雨の夜の銃声 作品情報

あめのよのじゅうせい

東西ドイツ境界線の川が流れている。と、突然そこへ若い女が躍り込んだ。銃声が起り彼女の周囲に飛沫が上ったが、アンナ・カミンスキ(エヴァ・コットハウス)は無事西岸へ着いた。そこに西独国境警備員カルル・アルトマン(エリック・シューマン)が来、彼はアンナに頼まれ町へ薬を取りに急いだ。その間アンナは去った。彼女には、亡夫の両親の養子にした息子のヨーヘンがあり、いま引取りに来たのだが、両親は手放さなかった。アンナは夜更けに息子を連れ出すと、街角でカルルに遭遇した。彼は便利屋の東西を往復するトラックに母子をおし込み、二人は無事国境を越えたが、乗ってるはずのヨーヘンはいなかった。一方、カルルは迷子のヨーヘンを見つけ、抜け道からアンナの許に届けた。彼女の家でカルルは若いソ連兵ミーシャ(ホルスト・ブッフホルツ)を知った。カルルとアンナは森中の零(無人)地帯の廃駅で恋人同士の接吻を交した。翌日、カルルは幼児幇助教唆のかどで職を追われた。夜、カルルとアンナは廃駅で逢った。その頃、東西緊張は増大し国境警備が厳しくなった。二人は逢えなくなった。アンナはソ連兵のミーシャに東西往復フリーパスの入手を頼んだ。カルルとアンナは結婚を誓い、便利屋にヨーヘンを託すと西側脱出の場所へ急いだ。すると大声を上げながら追って来るソ連兵に気づいた。二人は逃げた。ソ連兵はなおも追って来た。カルルは物蔭にひそみ拳銃の引金を引いた。ソ連兵は倒れた。が、その兵隊はミーシャであり、彼の手にはパスが握られていた。二人は愕然とした。東側の警戒サイレンが鳴りサーチライトが光った。二人は鉄条網めがけて走った。瞬間、東独側の銃が火を吹き、カルルは零地帯に落ちて死んだ。アンナは倒れたカルルに走りよった。が、一弾が彼女を貫いた。二人を生んだ、どちらのドイツにも属さない大地の上に、カルルとアンナは声もなく倒れていた。死の間際の力をふりしぼり、互いにさし伸ばした二人の手の間には、零地帯の土が黒々と数フィートを隔てていた。

「雨の夜の銃声」の解説

東西二つに分割されたドイツに住む二人の男女の恋が巨大な対立の犠牲になって死んでゆくまでを描く社会悲劇。「最後の橋」のヘルムート・コイトナーが自らの脚本を演出、撮影は「めざめ(1958)」のクルト・ハッセ、音楽は殆どのコイトナー作品や「女(1959)」を手がけたベルンハルト・アイヒホルン。出演者は「初恋物語」のエリック・シューマン、同じくゲオルク・トマラ、「ワン・ツー・スリー」のホルスト・ブッフホルツなど。製作は「初恋物語」のゲオルク・リヒター。ブッフホルツはドイツ連邦映画賞を受賞。

公開日・キャスト、その他基本情報

キャスト 監督ヘルムート・コイトナー
出演エリック・シューマン エヴァ・コットハウス ホルスト・ブッフホルツ ゲオルク・トマラ グスタフ・クヌート
配給 松竹映配
制作国 西ドイツ(1955)

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最終更新日:2022-07-26 11:03:57

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