映画感想・レビュー 92/2520ページ

ドクター・モローの島:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★☆☆
投稿日
2024-05-12

この「ドクター・モローの島」は、ご存知、H・G・ウエルズの古典SF小説の映画化作品だ。

難破した船員ブラドック(マイケル・ヨーク)が、流れ着いた孤島で、野獣の人間化を研究しているモロー博士(バート・ランカスター)に出会う前半は、ほぼ原作通り。

ただ原作では、外科手術を反復し、それによって生ずる二次的変化の累積によって、野獣を人間化していくという、偶然に頼るやり方だが、映画では、染色体の説明に始まり、脳髄から採取した液を蒸溜したものを、繰り返し注射することになっている。

改変は後半で、原作では、博士の死後、獣人たちが次第に元の野獣に戻っていくありさまの描写にウエイトがかかっているが、映画では、島を脱出しようとしたブラドッグが捕らえられ、人間を野獣化する実験台にされるくだりが追加され、そこが面白い。

結局、彼は博士がパナマで買ったという娘マリア(バーバラ・カレラ)と危うくボートで脱出するが、その娘が実は-----という伏線のオチがついている。

第7鉱区:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-05-12

この韓国映画「第7鉱区」は、「グエムル 漢江の怪物」同様、グロテスクな韓流モンスターが出し惜しみせずに大暴れする作品だ。

男勝りのヒロインが、逃げ場のない空間で勇敢に立ち向かう、定番の「エイリアン」スタイルのVFXアクションを繰り広げる。

産油国を夢見て、東シナ海に浮かぶ巨大石油ボーリング船で作業する韓国の作業員たちだが、成果が出ずに撤収命令が下る。

この命令に納得できない女マネージャー(ハ・ジウォン)が、本部から来たキャプテン(アン・ソンギ)に直訴して調査は続けられることになるが、やがて仲間たちが次々と怪死して、突然、巨大な深海生物が出現する。
この深海生物が、とにかく無気味で不死身すぎるクリーチャーで、強烈なインパクトを与える。

監督は、1980年の韓国での民主化運動を巡る悲劇のドラマ「光州5.18」のキム・ジフンで、モンスターの正体を巡る極限状態でのサスペンスもスリリングに、タンクトップ・ヒロインと深海生物が巨大化した怪物との闘いを、ダイナミックに活写して大迫力の興奮が味わえる。

スカイエース:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-05-12

ジャック・ゴールド監督の「スカイ・エース」は、見応え十分の空戦映画で、飛行機ファンなら、泣いて喜ぶだろう。

第一次世界大戦中のイギリス空軍基地。
出動すれば、誰かが撃墜されるが、パイロットたちは、いつまでも悲しんではいられず、町へ繰り出して、酒と女に溺れ、明日の死に立ち向かう勇気を養っている。

この飛行士たちの群像と、彼らを率いる隊長のマルコム・マクドウェルの苦悩をシビアに描いて、反戦思想を色濃く打ち出している。

空中戦のシーンも堂々たるもので、着任したばかりの若い飛行士のピター・ファースが、初陣の偵察飛行で、敵機に燃料タンクを撃ち抜かれ、辛くも帰還するという一幕等、スリルたっぷりだし、ドイツの気球を爆破しに行くクライマックスも、壮烈なスペクタクルでワクワクしてしまう。

イギリスのSE5、ドイツのフォッカー等、当時の複葉機の機種が、ずらりと登場するのは、飛行機のファンにはたまらないだろう。

最後の晩餐(1973):P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-05-12

このマルコ・フェレーリ監督の「最後の晩餐」は、数人の男女が、ある邸の中に閉じこもり、朝から晩まで徹底して食べたり、飲み続けたりして、そしてあげくの果てには、排泄物を垂れ流し、皆が皆、食い過ぎのために死んでしまうという、何とも言えぬ凄絶な話だ。

この人間の本能だけをとことんまで押し詰めたような、一種の絶望的な退廃には、まるで妖気のようなものさえ漂い、それがブラック・ユーモア的に発散されている、凄い映画だ。

