- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2023-12-13
小平裕監督の「必殺女拳士」は、空手の修行を積んだ若い娘が、父の恨みを武道で晴らすというアクション映画だ。
檜垣由美(志穂美悦子)の父(千葉真一)は十年前、ニューヨーク市警の空手師範の地位をめぐって、卑劣な二階堂(天津敏)に襲われ、やがて死んだ。
父から沖縄空手を学んだ由美は、一路、東京へ。
二階堂は、勢力拡大のため、世界空手道選手権大会を計画。
由美も参加するが、二階堂は他流派の参加者をあらかじめ葬り、魔手は由美にも伸びる。
だが、由美は、同じく二階堂を父の仇と狙う沖山(倉田保昭)に助けられ、傷ついた片手をものともせず、二階堂を一騎討ちで倒す。
主人公が女性であり、ラストの対決では片腕であるという、二重のハンデを設け、危機感を盛り上げる活劇になっている。
この映画の一番の見どころは、アクション俳優としての志穂美悦子であり、彼女の素早い動きが実に魅力的で、草原での一騎討ちシーンは見ものだ。
その機能的な肉体の動きが、仇討ちと武道という古いパターンの物語の中で、映画独自の活力となり、娯楽アクション映画の魅惑を放っていたと思う。
- 評価
- ★★★☆☆
- 投稿日
- 2023-12-13
この映画は怪獣映画として影が薄い。なぜかと言えば、特撮の見所が少ないからだ。
まずタイトルにあるドゴラだが、アメーバ状の宇宙生物で、空にフワフワと浮いてるだけで形がはっきりしないため、キャラクターとしてまず弱い。
そして、ゴジラではお決まりだった、東京などの都市の破壊がなく、九州の大きな橋が空に吸い上げられるくらい。
そして、ドゴラも蜂の毒に弱いという設定で、人工の蜂の毒を空中から散布し退治するという退治方法で、映像的に派手さがない。
ストーリーも対ドゴラと並行して、国際的なダイヤ窃盗団が登場し、東宝お決まりの怪しげな外人も登場する(笑)。
まるで怪獣映画と「国際秘密警察シリーズ」をあわせたようなノリなのだ。
この作品以後、対怪獣のメインストーリーと他のサイドストーリーという、ストーリーの二本立てという路線が始まったのだ。
作り手としてはワンパターン化を避けたかったのだろう。
- 評価
- ★★★☆☆
- 投稿日
- 2023-12-13
金と功名心のために、戦火のカンボジアで戦場写真を撮る主人公は、大いに軽い人間なのだが、でも命がけで粘るのだ。
誰よりも先に、当時のクメール・ルージュの手中にあった、アンコールワットの遺跡を撮りたいと思うのだ。
1970年代前半に、現地で亡くなった戦場カメラマン、一ノ瀬泰造の半生を描いた作品で、決してうまい映画ではないが、熱いものがある。
ただ、毎度のことながら、いつものワンパターンの演技に終始する、主人公役の浅野忠信は、他の俳優でできなかったのだろうか。
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2023-12-13
この「パリより愛をこめて」は、私の大好きな映画「96時間」でブレイクした、ピエール・モレル監督の作品だ。
パリを舞台にテロ組織と闘うハメになった、新米諜報員のジョナサン・リース・マイヤーズと、その相棒としてアメリカから送り込まれた、ベテラン工作員のジョン・トラヴォルタ。
この性格も能力も真逆な二人が、カーチェイス、銃撃戦、爆破しまくりの乱暴さで悪の組織を追い詰めるが----というバディ・アクションの痛快作だ。
ピエール・モレル監督らしい、早いカット割りとスピーディな展開で、悪役なら女でも容赦なくサクサクと殺していく爽快さが、映画的緊張感に満ちて、ワクワクさせられる。
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2023-12-13
この映画「飼育」は、大島渚監督の最初の独立プロ作品だ。
乗機を撃墜されて、山間の村に降りた黒人兵をめぐるこの映画は、日本の部落の天皇制に通じる支配構造と、人々の戦争責任と、その無責任さ執拗に追及している。
特に、日本映画では見たことがないほど、複雑怪奇な性格のボス(三國連太郎)を造型した点で、出色の作品になっている。
囲碁、大島渚監督の関心は、しばしば日本における権力の構造と、支配=被支配の関係の探求に向かうのだが、この作品はその原型で、ラストの少年の死線も、大島渚監督の原点のありかを示していると思う。
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2023-12-13
※このクチコミはネタバレを含みます。 [クリックで本文表示]
様々な制約の中、よく出来た作品です。
結末も、このようにするが、善作だったのでしょう?
