P.N.「グスタフ」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2019-09-28
1920年のアイルランド独立戦争と条約の評価で二分した内戦を描いたケン・ローチの傑作。ローチの冷静で真摯な視点が、劇的事件に翻弄される人間を感情移入せず、また飾り気なく描いてリアリズム表現を貫徹する。「ライアンの娘」のデビット・リーン監督のような感情の振幅をドラマチックに描く演出ではなく、時代を伺わせるような、張り詰めた緊張感が勝る演出がローチらしい。
「バットマン」で注目したキリアン・マーフィーの演技が素晴らしい。日本語タイトルが昔の付け方みたいのと麦畑で振り向くマーフィーのスチールカットが印象的。