緑の魔境 作品情報

みどりのまきょう

イタリアの南アメリカ探検隊のメンバーは隊長のレオナルド・ボンツィ以下総勢四名とマスコットの小猿プリスコラで、自動車は特別に作った水陸両用のジープ二台。行手は大原始林である。ブラジルは首都リオ・デ・ジャネイロやサン・パウロは高層建築が林立しているが、一歩踏み出せば千古の大自然がその偉大さをまざまざと見せてくれる。ブラジル、アルゼンチン、パラグァイの三国の国境に位するイグアスの大瀑布は高さ七十八米、幅五粁、ナイアガラとは桁ちがいの世界一の大瀑布だ。家畜を運ぶ大型筏にジープを乗せてパラナ湖を渡り、マート・グロッソ州に入ると、ここはダイヤモンドの産地で、珍しい動物が沢山いる。マクンバの踊りは黒人が遠い奴隷時代の昔から残したものだ。リオ・グランデの大草原、パンパス地帯は遥か地平線まで空間がひろがって涯てしがない。マート・グロッソの樹海を越え、ボリヴィア共和国に入ると、そこはパンタナル(沼沢地帯)だ。アマゾンの花の女王ヴィクトリア・レジナが咲き誇り、小鳥が飛び交っている。長い苦しい旅の末、アマゾンの支流リオ・マドレ・デ・ディオス河畔に到着した。このあたりにはマラリアと闘いつつ天然ゴムの採集につとめた白人の墓がある。探検隊はアンデス越えを開始した。南アメリカはアンデスを境に、全く異る面を持っている。このあたりは十世紀から十四世紀にかけて栄華を誇ったインカ帝国の一部である。ワイナポトシの白雪に輝く峰を望む海抜五千米のチャカルタイア峠にかかったとき、プリスコラが死んだ。一同は小さな墓を掘って、この可愛い隊員を葬った。やがて世界一の高所にあるティティカカ湖畔に着いたが、漁民は晴雨に拘らず鱒漁に出る。ブナ高原の寒村で珍しい結婚式を見たあと、探検隊は大急ぎで帰途についた。リマから飛行機。六カ月前に出発したリオ・デ・ジャネイロまで十二時間の空の旅だ。鬱蒼として神秘的な緑の森。南アメリカよ、さよなら。

「緑の魔境」の解説

「青い大陸」で編集指導と解説を担当したジャン・ガスパレ・ナポリターノが製作、撮影は「明日では遅すぎる」のマリオ・クラヴェーリ、音楽はフランチェスコ・ラヴァニーノ、編集は「青い大陸」のマリオ・セランドレイ。南アメリカの東海岸のリオ・デ・ジャネイロから西海岸のリマにいたる一万二千五百粁を特製ジープ二台で六カ月にわたって踏破した記録映画。なお五三年度カンヌ記録映画賞を獲得した。

公開日・キャスト、その他基本情報

キャスト 監督ジャン・ガスパレ・ナポリターノ
配給 NCC=エイショウ・トレイディング・カンパニー
制作国 イタリア ドイツ(1953)

ユーザーレビュー

レビューの投稿はまだありません。

「緑の魔境」を見た感想など、レビュー投稿を受け付けております。あなたの映画レビューをお待ちしております。

最終更新日:2022-07-26 11:03:57

広告を非表示にするには