P.N.「グスタフ」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2019-10-09
「ラムの大通り」「追想」のロベール・アンリコ監督の代表作。大人になり切れない男と女と男の夢と挫折と感傷を冒険活劇にしたフランス映画のエスプリ。この作品ほど、名作・傑作・秀作の称号など要らぬ、愛すべき映画の筆頭に挙げたい。
それぞれが好きな道で失敗する前半の楽しさ。大きな挫折に慰めあう三人の絆が深まり、ひとつの希望に向かってアフリカの海に挑む、後半のギャング映画宛らの面白さ。そして、ジョアンナ・シムカスの神聖で美しい水葬シーンに息を吞み、少年の純真さを持つ男の魅力に溢れるリノ・バンチュラに共感する。
さすらう青春への憧憬を漂わすテーマ曲「レティシア」とラストシーンが、いつまでも心に残ります。