シンシナティキッド 作品情報

しんしなてぃきっど

シンシナティ・キッド(スティーヴ・マックィーン)は渡り者の賭博師。ニューオーリンズの町の小さな賭け金稼ぎに嫌気がさしたころ、ポーカーの名人ランシー(エドワード・G・ロビンソン)がやって来た。キッドはいつか、ランシーと手合わせを、と考えていたので、この社会の長老格シューター(カール・マルデン)にその機会を頼んだ。シューターはかつて血気の勝負師、キッドの自信過剰をたしなめたが結局、2人は対戦した。さて、キッドにはクリスチャン(チューズデイ・ウェルド)という情婦があった。彼女はキッドを深く愛している。が、彼女はもっと安定した生活、家庭、そして子供たちを欲していた。キッドの方は、彼女を愛してはいたが、シューターの妻メルバ(アン・マーグレット)に求められ、その魅力にとりつかれるような、曖昧さも持っていた。大手合わせは全国から人を集めて大きな興奮のうちにスタート。1人ずつ脱落して最後に残ったランシーとキッドの決戦--。キッドは敗れた。完全に孤独だった。だがクリスチャンだけが、彼を暖かく迎えた。彼女は彼が勝ったのか負けたのかも知らなかった。賭博師の女の、暗黙のルールで、カードのことに関しては一切係らないのだ。彼が文なしだとわかると、彼女は持ち金のすべてを彼に渡した。12ドル。キッドに生気がよみがえる。いつもの元気な様子で、じっと見守った。クリスチャンに背を向けながらいう「アパートに帰ってろよ。そこで会おう。」

「シンシナティキッド」の解説

リチャード・ジェサップの同名小説を、リング・ラードナー・ジュニアと、「博士の異常な愛情」のテリー・サザーンが共同で脚色、「スリルのすべて」のノーマン・ジュイソンが監督したギャンブラーのドラマ。撮影は「36時間」のフィリップ・ラスロップ、音楽は「泥棒を消せ」のラロ・シフリンが担当した。出演は「大脱走」のスティーヴ・マックィーン、「シャイアン」のカール・マルデン、「テスト・ハネムーン」のチューズデイ・ウェルド、ほかにリップ・トーン、ジョーン・ブロンデル、ジェフ・コーリーなど。「いそしぎ」のマーティン・ランソホフが製作した。

公開日・キャスト、その他基本情報

配給 MGM
制作国 アメリカ(1965)

ユーザーレビュー

総合評価:4点★★★★、1件の投稿があります。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★
投稿日
2023-12-12

この映画「シンシナティ・キッド」は、興奮と緊張に貫かれた、冷たく孤独なギャンブルの世界を、「夜の大捜査線」「華麗なる賭け」のノーマン・ジュイソン監督が、鋭いタッチで描いた作品だ。

いささか自信過剰の気味の若いポーカーの勝負師と、ベテラン勝負師が、精魂傾けての一世一代の大勝負をクライマックスにした、一瞬にして金も女もふっ飛ぶ、非情な世界が魅力的に描かれている。

ノーマン・ジュイソン監督が、スティーヴ・マックィーン、エドワード・G・ロビンソンのリアルな演技に焦点を合わせて、迫力のある作品にまとめていると思う。

フル・ハウスのスティーヴ・マックィーン扮するシンシナティ・キッドが、勝利を確信した時、エドワド・G・ロビンソン扮する老勝負師ランシーのストレート・フラッシュが、それを打ち砕くラストが印象的だ。

最終更新日:2023-12-22 16:00:01

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