元捜査一課刑事も太鼓判のリアリティと面白さ!チャドウィック・ボーズマン演じるアンドレは100点満点の刑事!『21ブリッジ』トークショー

元捜査一課刑事も太鼓判のリアリティと面白さ!チャドウィック・ボーズマン演じるアンドレは100点満点の刑事!『21ブリッジ』トークショー
提供:シネマクエスト

日時:3月20日(土)
場所:スペースFS汐留
登壇者:佐々木成三/元埼玉県警察本部刑事部捜査第一課

チャドウィック・ボーズマン最後の劇場公開主演&プロデュース作品『21ブリッジ』が、4月9日(金)より全国公開となる。8人の警官を殺した強盗犯を追跡するため、アンドレ刑事はNYマンハッタン島に架かる21の橋を全て封鎖する。だが、追跡を進めるうち、表向きの事件とはまったく別の陰謀があることを悟る。果たしてその真実とは――!?このシンプルにして大胆なアイデアを核に、たった一夜の出来事がスリリングかつダイナミックに展開するクライム・アクションが誕生!本日、3月20日(土)に、本作の公開を記念してトークショーが開催され、元埼玉県警察本部刑事部捜査第一課の佐々木成三が登壇した。

犯人をNYマンハッタン島に閉じ込めて捜査をするというスリリングな追跡劇である本作を、元刑事である捜査のプロ・佐々木氏が自身の経験も交えながら深く掘り下げたトークを展開。さらに、入念に役作りをして挑んだという主演・チャドウィック・ボーズマンの刑事役についても注目ポイントを語りました。主人公のアンドレ刑事は、正当防衛のために犯人を射殺した過去がある、というところから物語は始まる本作。正義感も強く、頭脳明晰で優秀な刑事にも見えるアンドレについて佐々木は「事件の現場をたくさん見ている刑事というのは、現場を見たときのポイントがそれぞれ違うんですが、アンドレはエビデンスがあった上での事件捜査をしている。ちゃんと自分の目で見て確認しているというところは、まず刑事として必ずしなければならないことなので、それを映画で見事に表現していました。」と状況判断の能力に⻑けたアンドレ刑事を称賛。

「アメリカが銃社会で日本が銃社会ではないというところで、それぞれ警察官の判断はアメリカと日本で全く違うんですけれども『これは銃抜くの早いでしょ』とか、いやいや…というところを感じて観ていましたが、それが全部最後に回収されてすごい映画だなと思いました。」と、散りばめられた伏線を刑事ならではの視点で着目。警察官8人を殺害した凶悪犯を確実に捕まえるために、NYマンハッタンにかかる21の橋すべての封鎖を決断したアンドレの戦略については「自分の同僚が8人も殺害されたことで、絶対にマンハッタンの中で捕まえてやるぞ!という刑事としての意識の強さの現れだったと思います。」と、大胆な判断を考究しながらも「ただ、あれを日本の警察ができたかというとちょっと難しいかなと(笑)。」 映画『踊る大捜査線 THEMOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ! 』を指して「レイボーブリッジだけでもあれだけ多くの警察官が必要になってくるので、全部の橋を封鎖したらどれだけの警察官やパトカーが必要なのかなと感じると、現実的ではないのかなとは思います。」と、アメリカを舞台に描かれる映画ならではとも言える設定について触れた。

劇中では、アンドレがステファン・ジェームズ演じる犯人マイケルの頭脳明晰ぶりに気づき、説得しようと試みる様子が描かれる。佐々木は「『こいつは話をすればわかるやつだ』という人を見る目をしっかり持っていて、今までに凶悪犯を射殺したという部分もちゃんと自分の中で判断をして実行していた。」と⻑年の刑事経験に基づいた鋭い視点でキャラクターを分析。こうした犯人と刑事のやりとりについては「凶悪犯と話をするときに大切なのは”共感する”ことなんです。日本でもネゴシエーターという交渉人がいるんですが、ああいった場面でどれくらい犯罪者に今の状況を客観視させることができるか、というのがとても大切なんです。アンドレの交渉は100点満点です。」と信憑性のある描かれ方にも興味を示した。

“刑事モノ”ドラマの監修も務める佐々木だが、「刑事ドラマや刑事映画って、実際刑事のときに観れなかったんです。犯人ってなんで丘の上で供述するんだろうなとか考えてしまって。リアルだけでやっていくと2時間映画じゃまとまらないなと…。」と現役時代を振り返りつつ、「現役の刑事が見てもすごく面白いと思うんです。犯人の顔の表情だったり、拳銃を抜く場面、とくにリアリティがあったと思います。」と犯罪のプロという視点から観てもこの作品を十分に楽しめたと明かす。

また、警察官になって初めて観た作品に先に話題に上がった「踊る大捜査線」を上げ「コミカルに描いてますけど、ポイントポイントしっかりリアリティを持っていますね。」と分析。さらに、東野圭吾原作でドラマ・映画化もされた「新参者」も上げ「捜査の中で空振りだったことが後になって実はそれが必要な捜査だったとわかる。それを「新参者」という刑事ドラマはすごく上手く表現していましたね。」と語った。

「実はあるあるで、刑事も、刑事ドラマや刑事映画を見て拳銃の構え方を覚えるんです。」と意外な実態を暴露。また、手帳の見せ方やファッションもドラマや映画から影響を受けていると明かし「『踊る大捜査線』で⻘島刑事のジャンパーを買った刑事も増えましたし、僕も『アンフェア』を観てトレンチコートを買いました。」とまさかの内部事情を披露し笑いを誘った。元刑事の実体験も交えた興味深い話題が飛び交うトークに、来場した観客も満足のイベントとなった。

最終更新日
2021-03-22 11:00:22
提供
シネマクエスト(引用元

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