きんぽうげ 作品情報

きんぽうげ

或る年の同じ日、同じ時刻に二人の子供が双子の姉妹の母から誕生した。二人はフランス(H・ベネット)とマーガレット(J・アッシャー)と名付けられ、いとこ同士というより兄妹のように育てられた。フランスの少年時代の終りに家の事情で別れていったマーガレットは数年後、驚くほど、美しく成長してロンドンに戻って来た。恥かしがりやで、はにかみやのところは幼い頃と変っていなかった。フランスはマーガレットに素晴らしい恋人を見付けてやろうと思う。そしてきんぽうげの咲き乱れる野原へのピクニックの日。スウェーデンから建築の勉強に来ているフレッド(S・B・タウベ)と知り合い、帰りには世界各地を歩き廻わっている気ままなアメリカ娘のマニー(L・T・ヤング)と車の接触事故の小さな喧嘩で知り合ったのだ。四人はすっかり意気投合し、泊まる所のないマニーはフランスのアパートに一緒に住む事になり、早速、ベッドを共にするのだった。フランスは好意を持ち合いながらも進展しないマーガレットとフレッドの仲をじれったく思い、南スペインの田舎で一週間過ごす計画を立てた。借りた家には寝台が二つしかなかった。マニーとフランスはすぐベッドにもぐり込むのだったが、最初の日はフレッドはテーブルの上でマットに寝る事になる。マーガレットにはセックスに対し奔放で遠慮ない二人のやりとりは、自分とフレッドを刺激して、無理にも結びつけるためのように感じられ、かえって臆病にさせたのだったからだ。しかし、次の夜は若さがおののきを斥けた。翌朝の太陽に輝くプールで喜びをわかち合う二人をフランスがじっと見つめていた。二組のカップルは互に愛を楽しみ合う。しかし、フレッドとマーガレットにはいつもフランスの目が注がれていた。そしてそれを意識するマーガレット。ロンドンに帰った四人は郊外の家を手に入れ、共同生活を始めた。誰の干渉も受けぬ自由な恋人同士。愛は自由に分かち合うべきものよ、と言うマニーは、フレッドの誘惑に成功する。四人の愛の関係はお互を了解し合い、トラブルもなく楽しい日々が流れる。そうした或る日、マニーの昔の恋人ジョージ(C・レビル)が現われた。マニーとの結婚を望み金持で心優しい愉快な醸造家であるが、マニーは意にも介さない。冬になりマニーが妊娠している事が判った。ジョージは親はどちらと尋ねるが、フランスもフレッドも顔を見合わせるだけだった。マニーはフレッドと結婚する。その日に陣痛が始まり、子供が誕生するあわただしいものだったが、二人はスウェーデンに発った。マーガレットも美術の交換学生としてローマへ一年間留学する。だが夢にみていたローマの生活は退屈で寂しいものだった。彼女は耐え切れずスウェーデンに飛び立った。久し振りのフレッドとマニー。そしてフランスも飛んで来る。懐かしい再会。美しい入江の別荘で四人の愛の炎は燃えあがった。或る日、フレッドとマーガレットが美術館廻りに行き、フランスとマニーが子供を連れて海へ遊びに行ったのだが、マニーとフランスが愛を交している間に風船を追っていた子供が海に落ち死んでしまう。帰ったフレッドは愕然とする。マーガレットも罪の意識に沈む二人に非難のまなざしを向けて、葬式が終っても四人のわだかまりは溶けない重苦しい毎日が過ぎていった。マニーはこうした日々に耐え切れず、気晴らしにいこうと言い出した。四人は街のディスコティック・バーに入った。酒を飲み騒音の中でマニーは踊り狂い、しまいには踊りながら服を脱ぎ始める。フレッドは泣きながらマニーを殴り、あれは俺の子供だったと叫ぶ。四人の世界は終った。マニーはジョージの許へ去った。フランスは楽しい思い出に満ちた写真を焼いてしまう。慰めるマーガレットの手はいつしか愛撫にかわっていく。誘い込まれるようにベッドの上でマーガレットの服を脱がし、唇を合わせたフランスは、はっと気がつく。マーガレットと愛を交す事は出来ないのだ。想い出深い別荘を引き払い、三人はジョージとマニーを訪ね別れを告げた。フレッドは建築の仕事へマーガレットはジュネーブにフランスはロンドンへと別々の道を進む事になった。美しかったきんぽうげの環も青春の終りと共に壊れていったのであった。

「きんぽうげ」の解説

原題の“きんぽうげの環”のように美しいが、はかなくもろい絆に結ばれた多感な四人の男女の青春を斬新に描き、その道徳性、人間関係のありかたを問う。ジョン・ウィットニー、フィリップ・ワディラブの共同製作、監督は「愛すれど心さびしく」のロバート・エリス・ミラー、イギリスの女流小説家ジャニス・エリオットの原作をピーター・ドレイパーが脚色、撮影は「ブルー・マックス」のダグラス・スローカム、音楽をリチャード・ロドニー・ベネット、美術をフレッド・カーター、編集はセルマ・コネルが各各担当。出演は「ふたりだけの窓」のハイウェル・ベネット、「冒険者」のリー・テイラー・ヤング、「冬のライオン」のジェーン・アッシャー、スヴェン・バーティル・タウベ、クライブ・レヴィルなど。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 1971年6月5日
キャスト 監督ロバート・エリス・ミラー
原作ジャニス・エリオット
出演ハイウェル・ベネット リー・テイラー・ヤング ジェーン・アッシャー スヴェン・バーティル・タウベ クライブ・レヴィル
配給 コロムビア
制作国 イギリス(1970)

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最終更新日:2022-07-26 11:03:58

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