活躍中の若手俳優の今後を考えれば、
様々な、利権を考慮し、三方よしの精神で、
この作品に納得できない方にも、
多少の曖昧さは、続篇も匂わせつつ、期待もありながらの、未定だけど、
海外でも、好評、期待がふくらむ『君たちはどう生きるか』より最新ながら、共に上映され、結果を出しています。
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2023-12-13
3回観ました、素晴らしいエンターテインメント、最高です!
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2023-12-13
「人間狩り」は、松尾昭典監督、星川清司原作・脚本による社会派ドラマの佳作だ。
敏腕刑事の長門裕之が、時効寸前に、今は妻子と平和な暮らしをしている大坂志郎の殺人犯を探し出し、同僚が止めるのも聞かず、逮捕しようとするが、その時、駅の時計が時効切れを告げるのだった。
長門裕之の恋人に渡辺美佐子、殺人犯の娘に中原早苗が出演して脇を固め、刑事の執念の非人間性を、単にヒューマニスティックな批判としてではなく、行為に賭ける男の魅力も容認しつつ、立体的に描いた作品だと思う。
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2023-12-13
プロットも脚本も、キャスティングも完璧なので、見応えある作品に仕上がっています。
ドライブのように、行き先がはっきりして、出演者が、違和感なく、ストーリーに溶け込んでいるので、是非、日本の映画関係者も研究して欲しい。
リーアム・ニーソンがあっての作品とも言えます、ただ、レンタル、配信でも観てもいいのですが、なぜ映画なのでしょう?
やはり、映画は、多くの人々が関わるし、配信では失なわれる様々な技術の継承が行われるからでしょう?配信は配信なコンパクトな映画に結局なってしまう。
人生は、嘘をあぶり出すドライブ。
様々な、政界、芸能界の嘘があぶり出されるように、人間の人生の嘘はやがてあぶり出される。
嘘をついて、他人を陥れても、人生が、あぶり出す。
そのような、ハラハラドキドキを映画にしたような作品。
たかを括っていると、神の雷(イカヅチ)は、幸せの最高潮の時、それは、まるで、厄年、人によっては、二度と来ない厄年。
私は、常に、人事を尽くして天命を待つ生き方で、早起きは三文の徳の言葉を生きるのみ。
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2023-12-12
この映画「蜘蛛女のキス」は、1985年度のアカデミー賞とカンヌ国際映画祭で、ウィリアム・ハートが主演男優賞を受賞した作品で、監房の中で芽生えた、男同士の恋愛物語だ。
この映画の舞台は、ファシズムが支配している南米の監房。
政治犯のヴァレンティンは、現実主義者。
同室のホモセクシャルのモリーナの優しさに触れるうちに、ヴァレンティンの心に、今までにないような感情が芽生えていく。
水と油のようだった二人が、次第に打ち解け合っていく様子、そして意外なラストのどんでん返しが胸を打つ秀作だ。
ホモセクシャル役のウィリアム・ハートが、どう見ても男にしか見えない風貌なのに、物腰や口調を柔らかくし、見事に女性になりきろうとしている男性を演じて、見事の一語に尽きる。
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2023-12-12
ハワイの山火事のニュース或いは火の山を唄ったフニクリ・フニクラなどを聴くと地獄の如き本篇のシーンが想い浮かんで来た
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2023-12-12
コメディにもチャレンジして居る松坂桃李。スタジオ・ジプリのアニメーション実写版の本篇,姉が褒めていた演技力!僕は映画・新聞記者とか娼年のシーンが甦って
- 評価
- ★★★☆☆
- 投稿日
- 2023-12-12
大阪であった悲惨な事件がモデル。子役さんが凄すぎて観ていて辛さが増します。ただ固定カメラの撮り方は私には合いませんでした。最後母親は後悔している描写ですが、実際は帰宅して遺体を見ても、そのまま男と遊びに行ってホテルで逮捕されたらしい。現在懲役30年で服役中。子供たちが不憫でなりません。
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2023-12-12
旅の途中で偶然出会った子供の父親を、市が探してやっていると、ご禁制の浮世絵皿を描かされている、絵皿職人が浮かび上がる。
それまでに何度か顔を合わせていた、謎の浪人風の侍が、実は公儀隠密だった。
事件の関係者は全て斬ると、子供の父親に斬りかかり、遂に市との一騎打ちに---------。
