
3人の女性がセラピストにより自分の殻を破る感じに引き込まれた!
- 評価
- ★★★☆☆
- 投稿日
- 2023-12-04
人種や見た目で相手を決め付ける事が愚か。
と言う事を表現した作品。
本年度ベスト!
人間の姿となって普通に暮らしている地球外生物の難民X。
週刊誌記者がある情報を元にXと思われる人に張り込み正体を明かそうとするストーリー。
林遣都さん演じる記者の笹。
上野樹里さん演じるXと思われる柏木に近づくも柏木に恋してしまう感じ。
そして台湾留学生のリンとバイト仲間の野村周平さん演じる仁村のラブストーリーが同時進行して行く展開。
この2組のカップルの仲良くなって行くスピード感がハンパない(笑)
人間に危害を与えないXの設定。
これを上手い方法で表現している感じが良かった。
柏木が「人は心で見る」と言うセリフが印象に残る。
誰がXなのか?
あえて解り難くしている感じも良かった。
誰がXでも関係無い事を言いたかったと解釈。
ラブストーリーや親子愛も良かったけど、人を人種や見た目で決め付ける事はいけないと思わせる作品だった。
もう一回観て登場人物の表情や行動を観察したら面白さが倍増すると思います( ´∀`)
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2023-12-04
サンフランシスコのチャイナタウンは、大陸横断鉄道建設に従事した中国人が、故国から妻子を呼び寄せて建設した街だ。
いわば白人にとっては、中国的なもののイメージの源泉となる場所だ。
この街を舞台にした「ゴーストハンターズ」の出だしは、主人公が、黒づくめの愚連隊"死の貴族"を追って、黄色い鉢巻きの"チャンシン"と、赤いターバンの"ウィンコン"なる戦う結社が対立する中華街にやって来る。
そして、乱闘が始まるや否や、雷鳴と共に編み笠姿の"嵐の3人組"が現れる。
トラックで逃げようとした主人公は、魔界の王"ローパン"を轢いてしまうのだった-------。
ジョン・カーペンター監督は、「今のうちに思い切り悪ふざけをしておきたかった」のだそうで、香港映画顔負けの羽目を外した演出が見ものだ。
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2023-12-04
期待と、多少の尻すぼみも覚悟しならがらの鑑賞。
起承転結がはっきりしていて、本作で、完結しているのが、潔い。
最近鑑賞した、
『唄う六人の女』
『隣人X』
は、起承転、、、???
で、作品自体のクオリティは良かったけど、脚本の練り具合でしょう?
結末が、なんだか、腑に落ちない展開でした。
ちょっとそれらの作品の二の舞かなの危惧も、なく、良かったです。
人間は、最近、スマホばかり見て、表情が死んだ方を多く見かける。
目を見開き、無表情、一度固定した行動パターンを繰り返す。
まあ、スマホを提供する企業には有り難い存在。
頭の中のそれは、まるで、今の世界を映し出している。
前頭葉が何かで固定され、海馬は、記憶を繋げる無い。
まあ、選択は自由が丘、自由には、責任が伴う。
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2023-12-04
この映画「ドク・ホリデイ」は、「荒野の決闘」など、何度も映画の中で描かれている、アメリカ西部の伝説的な人物、ドク・ホリデイとワイアット・アープの姿を忠実に描いた作品だ。
トゥームストーンを牛耳り、甘い汁を吸おうと考えているワイアット・アープは、ドク・ホリデイを呼び寄せ、保安官選挙を有利に進めようとするが、アープのことを快く思っていないアイク・クライトンとの戦いへと発展していく。
アメリカン・ニューシネマの影響を受けたストーリーや構図など、ステレオタイプの西部劇とは一線を画した、異色の西部劇だ。
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2023-12-03
「ゴジラVSモスラ」は、ゴジラシリーズの第19作目の作品だ。
大森一樹が脚本を担当し、大河原孝夫が監督し、スケールの大きい娯楽作に仕上げている。
この映画の見どころは、シリーズ中、1、2を争う、怪獣ファンに絶大な人気を誇るモスラの復活だ。
そして、そのモスラの宿敵となる新怪獣、黒いモスラ"バトラ"の登場だ。
この二大怪獣と甦ったゴジラが、名古屋と横浜を舞台に、三つ巴の壮絶な死闘を繰り広げる。
