- 評価
- なし
- 投稿日
- 2024-07-13
主人公のディスクジョッキーに扮しているのは、ロビン・ウィリアムズ。
「ポパイ」を演じ、「ガープの世界」で、我々映画ファンを唸らせた彼である。
うまい、実にいい味を出す役者だ思う。
優しい笑顔の中に、軍の重圧や、不条理な戦争に対する憎しみが込められ、抜群にうまい役者だ。
友と信じたベトナムの青年が、北側の工作員だったことを知った時の彼の哀しみの表情が忘れられない。
なぜ手を取り合って生きていけないのか。
このロビン・ウィリアムズという稀代の役者を起用して、バリー・レビンソン監督は、心に残る名作を撮ったと思いますね。
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2024-07-13
この映画は、ベトナム戦線の兵士に聞かせるラジオのディスクジョッキーのお話ですね。
とにかく、この映画は面白い、たまらなく面白いですね。
米軍の放送だから、検閲も厳しい。その間を縫って、新米のディスクジョッキーは、まあハチャメチャな語りで、兵士たちの心を捉えてしまう。
急激な人気の高まりで、米軍の首脳部は、彼を首にすることも出来ない。
いっそ危険きわまりない最前線へ放り出せば抹殺できると、彼を取材の名目で送り出すのだが----------。
鉄砲玉のように飛び出すブラックジョーク。米軍の検閲制度を徹底的にからかいながら、それでいて若き兵士たちに注ぐ、愛おしみの眼差しは、実に温かい。
激戦地で死んでいくであろう、幼さの残る兵士たち。
主人公の「グッドモーニング・ベトナム!!」という呼びかけの何と優しいことか。
- 評価
- なし
- 投稿日
- 2024-07-13
黒人の保安官では、町はますます不穏になり、住民たちは土地を捨てて出ていくだろうというのが、知事のねらいで、住民のいなくなったその土地を鉄道会社に売って、ひと儲けしようというハラなのだ。
だが、そうは問屋がおろさない。
バートは、監獄の常連ジム(ジーン・ワイルダー)と意気投合し、知事が送り込んだ無法者タガート(スリム・ピケンズ)一味に立ち向かうのだった。
そして、住民もいつしか二人を信用し始め、協力するようになり、ドタバタ喜劇の定番のパイ投げをやるかと思えば、ターザンが飛び出したり、踊り子のラインダンスが始まるかと思えば、ヒトラーまで派手に登場したりするのだ。
まるでサーカスのどんちゃん騒ぎのような大合戦が、いわば、この映画の見せ場なのだが、このなり振り構わぬドタバタのようで、そのくせ笑いのツボはちゃんと心得ているスマートさ。
まさに、メル・ブルックス監督の独壇場というところでしたね。
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2024-07-13
アメリカ人の底抜けの陽気さを一人で背負って立っていたかのような、かつてのメル・ブルックス監督の、この映画「ブレージングサドル」は、理屈もヘチマないドタバタ喜劇の爆笑ウエスタンですね。
とにかく、メル・ブルックスの監督作品には、随所に楽屋落ちの駄洒落が出てくるが、笑いのめして、いけしゃあしゃあと幕を下ろす賑やかさは、むしろ爽快と言ってもいいくらいだ。
自分も楽しむかわりに、他人も楽しませるという自信が、この作品にも満ち溢れているんですね。
舞台は、法も秩序もない西部のある町。
腹黒い知事(メル・ブルックス)は、縛り首寸前の黒人奴隷バート(クリーボン・リトル)を、保安官になれば見逃してやるという条件で、この町に送りこむのだった。
- 評価
- なし
- 投稿日
- 2024-07-13
神出鬼没の行動で、ローガン一味を一人ずつ殺したクレイトンが、睡眠中にローガンに首を引き裂かれて殺される場面も、ずいぶん無神経な描き方になっていると思う。
荒野の素朴な生活とか大自然の景観とか、リアリズムに貫かれた描写も見受けられるが、総体的には活気や映画的緊張感の乏しい失敗作というべきだろう。
- 評価
- なし
- 投稿日