OK牧場の決斗:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-05-12

この「OK牧場の決斗」は、1881年10月26日、アメリカで実際にあった有名な決斗を描いた、ダイナミックなアクション西部劇の傑作だ。

同じ素材で、ジョン・フォード監督が「荒野の決闘」を撮っているが、「荒野の決闘」が詩情豊かな”静”の面白さだとすると、この「OK牧場の決斗」は、ガンプレイ・アクションを存分に楽しめる”動”の面白さがあり、実に痛快な娯楽作になっていると思う。

そして、この映画には、懐かしい俳優の顔が、続々登場する。
肺病の賭博師ドク・ホリーデーの愛人のケイト役に、「エデンの東」で母親役を好演したジョー・バン・フリート、映画の冒頭でドク・ホリデーに殺されるガンマンは、後にマカロニ・ウエスタンの大スターになったリー・バン・クリーフ。

また、クラントン一家のビリーは、「イージー・ライダー」の監督・出演で、一躍名を上げた、デニス・ホッパーの若き姿なのだ。

影の軍隊:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-05-12

ジャン=ピエール・メルヴィル監督の「影の軍隊」は、正確に言えば、フィルム・ノワールではないと思う。

レジスタンスに身を投じた人間たちの姿を、セミ・ドキュメントタッチで綴った、社会派サスペンスだと思う。

だが、この映画の全篇を覆う、ダークな色調。
指名を果たすためには、愛するもの全てを捨てなければにらない非情な世界で、自己を引き裂かれ葛藤する男たちや女たち。

彼らの胸中をふさぐ悲哀と情念のたぎりは、まさにフィルム・ノワールの世界そのものだ。
とにかく、ジャン=ピエール・メルヴィル監督の簡潔で、切れ味鋭い演出の技が冴え渡った映画だ。

コレクター(1965):P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-05-12

ウィリアム・ワイラー監督の「コレクター」は、サスペンスに満ちた、男と女のドラマだ。

蝶のコレクションと同じように、女を閉じ込める男の心理が、映画を観ている我々には想像がつくが、女にはそれがわからない。

彼女が逃げようとする時、我々の心理は、男の側に立つのではないだろうか。
閉じ込めることが、彼の最終的な目的なのだから、その維持が映画の緊張になるのだ。

とにかく、この映画は、優れて独創的な作品なのだ。

女の勧めで画集を見たり、小説を読んだ男が、ひどく道徳的なことを言って反論するのが、すこぶる面白いのだ。

地球爆破作戦:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★
投稿日
2024-05-12

この「地球爆破作戦」は、SFファンなら観ておいて損のない映画で、コンピュータが発達して人類を支配するという、いわゆる電子頭脳テーマもので、SFの一大ジャンルをなしている。

この作品はD・F・ジョーンズの原作を「チャイナ・シンドローム」のジェームズ・ブリッジスが脚色し、「サブウェイ・パニック」のジョセフ・サージェントが監督をしている。

東西冷戦時のアメリカで、国防ミサイルシステムの要となる巨大コンピュータ、コロッサスが完成する。

だが、ソ連も同様のガーディアンを開発していて、進化したコロッサスはガーディアンと結託して、リンクを切断して制御しようとする人間たちを、核ミサイルで脅迫する。

科学者が監視カメラの目を盗んで連絡するため、女性科学者と逢引するなど、互いの頭脳戦も、実にスリリングだ。

この映画を観ていると、米ソ冷戦時代の当時よりも、世界がネットで結ばれた現代のほうが、より不気味さを増してくるような気がする。

FOUJITA:P.N.「pinewood」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-05-12

昔,絵画研究所の広島出身の学友が藤田嗣治の或る戦争画の大作を観て,こりゃージエノサイドの光景,反戦絵画,戦争告発画じゃないかなと感想を漏らしていた。余りにも悲惨で軍部も思わずたじろいで仕舞ったエピソードも在る藤田,エコール・ド・パリ時代の交遊,世界大戦で垣間見た花の巴里の悲惨さ,ピカソのゲルニカ,オットー・デックスの戦争告発の版画等の流れから考えるならー。機械文明とヒットラー独裁への警鐘の一文は藤田も残していたとか

