映画感想・レビュー 203/2562ページ

荒野に希望の灯をともす:P.N.「大岸弦」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2023-11-12

大阪十三にある映画館「第七芸術劇場」で鑑賞した。2023年11月3日
アフガニスタンの無医村へと向かい診療所の建設に乗り出した医師・中村哲のドキュメンタリー
なぜ医者が井戸を掘り、用水路を建設したのか?
専門家がいないまま始まった前代未聞の大工事は苦難の連続。
技術トラブル、アフガン空爆、息子の死 中村はそれらの困難を一つ一つ乗り越え、7年の歳月をかけ用水路を造りあげた。
用水路が運ぶ水で、乾ききった砂漠は広大な緑の大地へと変貌し、いま65万人の命が支えられている。
2019年12月何者かの凶弾で命を奪われた。

日本ではその生き方は、小中学校や高校の教科書で取り上げられています。
アフガニスタンの用水路は、中村哲から学んだアフガニスタン人技術者が守っている。

ザ・エージェント:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★
投稿日
2023-11-12

拝金主義に嫌気が差し、辞職して自身の会社を立ち上げようとする、スポーツエージェント。

様々な困難と失敗を通して、彼は人生において、本当に大切なことを学んでいく。

青春映画に抜群の冴えを見せるキャメロン・クロウ監督の新機軸だが、人間の成長のドラマである点は変わらない。

ヒロイン役のレニー・ゼルウィガーは、この作品の好演で、一躍注目を集めましたね。

恐怖の岬:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2023-11-12

刑務所から出た凶悪犯のロバート・ミッチャムが、彼の人生の一部を奪った、弁護士のグレゴリー・ペックに復讐するために、この弁護士一家を恐怖に陥れる。

犯人役のロバート・ミッチャムの想像を絶する、狂気を孕んだ威圧感と、弁護士役のグレゴリー・ペックの、彼には珍しい冷淡な芝居が、加害者と被害者の構図を揺るがせる。

ヒッチコックの映画でお馴染みの、バーナード・ハーマンの音楽も秀逸な、ヒッチコック映画へのオマージュになっており、1991年には、マーティン・スコセッシ監督が、ロバート・デ・ニーロとニック・ノルティの出演でリメイクしていますね。

バンテージ・ポイント:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★☆☆
投稿日
2023-11-12

このリアルタイムサスペンス映画「バンテージ・ポイント」は、事件が起こった時刻と、その23分前から、現在までを行ったりきたりして、この事件の主要キャラのそれぞれ、その時、どこで何をしていたかを追いかけるという見せ方で、グイグイと90分間、アッという間に過ぎてしまった。

映画としては短く、たったの90分間なのに、"しっかり観た!"という実感が、エンドロールを観終えたら、ジワジワと起ってきた。
そんな、濃厚な作品でした。

ダーティハリー:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2023-11-11

「ダーティハリー」は、刑事アクション映画の最高峰に位置する傑作で、クリント・イーストウッド最大のヒット作となり、その後シリーズ化されている。

事件の解決のためには、手段を選ばず、問題ばかり起こしている、サンフランシスコ市警殺人課のハリー刑事と、冷酷非情な連続射殺魔との対決を描いた、アクション映画の傑作だ。

人質を盾にする犯人を、躊躇せず撃ってしまうハリーのカッコ良さは、組織を超えた個人の資格で悪と対決するという、西部劇以来のヒーローの伝統だが、1970年代に顕在化してきた、病めるアメリカ社会の暴力的な側面をも表現していたと思う。

そこで重要になるのが、ハリー愛用のマグナム44。
破壊力や反動の大きさで、我々観る者の度肝を抜き、この映画のもうひとつの主役になっている。

十戒(1957):P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2023-11-11

この映画「十戒」は、巨匠セシル・B・デミル監督の映画史上に輝く史劇大作だ。

巨匠セシル・B・デミル監督が、1923年に映画化した「十誡」を、1,350万ドルを費やし、再び自身の手で映画化した作品。

モーゼはイスラエルの子でありながら、エジプト国王の王子として育てられる。
やがて、反逆者として砂漠に追放されたモーゼは、神の声を聞き、イスラエルの民衆を連れて、エジプトを脱出する。