- 2024-07-13
このように、筋立ては普通の西部劇と大差はないが、アーサー・ペン監督は随所でひねりを効かせた演出を試みている。
結果として、それが成功した箇所もあるが、ローガンの仲間がカナダに潜入して騎馬警官隊の馬を盗むユーモラスなシーンと、ローガンとブラクストンの娘(キャスリーン・ロイド)のラブシーンと、それをクレイトンが双眼鏡で監視する光景をカット・バックで描いたところなどは、ドラマティックな盛り上がりを著しく中断させて、ひねり損ないの印象を与える。
- 評価
- ★★★☆☆
- 投稿日
- 2024-07-13
1958年にポール・ニューマン主演の「左ききの拳銃」を手がけ、1970年にダスティン・ホフマン主演の「小さな巨人」を撮ったアーサー・ペン監督の3本目の西部劇で、マーロン・ブランドとジャック・ニコルソンの初共演というので、公開当時、話題になった作品だが、出来栄えは、余りかんばしくない。
とにかく、公開時のキャッチ・コピーが「ついに対決する 2大アカデミー賞スター!! 製作費48億円 巨大な興奮と感動で放つ超娯楽大作!」という割りには、全く期待外れの作品に終わっていると思う。
ところは西部開拓末期のモンタナ。
無法者のトム・ローガン(ジャック・ニコルソン)とその仲間は、まともな生活に入ろうと考えていたが、仲間のひとりを大牧場主ブラクストンに縛り首にされたため、ブラクストンの牧童頭を殺して仕返しをした。
このローガン一味に不快感を募らせたブラクストンは、殺し屋リー・クレイトン(マーロン・ブランド)を雇って、ローガン一味と対決させようとするのだった。
- 評価
- ★☆☆☆☆
- 投稿日
- 2024-07-13
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初めてバイキンマンが勝った
- 評価
- なし
- 投稿日
- 2024-07-13
こわれ易く、こわし易い民主主義を守っていくためにも、その必要性がありますし、間近な歴史を抽象化して、北一輝を描いていた「戒厳令」(吉田喜重監督)と同じ弱さがあったように思います。
- 評価
- なし
- 投稿日
- 2024-07-13
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彼らの決起の趣旨も、また、その挫折の過程も明らかにはされていません。
そして、宮城の獄中記の内容も、わからないままです。
最後に、「この事件の後、軍部ファッショが確立し、大陸侵攻が本格化した」と解説していますが、仮に、このクーデターが成功し、皇道派が統帥派に代わっても、戦争への途を避ける事が出来たとは、到底、思えません。
森谷司郎監督は、この映画について、「本当の事というのは、永遠の謎だ。ただ僕の考えたのは、社会情勢が現在とソックリだという事だ。当時は貧しくて、今は中途半端に豊かだけれども、政治そのものは少しも変わっていないんだよね」と語っていますが、それだからこそ、この事件を、ドキュメンタリー・タッチで史実に即して、客観的に描く事の今日的な重要な意味があったのだと思います。
- 評価
- なし
- 投稿日
- 2024-07-13
そして、上官の汚職と引き換えに彼女を救った宮城は、東京で一見夫婦風の平和な居を構えますが、それは"昭和維新"を目指す宮城が、世を欺くためであり、また、金で買った昔の男たちと同じように薫を抱く事は、彼女を傷つける事になると考え、薫の負い目に乗じたくないという思いやりからでもあったのですが、死を覚悟している男として女を泣かせたくなかったからでもありました。
このような、厳しくも優しい、寡黙の男を演じられる俳優は、高倉健しか考えられない程の適役ですし、その宮城をひたすら愛し、それに耐える女を演じる吉永小百合は、情感に満ち溢れています。
このストイックなまでの愛情が燃え上がり、二人が結ばれたのは決死の行動の前日でした。
この男女は、全くのフィクションですが、脚本が二・二六事件についてもフィクション的な扱いをしている事が、この映画の迫力・迫真性を失わせていると思います。