戦前の剣戟スターから東映の「柳生武芸帖」シリーズを経て、TVシリーズの「素浪人 月影兵庫」でお茶の間の人気俳優になっていた近衛十四郎(松方弘樹のお父さん)が、公儀隠密の侍役で出演していて、日本の映画界で若山富三郎と並ぶ、殺陣の名人が、この映画でも迫力のある殺陣を披露していて、通常よりも長く見える刀を豪快に振り回し、市の仕込み杖と激突する。
ほとんどアドリブだったという、勝新太郎と近衛十四郎の二人の殺陣は、凄まじい迫力で、本物の時代劇の殺陣の素晴らしさを堪能できましたね。
加えて、最後の決闘の場面を盛り上げる雪、雪、雪の素晴らしさ。
最近のちゃちなCGでは表現できない、見事な質感は、まさに大映映画の美術の真骨頂だ。
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2023-12-12
この映画「シンシナティ・キッド」は、興奮と緊張に貫かれた、冷たく孤独なギャンブルの世界を、「夜の大捜査線」「華麗なる賭け」のノーマン・ジュイソン監督が、鋭いタッチで描いた作品だ。
いささか自信過剰の気味の若いポーカーの勝負師と、ベテラン勝負師が、精魂傾けての一世一代の大勝負をクライマックスにした、一瞬にして金も女もふっ飛ぶ、非情な世界が魅力的に描かれている。
ノーマン・ジュイソン監督が、スティーヴ・マックィーン、エドワード・G・ロビンソンのリアルな演技に焦点を合わせて、迫力のある作品にまとめていると思う。
フル・ハウスのスティーヴ・マックィーン扮するシンシナティ・キッドが、勝利を確信した時、エドワド・G・ロビンソン扮する老勝負師ランシーのストレート・フラッシュが、それを打ち砕くラストが印象的だ。
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2023-12-12
杉咲花、地獄めぐり映画です!市子に関わると人生狂います~下手すると死にます!最初、市子に同情してますが~危ない~危ない~市子の悲しさ~辛さ~哀れさに深く関われば関わるほど飲み込まれてしまいますよ!こんな恐ろしさまで表現した杉咲花、恐るべし!
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2023-12-12
今まで聴いたショパンのノクターン、遺作で、いちばん、柔らかく包み込む調べ。
人間は、振動体、
その生きざまは、人生に表現される。
主人公が、そのように生きたとしたら、俄然、神に生かされる存在として、うなずける。
沈黙と感謝の精神は、生きる上で、最強の武器だ。
多くの人々は、沈黙を貫けない、一見、物静かな人間も、悶々と独り言を呟き、はたまた、頭でお喋り。
とっても、辛い、ストーリーですが、頭と終盤に、ノクターンが、印象的に使われています。
その変化を楽しめると思います。
最新技術で、鮮やかによみがえる作品です。
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2023-12-12
黒澤明監督の「羅生門」は、1951年度ヴェネチア映画祭金獅子賞、アカデミー賞特別賞を受賞した作品で、世界中に黒澤明監督の名を知らしめた映画詩に残る傑作だ。
この作品の素晴らしさは、人間の本質がどこにあるのかという、人間存在そのものに対する根本的な疑問を、観る者に強く訴える力を持っている点だと思う。
また、単に疑問をなげかけるだけではなくて、例えば、捨てられた赤ん坊を育てていくというヒューマニズムも織り混ぜられ、それがこの作品の救いになっていると思う。
奔放なカメラワークで、映像の魔術師と絶賛された、宮川一夫のモノクロの撮影も素晴らしく、とりわけ世界的に有名な森の中を走る場面は出色の出来だと思う。
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2023-12-12
この映画「誰が為に鐘は鳴る」は、ヘミングウェイ原作の映画化作品で、ゲーリー・クーパー、イングリッド・バーグマン競演のスペイン内乱の戦時下の大メロドラマの傑作だ。
スペイン内乱時に、フランコ反乱軍に対して、人民戦線軍に身を投じた、アメリカ人のロバート(ゲーリー・クーパー)は、ゲリラ活動を行なうジプシーの一団と行動を共にする。
そこにいた娘マリア(イングリッド・バーグマン)は、ロバートに恋するが、彼には苛酷な戦いが待っていた。
極限状態の中の男女の愛を、壮絶な戦闘と絡めて描いていて、かなり大甘のメロドラマになっているが、ゲーリー・クーパー、イングリッド・バーグマンの絶頂期の作品だけあって、これぞハリウッド映画と呼びたい。
髪を短くして撮影に入ったバーグマンは、まさに体当たりの熱演で、クーパーとのラブ・シーンでの「キスの仕方を知らないの。鼻と鼻が邪魔するわ」というあの甘いセリフは、強烈なエロチシズムを感じさせ、「カサブランカ」と並んで、最高に綺麗なバーグマンを見ることができる。
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2023-12-11
杉咲花ちゃんの代表作になること間違いなしの映画です。大きなスクリーンで是非見て欲しいです!