また、過去にザ・ピーナッツが演じて、人気を集めた小美人も、新人二人を起用して復活している。
そして、懐かしいあのモスラの歌も披露して、嬉しかったですね。
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2023-12-03
フレッド・ジンネマン監督の「わが命つきるとも」は、1966年度のアカデミー賞で主要6部門を受賞した作品で、ロバート・ボルトの舞台劇を完璧な映像美で映画化した名作だ。
「ユートピア」の作者としても有名なトーマス・モアを主人公に、時の国王ヘンリー8世の離婚問題から起こった確執と権力闘争という、英国史上有名な史実を描いている。
特に、この作品でアカデミー主演男優賞を受賞した、トーマス・モア役のポール・スコフィールドを筆頭に、ずらりと顔を揃えた名優たちも見どころ十分で、ロバート・ショーがヘンリー8世を生き生きと好演している。
リアリズムで貫かれた、フレッド・ジンネマン監督の演出の格調の高さは、彼の最高作だと思います。
信念のためには、権力にも抵抗し、死をも厭わないという、トーマス・モアの人間像には驚嘆するばかりだ。
アメリカン・ニューシネマの台頭以前の弱体化したハリウッドが、意地を示した正統派歴史劇の秀作だと思います。
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2023-12-03
亀梨くんのサイコパス演技は結構見応えあって良かった。怪物の木こりの正体にも納得できました。もっとグロな感じを想像していましたがモロに見せずに雰囲気で魅せるところがなかなかの出来だと思う
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2023-12-03
この映画「日曜はダメよ」は、1960年度カンヌ国際映画祭で、主演のメリナ・メルクーリが主演女優賞を受賞し、大ヒットした主題歌が、外国語映画初のアカデミー歌曲賞を受賞した作品だ。
港町ビレウスの娼婦イリヤは、日曜だけは古典悲劇の鑑賞のため、仕事を休むのだった。
だが彼女は、悲劇を全てハッピーエンドに受け取っていたのだ。
アメリカ人の旅行者ホーマーは、そんな彼女に正しい鑑賞法を教えようとする。
愛する女性を自分の望む姿に変えたいという、男の永遠の願望が描かれてているが、メリナ=ギリシャに安住の地を見つけた、ジュールス・ダッシン監督自身の喜びが、画面全体からあふれている。
- 評価
- ★★★☆☆
- 投稿日
- 2023-12-03
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「四谷怪談」の主演の長谷川一夫は、天下の二枚目だ。
その彼が伊衛門を演じるというので、厄介な問題が生じてしまった。
四谷怪談の主人公、民谷伊衛門はおのれの欲望のためなら、人殺しも平気な極悪人だ。
だが、いかに夏の定番とはいえ、天下の二枚目に悪役はさせられない。
そこで、このジレンマを解決するため、ストーリーの大改変が行われたのだ。
すなわち、伊衛門を上司の娘婿に仕立てて、出世の手蔓としたい周囲の陰謀で、彼は妻が不貞を働いていると信じ込み、死に追いやるが、遂にその真相を知り、悪人達と大立ち回りの末、これを討ち果たす。
もともと鶴屋南北の戯曲自体が長いので、映画化の際、かなりの脚色を行うのが常だったとはいえ、悪玉を善玉に変えてしまったのは、この作品くらいのものだろう。
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2023-12-03
「セイント」は、バットマンやジム・モリソン、エルヴィス・プレスリーなどを演じてきたヴァル・キルマーが、12人の聖人の名を使い分ける怪盗に扮した冒険アクション映画だ。
暗い少年時代を経て、世界を股にかける大泥棒になったセイントこと、サイモン・テンプラー。
純粋な心を持つ科学者エマと恋に落ちた彼が、ロシア帝国の復活の野望に燃える大富豪トレティアックの陰謀を打ち砕くのだ。
この映画の元ネタは、ロジャー・ムーアが1960年代に主演した、TVシリーズ「天国野郎/セイント」。
野暮ったい親爺から謎めいた芸術家の青年まで、クルクルと変装してみせるヴァル・キルマーの演技が楽しい。
その軽いテイストの一方で、いかにも寒そうなロシアでのロケによる映像が、重厚なサスペンスを醸し出していると思う。