コーラス 作品情報

こーらす

1949年、フランスの片田舎。失業中の音楽教師クレマン・マチュー(ジェラール・ジュニョ)は、「池の底」という名の寄宿舎に赴任する。この学校には、親をなくした子供や、素行に問題があり親元を離れた子供たちが集団生活していた。暗い瞳の子供たち。赴任当日、校門の前でマチューが目にしたのは、「土曜日に迎えに行く」という言葉を残して去っていった両親を待つ幼い少年ペピノ(マクサンス・ペラン)だった。今日が何曜日か分からないほど幼いペピノは、決して迎えに来ない両親をひたすらに待ち続け、毎日のように校門の外をじっと眺めているのだった。複雑な思いを抱いたまま学校内に足を踏み入れたマチューは早速、過激ないたずらで用務員に大ケガを負わせた子供たちと遭遇する。さらに、驚いたことにそこには「淋しさ」ゆえに心のすさんだ子供たちに、容赦ない体罰を繰り返す校長先生(フランソワ・ベルレアン)がいた。学校全体が、温かさのかけらもない殺伐とした雰囲気で溢れかえっていた。もちろん、マチューも早々に子供たちのいたずらに手を焼くことになり、まともに授業もできない。挙句の果てには、鍵をかけて大切にしまっておいた楽譜まで盗まれ、荒らされてしまう。しかしそんな子供たちの心を理解したマチューは、決して彼らを叱らず、体罰も加えないと決意する。子供たちに本来の純粋さや素直さを取り戻してもらおうと、マチューは彼らに「あること」を教えることを思いつく。暗い瞳を輝かせるための「あること」。それは「合唱団」を結成し、歌う喜びを教えることだった。最初は面白半分だった子供たちも、徐々に歌うことの素晴らしさ、楽しさに目覚めていく。そんなある日、マチューは誰もいないはずの教室から“奇跡の歌声”を耳にする。驚いて教室の扉をあけたマチューの前にいたのは、学校一の問題児、ピエール・モランジュ(ジャン=バティスト・モニエ)だった。これまで誰にも心を開こうとしてこなかったピエールに、マチューは救いの手を差し伸べようとするが……。

「コーラス」の解説

「リュミエールの子供たち」のクリストフ・バラティエ監督が、1944年のフランス映画「春の凱歌」にインスピレーションを得て撮り上げた感動の音楽ドラマ。戦後間もないフランスを舞台に、問題児たちが集まる寄宿舎に赴任してきた音楽教師と子どもたちとの合唱を通じた交流を描く。主演は「バティニョールおじさん」のジェラール・ジュニョ。国内では「アメリ」の記録を抜き、フランス映画史上空前のヒットを記録した。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 2005年4月9日
キャスト 監督クリストフ・バラティエ
出演ジェラール・ジュニョー フランソワ・ベルレアン ジャン=バティスト・モニエ ジャック・ペラン カド・メラッド マリー・ブネル ジャン=ポール・ボネール グレゴリー・ガティニョル キャロル・ヴェイス マクサンス・ペラン
配給 日本ヘラルド映画
制作国 フランス スイス(2004)
上映時間 95分
公式サイト http://www.kadokawa-pictures.jp/official/chorus/

ユーザーレビュー

総合評価:4.5点★★★★☆、2件の投稿があります。

P.N.「グスタフ」さんからの投稿

評価
★★★★
投稿日
2019-09-16

音楽家を断念した教師の不屈の人間愛が、ひとりの高名な指揮者を生む。大戦後間もない荒れた寄宿学校で冷血な校長と闘い、問題児たちを音楽で温かく包み込んでいく姿が美しい。コーラスナンバーが全編澱みなくなく流れ、製作、演出、演技のトータルで良質の音楽映画。「ニューシネマ・パラダイス」のジャック・ペランが製作と指揮者役を兼ねて、映画話法の類似性高く、観るものに与える感動も引けを取らない。いい映画に出合えた感慨にひたれます。フォーレ「夜」のジャン・バティスト・モニエのソロの美しさ聞き惚れ、解雇された主人公に空から舞い落ちる子供たちの惜別の「紙飛行機」に胸打たれる。そしてジェラール・ジュニョの人間味ある演技とラストの終わり方も素晴らしい。

最終更新日:2022-07-26 11:03:37

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