現在のSFXとでは比較にならないが、紅海が二つに割れる特殊撮影、新宮殿完成の合成シーンなどは、実に見応えがある。

単なる歴史劇・宗教劇としてだけではなく、豪華なスターの顔合わせの人間ドラマとしても堪能できる。

わが青春つきるとも 伊藤千代子の生涯:P.N.「大岸弦」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2023-11-11

※このクチコミはネタバレを含みます。 [クリックで本文表示]

はじめに言っておく、共産党員ではない。同党の支持者ではない。支持政党なしの立場
だがこの映画は、民主主義の根幹にかかわると感じています。

かんたんに解説

伊藤千代子の生涯です。24才没。
1920年代(昭和初期)日本は「絶対主義的天皇制」であった。国民は「天皇の家来」という時代である。
1925年「治安維持法」が制定されたことで、天皇独裁支配となった。ファシズム体制となったのだ。
背く者は弾圧され、拘留 拘禁 武力で取り締まり、拷問したりと多大な犠牲者が生まれたが、実は合法。

伊藤千代子は「朝から晩まで働いても、満足にご飯が食べられない貧しい人たち、一方では贅沢をしている人たち。この不公平な社会をなんとかよい社会にしたい」と主張していた。

小林多喜二 この映画には登場しないが、同様である。小説家で「蟹工船」で知られています。
同名のドキュメンタリー映画が数年前に上映されている。

映画に愛をこめて アメリカの夜:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2023-11-11

「映画に愛をこめて アメリカの夜」は、フランソワ・トリュフォー監督自身が演じる、映画製作についての映画だ。

ニースの撮影所で製作されている映画が完成されるまでを描いた映画で、女優が妊娠したり、スタッフが駆け落ちをしたり、男優が事故死したり、撮影は様々な難問をクリアしながら進行していく。

これは、監督役を演じているトリュフォー自身の体験でもあり、俳優、スタッフたちの人間模様や様々なエピソードは、全て実話に基づいているという。

因みに、タイトルの「アメリカの夜」というのは、フィルターを使って、昼間を夜間に見せる撮影技法のフランスでの呼称だ。

とにかく、この映画はトリュフォーの映画への愛に満ちている。

ベン・ハー(1959):P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2023-11-11

それまで、個性派スターとして評されていたチャールトン・ヘストンが、この「ベン・ハー」では、彼自身、演技者として開眼したと言う通り、内面からの怒りや悲しみを見事に演じきっている。

クライマックスの戦車の競争場面の迫力は、もちろんだが、この映画がいつまでも愛されるのは、チャールトン・ヘストン扮するユダヤ青年が、運命に流されながらも戦い、真実の愛を知っていくという、荘厳なロマンの物語があるからなのだ。

ゴジラ-1.0:P.N.「怪獣キチガイ」さんからの投稿

評価
★★★★
投稿日
2023-11-11

非常にがっかりし、非常に残念だった。
まず、ゴジラは無表情であるべきだ。
84ゴジラから、犬が唸るかの様な顔は怖いと思えず、シン・ゴジは、無表情で良かった。
本作も、54ゴジラと同じく、無表情で描くべきであった。
ジュラシックパークの恐竜の様に、目や口や身振りで表現した方が更に怖く感じる。
54ゴジラに比べ、ドラマシーンのカメラワークが場当たり的で、構図を全く考えていない。アップ、上下左右からベストな構図が欲しかった。テレビのセット撮影では無いのだから。これでは映画の撮り方では無い。まるで下手な家庭用ビデオ撮影並みであった。
米軍と戦わせ、大半が被害受け、これ以上はソ連を考え、これ以上は戦えないとすべきで、結果として自力で戦うしか無い方が良かった。
戦闘機の攻撃シーンももっと本格的に描けたら良かった。
CGゴジラは、目が死んでいたので、アニマトロニクス模型でもっと生物感を出して欲しかった。
予算と時間がない中、以前の作品を踏襲せず、初代を超えるホラー映画に描いて欲しく残念であった。