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2024-07-13
「動乱」は、暗い時代のストイックな愛を高倉健、吉永小百合の共演で描いた男女の愛の物語ですね。
この東映映画「動乱」は、製作者が岡田裕介、監督が「八甲田山」「聖職の碑」の森谷司郎で、脚本が「華麗なる一族」「不毛地帯」の山田信夫のオリジナル作品となっています。
現代にもつながる昭和動乱の起点となった、昭和7年の五・一五事件から二・二六事件までの暗い時代を背景に、それに巻き込まれていく男と女の禁欲的な情熱を描いています。
宮城大尉(高倉健)は、脱走し銃殺された貧農の初年兵の姉の薫(吉永小百合)が、娼婦に身を落としている状況の中、鮮満国境で再会します。
- 評価
- なし
- 投稿日
- 2024-07-13
1996年にサウジアラビアで実際に発生した爆破事件をヒントにしたというものの、映画の設定は、アメリカでの3.11同時多発テロ以降の国際情勢を踏まえた上での展開となっているのは明らかだ。
アメリカなど西側諸国とイスラム世界との対立というデリケートな問題を、エンターテインメントのモチーフにしてしまうところに、アメリカ映画界のしたたかさを感じざるを得ない。
- 評価
- なし
- 投稿日
- 2024-07-13
ただ、現地の国家警察に徹底的に監視され、活動を規制されたFBIチームの捜査は一向に進まなかった。
そこで、業を煮やしたフルーリーは、王子に直接訴えるという行動に出るのだ。
当初、対立を繰り返した国家警察のガージー大佐とも次第に共鳴し、テロ組織の深部へと迫っていくのだった--------。
主人公のFBI捜査官、現地警察の大佐、そしてテロ首謀者のいずれの背後にも、家族、特に子供の存在を描き込んだところが、この映画のミソだと思います。
アメリカ映画らしい発想といえばそれまでだが、信仰や立場が違う人々の間に、共通項を示したところに工夫が見られると思います。
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2024-07-13
イスラム過激派によるテロを題材にしたアメリカ映画「キングダム/見えざる敵」は、国際情勢に向き合う社会派映画というよりは、衝撃と緊迫感あふれるアクションシーンで見せる娯楽作品に仕上げていると思います。
サウジアラビアの外国人居住地区で、銃の乱射と大規模な自爆テロ事件が発生し、現地に駐在していたFBI捜査員も巻き込まれてしまった。
ワシントンでこの悲報を聞いた上司のフルーリー(ジェイミー・フォックス)は、現地捜査を願い出るが、司法長官の政治的判断で退けられてしまう。
テロ組織への資金流出をネタに、駐米サウジアラビア大使と取引したフルーリーは、5日間の捜査の許可を得て、3人の部下を連れて現地へ乗り込んだ。
- 評価
- なし
- 投稿日
- 2024-07-13
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ホラー映画の技法は、タイミングのずらし方にそのポイントがあります。
怖くなるぞ、怖くなるぞとゆっくり盛り上げ、ふっと軽く安心させて、緊張がゆるんだ瞬間にどっと襲い掛かる———。
この呼吸が絶妙なので、首などが斬り落とされなくても怖くなります。
凡百の出来の悪いホラー映画だと、終わりには恐怖に慣れてしまいますが、この「スペル」は、後になるにつれて、もっと恐ろしくなってきます。
最後まで、安心して怖がられるのです。
そして、何といっても、この映画の素晴らしいところは、全編に渡ってユーモアが満ちあふれているところだ。
恐怖とユーモアは紙一重だとよく言いますが、まさにこの映画は、そのあたりの案配が、実に絶妙なんですね。
また、恐怖のネタもハンカチ、携帯電話、蝿、そして入れ歯と、怖がりながらも、つい笑ってしまうのだ。
