影の軍隊 感想・レビュー 3件

かげのぐんたい

総合評価4.67点、「影の軍隊」を見た方の感想・レビュー情報です。投稿はこちらから受け付けております。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-05-12

ジャン=ピエール・メルヴィル監督の「影の軍隊」は、正確に言えば、フィルム・ノワールではないと思う。

レジスタンスに身を投じた人間たちの姿を、セミ・ドキュメントタッチで綴った、社会派サスペンスだと思う。

だが、この映画の全篇を覆う、ダークな色調。
指名を果たすためには、愛するもの全てを捨てなければにらない非情な世界で、自己を引き裂かれ葛藤する男たちや女たち。

彼らの胸中をふさぐ悲哀と情念のたぎりは、まさにフィルム・ノワールの世界そのものだ。
とにかく、ジャン=ピエール・メルヴィル監督の簡潔で、切れ味鋭い演出の技が冴え渡った映画だ。

P.N.「グスタフ」さんからの投稿

評価
★★★★
投稿日
2019-10-25

ドイツ軍占領下にあったフランスの、1942年から43年にかけてレジスタンス運動に生死を賭けた者たちの凄絶な悲劇。フィルムノワールの後継者メルヴィル監督の抑制された静寂な演出タッチが全編を覆い、当時の空気感とフランス人の息苦しさを表現する。兵士同士の戦闘だけが戦争の悲惨さではないことを改めて強く意識しないではいられない。抵抗運動の強い絆の根源は祖国愛であろうが、裏切り者に対する躊躇ない制裁には、追い詰められた人間の残虐性がある。それはまた、人間の尊厳を凌辱するゲシュタポの処刑のやり方に共通性があるかも知れない。潜水艦で密航、飛行機からパラシュート降下、同志の救出劇など緊迫感のある場面が続くも、極限状態に置かれた人間の生々しい実態がより強烈に訴える。地味ながら戦争の怖さをフィルムに遺したメルヴィル監督の傑作。そして、何とも遣る瀬ない映画。リノ・ヴァンチュラ、シモーヌ・シニョレその他フランス俳優のすべての演技がいい。

P.N.「pinewood」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2019-07-02

ピエール・ロムの突き放したカメラワークも魅力!ノワールな世界

最終更新日:2024-05-17 11:00:02

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