セブン・イヤーズ・イン・チベット:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★☆☆☆
投稿日
2023-11-11

この映画「セブン・イヤーズ・イン・チベット」で、ブラッド・ピット扮するハインリヒ・ハラーは、実在のオーストリア人の登山家。若き日のダライ・ラマの家庭教師を務めた人物だ。
このハラーは、ヒマラヤ山脈の未踏峰ナンガパルバットを目指すが、登頂に失敗します。
そして、この遠征を通じて、自分の栄光にしか興味のない、利己的なハラーの性格が明らかになっていきます。
問題は、ハラーが14歳のダライ・ラマと出会うまでの前半の80分、その悪党ぶりを延々と描いていることだ。
映像は抜群に素晴らしいが、物語の内容はつまらない。
この前半部分は、丸ごと余分だった気がする。
そして、この映画に生気が出てくるのは、ダライ・ラマが登場してからだ。
しかし、ハラーのまだ見ぬ息子とダライ・ラマをだぶらせる設定はあまりにも安易だし、ブラッド・ピットの演技も説得力がない。

幕末青春グラフィティ Ronin 坂本竜馬:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
☆☆☆☆
投稿日
2023-11-11

この映画「幕末青春グラフィティ Ronin 坂本龍馬」は、武田鉄矢が生涯の師と仰ぐ坂本龍馬の激動の青春時代を、自ら脚本・主演した作品だ。
土佐藩を脱藩後、長州の高杉晋作率いる奇兵隊と力を合わせ、4千の兵で幕府15万の兵と戦うまでを描いている。
とにかく、この映画での武田鉄矢演じる坂本龍馬の凄まじさといったら、涙と鼻水、ツバと泡、狂ったようにただ騒ぎまくるだけなのには、驚きを通り越して、呆れて物が言えないほどだ。
とても正視に耐えられず、思わず下を向いてしまったのだが、武田鉄矢はそんな観る者の思惑などどこ吹く風、その貧相な顔でさらに延々とどなりまくるのだ。
とにかくこの映画、武田鉄矢自ら片山蒼の名で脚本を書いていることでも分かるように、そのひとり勝手な激しい思い込みと演技とは言えない演技で、醜態をさらすのだ。
加えて吉田拓郎のスタアかくし芸大会的な演技や、その他、登場人物はやたらにどなり泣きまくり、船や戦闘シーンなど、かなりお金もかかっただろうに、全てカラ回りの騒々しさで、本当に最悪もいいところの映画でした。

さいはての用心棒:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★☆☆☆
投稿日
2023-11-11

この「さいはての用心棒」は、マカロニ・ウエスタンの貴公子・ジュリアーノ・ジェンマ主演のマカロニ・ウエスタンの中で、一番つまらない作品だ。
製作も1966年だから、「星空の用心棒」や「怒りの荒野」などより古い。

南北戦争の直後、ゲリラ活動をしていた、南軍の将校ジェンマが、北軍の捕虜になり、無駄な殺傷はやめたいという、北軍の司令官に同意、仲間のゲリラ隊が、ユマ砦を攻撃するのをやめさせようとする。

攻防戦をやらせて、その隙に砦の黄金を奪おうと計画していた、腹黒い連中には、ジェンマが邪魔になる。
こうして、ジェンマは、一味に捕まり、地面に身動きできぬように縛られ、太陽で目を焼かれる事になる。

一人やられ、二人やられしても、見えるのに気がつかないとは、もうあきれ返ってしまう。

監督は、カルヴィン・J・パジェットという人だが、無気力な展開で、一向に興趣が盛り上がらず、ジェンマお得意の体操アクションは、酒場の階段から、トンボ返りで着地する場面だけだった。