とにかく、この映画は徹底して不真面目なんですね。いい加減なんです。
そして、それこそが、”アメリカン・ホラー”の伝統であり、痛快B級ホラー映画の復活たりえているのだと思います。
- 評価
- なし
- 投稿日
- 2024-07-13
このあたりは、例えてみるとポルノ映画によく似ている気がします。
裸に頼れば頼るほど映画ではなくなるように、残虐シーンに頼れば頼るほど映画としてはダメになると思います。
最近の多くの”アメリカン・ホラー”は、そこを誤解しているような気がします。
実物そっくりを目指したためなのか、コンピューター・グラフィックス(CG)に頼る残酷シーンばかりが増えて、よほど悪趣味の人でなければ、観る気にならないのではないかと思います。
そして、その行き着く果てが、日本製のJホラーのリメイクを作るところまで、落ちぶれてしまったのだと思います。
このようなホラー映画を取り巻く惨状を前に、敢然と立ち上がったのが、我らがサム・ライミ監督なんですね。
このサム・ライミ監督は、当時、「スパイダーマン」シリーズなどの大作路線に走っていたのですが、もともとは”ポップカルチャー”としてのホラー映画を熟知した人。
この「スペル」は、「死霊のはらわた」の初心に戻って撮っているのです。
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2024-07-13
大好きな監督、サム・ライミ。そして、大好きな映画「スペル」。
このサム・ライミ監督の映画「スペル」は、老婆に呪いをかけられた女性が直面する、恐怖の3日間を笑いと恐怖で描いた、ホラー映画の傑作だと思います。
お話自体は、お馴染みの筋書きですが、実は、この作品は”アメリカン・ホラー”の久し振りに見る愉快、痛快な大傑作だと思います。
首が飛んだり、血が噴き出したり、人体に危害が及ぼされるのがホラー映画の特徴ですが、とはいえ、現実の肉体に似れば似るほど悪趣味に堕して、映画的な表現から遠ざかってしまうものです。
実物にそっくりにしないままで、我々観る者を怖がらせるのが、まさにホラー映画の妙味、醍醐味なのだと思います。
昔のホラー映画は、厳しく規制されていたため、実物そっくりに映せないから、逆に映画らしい工夫が数多くあったと思います。
何でもありになってしまうと、喜ぶ人も確かにいるだろうが、それではもう映画ではなくなってしまうと思うのです。
- 評価
- なし
- 投稿日
- 2024-07-13
むろん、いい妖精たちがそれを許すはずはなく、地球の守護神モスラをその棲み家インファント島から呼び寄せ、デスギドラと対決させる。
しかし、デスギドラの圧倒的な強さの前にモスラは敗退を遂げてしまうのだった-------。
この平成モスラは、地球環境問題や家族の絆などのテーマはあるが、明るいSFファンタジーであり、核実験や人間不信など、ドラマに影のあった昭和モスラに較べて軽く感じてしまう。
またこの映画の前年までの平成ゴジラシリーズで、都市の破壊に次ぐ破壊にしびれた怪獣映画ファンも、大自然を背景に戦う平成モスラには、ちょっと肩透かしを食らったように感じるかもしれない。
デジタル合成もミニチュア特撮も、出来はいいだけに実に惜しいと思う。
- 評価
- ★★★☆☆
- 投稿日
- 2024-07-13
平成モスラの第1作目にあたる、この米田興弘監督、川北紘一特撮監督の「モスラ」には、昭和モスラと同じくインファント島が登場するが、かつての水爆実験によって汚染され、外来者に小美人やモスラの卵を奪われる虐げられた島ではない。
開発が進む北海道の森林で、奇妙なメダルが発掘される。
そのメダルを巡って、インファント島で暮らすエリアス族の生き残りの悪い妖精(羽野晶紀)と、二人のいい妖精(小林恵と山口紗弥加)が、手からビームを放ち、時には小さなモスラ状のフェアリーに乗って空中戦を繰り広げ、メダルは悪い妖精の手へ。
悪い妖精は、そのメダルで北海道の巨大な岩に封印されていた、宇宙から飛来した強大な破壊獣デスギドラを解放、地球危うし!?-------。