王子と乞食:P.N.「pinewood」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-05-12

🧔NHKラジオ深夜便・話芸百選は神田昌味の中江兆民,講談好きの民主主義の思想家,東洋のルソーの人権政治家の零れ話を痛快至極に語るエピソードはまるで本篇マーク・トウェインの逆転物語の如し何だゼ

ゴジラ-1.0:P.N.「ひどいひどい」さんからの投稿

評価
☆☆☆☆
投稿日
2024-05-11

※このクチコミはネタバレを含みます。 [クリックで本文表示]

ひどい。ひどすぎる。開始5分もせずに役者の演技の違和感を痛烈に感じた。セリフがアニメ。映画ではなく、舞台を観てる感覚。
戦後で疲弊しきってるはずの日本人があんなに元気にハキハキと生きてますかね?
映像も、、、そこまで?って感じです。
ゴジラもあっさり出てきて、人類もあっさり受け入れて。
神木隆之介にもまったく感情移入できない。
唯一良かったのは、安藤サクラの演技のみ。

Ryuichi Sakamoto Opus:P.N.「さとうし」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-05-11

映画を映画館で観るということが、とても贅沢なことだと改めて思いださせてくれる。
この中で眠りに包まれてしまうのも致し方ないが、いびきは止めてもらいたい。目の前でやられた女性は「寝るなら来ないでください」と激怒していた。
寝てしまいそうな人にお願いします。前かがみなら寝てしまってもいびきをかくことは少ないので、背もたれから背中を外してください。

鬼平犯科帳 血闘:P.N.「水口栄一」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-05-11

この映画を観て、とても感動した。私がこの映画を観たいと思ったのは何よりも中村ゆりさんが出演されていたからだが、5月9日にたまたまこの映画を宣伝されている大ポスターを目にしたからだ。ひじょうにインパクトがあって印象に残った。5月9日は私にとって特別なことがあったいい日でもあり、この映画にはご縁があると思った。これはあまりにも面白くて、決して飽きさせないストーリーだと思う。私は昔から池波正太郎さんの大ファンで鬼平犯科帳が大好きだが、新たな鬼平の魅力があふれていると思った。豪華な俳優陣で、松本幸四郎さん、市川染五郎さん、中村ゆりさんはひじょうに印象に残った。特に中村ゆりさんはとても存在感があった。中村ゆりさんなりの「おまさ」を探して、見事に演じておられた。素晴らしい演技だと思った。最高の女優さんだ。私はこの映画を観てから、あらためて長谷川平蔵はなぜ鬼平となったのかを思った。そしてこの映画はほんとに素晴らしいと思った。

バスキア、10代最後のとき:P.N.「pinewood」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-05-11

六本木の森美術館で観たバスキア展いろんな要素が籠められた現代アート作品,今日聴講したアンディ・ウォーホール論議の中でコロナ禍前に見た満員の展覧会場のダイナミックなドローイングが忘れられない!

I SHOT ANDY WARHOL:P.N.「pinewood」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-05-11

20世紀美術のアンディ・ウォーホール論で紹介された本篇,映画バスキアとともにアンディを取り巻く側から描かれたという本作は一体どんな作品だろうか?興味を惹く

あまろっく:P.N.「水口栄一」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-05-11

あまろっくを観て、とても感動した。兵庫県尼崎市は私にとって決して忘れられないところだ。この街に住んでいる女性とご縁があったからだ。だからこの映画を観たのだ。これは何よりも心地よいと思った。この映画は実に豪華なキャストだが、中村ゆりさんが出演されている。私は中村ゆりさんの大ファンなのだ。凄い美人でチャーミングだ。今回の演技もパーフェクトでほんとに素晴らしいと思った。また観たくなる作品だ。

マルクス・エンゲルス:P.N.「pinewood」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-05-11

👷‍♀日経BPクラシックス等でカール・マルクス著・資本論の機械制大工業の件を読むと本篇で盟友フリードリヒ・エンゲルスが自分の工場へとマルクスを案内して居るシーンが甦っ来た。経済学の文献を大英図書館で読み漁った丈で無く実際の労働者の働く現場の製造工程にも精通していた理由で

最終更新日:2024-10-30 16:00:02

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