ゴジラ-1.0:P.N.「ヌマ」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2023-11-11

とても素晴らしい作品になっていると思います。迫りくるゴジラに対する恐怖感、濃密な人間ドラマ、精密なストーリーなど、どれも、モンスター・ヴァースの作品を凌ぐ程の凄い作品だと思います。東宝の大田圭二さんが発言した(最低でも2年に1本、できれば年1本のペースで途切れないようにゴジラ映画を公開していこうと、今、戦略を考えているところ)この言葉通り、再来年の2025年には、新たな日本のゴジラ映画を、それも怪獣バトルものの作品を製作して公開してほしいとそう思います。

映画の朝ごはん:P.N.「けんかなちゃん」さんからの投稿

評価
★★★★
投稿日
2023-11-11

舞台挨拶後見ました!
業界では有名なPOPEYEと知りました。
映画を裏から支えている筈。そこにcameraが入った事に注目です。
諸々の苦難を乗り越え今も映画を支えているかと思いきや‥イヤ!これからも主役!映画の歴史とともに永遠に続いてほしいPOPEYEです。

情事(1960):P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2023-11-11

このミケランジェロ・アントニオーニ監督の「情事」は、アントニオーニ監督の名を世界的に高めた傑作だ。

アンナと恋人のサンドロとの仲は、すでに冷めていた。
ある時、二人はアンナの親友クラウディアを誘って、ヨット旅行に出かける。

一行は、小さな無人島に上陸するが、そこでアンナが、忽然と姿を消す。

二人は島中をくまなく捜すが、アンナを発見することが出来ない。
不安の中で、残された二人は、互いに高ぶるものを感じるのだった。

アンナを捜すのを諦めて、ホテルに着いた二人は結ばれるが、それは愛なのだろうか?

現代人の"愛の不毛"をテーマに映画を撮り続ける、アントニオーニ監督の代表作だと思う。

地下水道:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2023-11-11

このアンジェイ・ワイダ監督の「地下水道」は、第二次世界大戦下のポーランドのワルシャワの地下の暗闇での、レジスタンスの絶望的な戦いを描いた問題作だ。

1944年9月、ワルシャワのポーランド軍は、対岸にいるソ連軍の援助もないまま、ドイツ軍との絶望的な戦いを続けていた。

この映画の3分の2は、レジスタンスが逃げ込んだ、地下水道の中の描写で占められており、暗闇でうごめく彼らの極限状態を映し続けていく。

明るい外界を目前にして、鉄格子に遮られて、立ち尽くす者など、単なる歴史的事実を越えた、映像のパワーに満ちている。

ディア・ハンター:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2023-11-11

「ディア・ハンター」は、ヴェトナム戦争の後遺症とエスニシティでアメリカを描いた映画だ。

アパラチア山脈にある製鉄所に勤める5人の青年が、ヴェトナム戦争によって傷つくさまを通して、現代アメリカの病理を抉り出した問題作だ。

この映画は3つの部分から成り立っていて、ロシア系移民の共同体が息づいている故郷の結婚式。

ロシアン・ルーレットの恐怖に支配されたヴェトナムの戦場。

帰還兵たちの苦悩と親友の葬儀。

マイケル・チミノ監督は、儀式の場面を延々と描くことで、ヴェトナム戦争で失われた、無邪気だったアメリカを鎮魂しているかのようだ。

レイジング・ブル:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2023-11-10

世界ミドル級チャンピオン、ジェイク・ラモッタの自伝を基に映画化したのが「レイジング・ブル」だ。

打たれたら打ち返す、激しいボクシング・スタイルで、チャンピオンとなりながら、私生活は、酒に溺れ、妻への嫉妬やマフィアとの腐れ縁など、凄まじいばかりだ。

落ち目となった彼は、場末の酒場でジョークを飛ばすコメディアンになっていた。

マーティン・スコセッシ監督は、モノクロの映像で、1940年~1950年代のムードをリアルに再現していると思う。

主演のロバート・デ・ニーロは、この役のために25キロも体重を増やしたというが、精悍なボクサーとぶざまな太った体が、同一人物とは驚くばかりだ。

最終更新日:2025-04-27 16:00:01

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