映画『永遠の1分。』映画をきっかけに3.11に思いを馳せる 監督・キャストが映画に込めた想いとは?

映画『永遠の1分。』映画をきっかけに3.11に思いを馳せる 監督・キャストが映画に込めた想いとは?
提供:シネマクエスト

『カメラを止めるな!』で撮影監督を担った曽根剛がメガフォンを取り、上田慎一郎が脚本を手掛け、“笑いの力”を武器に東日本大震災と真摯に向き合ったヒューマンドラマ『永遠の1分。』が絶賛全国公開中となっている。震災から11年となる現在も被災地や人々の心に大きな傷跡を残している東日本大震災。これまでも、数多くの震災復興を描いた映画が製作されてきた。心に傷を抱えた登場人物たちに寄り添ったものや、そこからどうにか前向きに生きようとする姿を描いたものなど、どの作品も震災の記憶を風化させてはいけないという、作り手たちの熱い気持ちが込められた作品になっている。

本作は、世界が困難に立たされている今、多くの人を前向きにしたいという制作陣の熱い想いのもと、“笑い”がもたらす癒しの力で困難や葛藤を乗り越えていく姿を描く。3.11を経て、何か出来ることがないかと考えてはいたが、自分たちは部外者だという意識を持っていた制作陣は、“困難な時こそ、前を向く力、ユーモアが必要だ”と、得意としている“笑い”を武器に、このシリアスにせざるを得ないようなテーマを、暗く説教くさくならないように、エンターテイメントという枠組みに落とし込んだ。「外国人が3.11を題材にしたコメディ映画を作る」という、一見不謹慎な内容ではあるが、復興というテーマを別切り口から描く。ユーモアたっぷりの小ネタもテンポ良くちりばめられ、伏線回収はもちろん、制作陣が実際に苦悩したことを追体験することができる極上のエンターテイメント作品となっている。

脚本を担当した上田慎一郎は「自分たちの体験を交えて作りあげたフィクションになっています。震災についてはいろんな思いを持つ方がいると思いますが、映画を観た後にこう思ったというように語り合ってもらえたらうれしいなと思います」とコメント。また、曽根剛監督は「3.11の日だけは忘れないでいてほしいなと。ただ悲しい気持ちになるんじゃなくて。前向きな気持ちでいてほしいというメッセージが伝われば」と作品に込めた想いを語っている。主演のマイケル・キダは「今はコロナとか、ウクライナとか、つらいこともあり、みんな大変な時期ですが、でもいろんな乗り越える方法がある。この映画がそのひとつのヒントになったら」と、現在の深刻な世界の状況を踏まえつつ本作をアピール。

本編では、シリアスとコメディを織り交ぜながらも、これまであまり描かれてこなかった様な、外国の方が日本に対してどのような印象をもっていたのかということや、東京などではすでに風化してしまった様子などが描かれ、身につまされるシーンも数多く登場する。必ずしも、あの出来事を思い出して暗い気持ちにならなければいけないわけでも、心を痛めなければいけないわけでもない。他の人がこうすべきだ、こうすべきではないと思うこともない。ただ、話題になることでみんなが震災について考えることは悪いことではない。まもなく、震災から11年となるが、この映画をきっかけに、年に一度だけでも、3.11に向き合い、被災地に思いを馳せてみてもいいのではないだろうか。『カメ止め!』チームが放つ、“笑い”の力で、困難や葛藤を乗り越えていくヒューマンドラマ『永遠の1分。』は、絶賛全国公開中。

最終更新日
2022-03-11 10:00:13
提供
シネマクエスト(引用元

広告を非表示にするには