映画感想・レビュー 207/2563ページ

デリンジャー:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★
投稿日
2023-11-09

卑屈で、派手好き、気分屋で無鉄砲、世間の評判を気にするデリンジャーのキャラクター描写が面白い。

彼は、庶民がイメージするデリンジャーらしい行動にこだわり、伝説の人物になろうとするが、その伝説作りの共犯者として、パービスを位置づけているのも興味深い。

この「デリンジャー」が、監督デビュー作となるジョン・ミリアスは、すでに頂点を過ぎて、滅びに向かいつつある、この伝説のスターを、柔らかい西陽の光の中に捉え、詩情をかきたててくれる。

ギリシャに消えた嘘:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★
投稿日
2023-11-09

「ドライヴ」で素晴らしい脚本を披露した、ホセイン・アミニが初めて監督する「ギリシャに消えた嘘」は、「殺意の迷宮」を原作としている。

アテネでガイドとして働き、若い女性をカモにする青年オスカー・アイザックは、パルテノン宮殿で見かけた富豪の妻キルスティン・ダンストに恋心を抱く。

しかし、夫のヴィゴ・モーテンセンは、ニューヨークではたらいた投資詐欺で逃亡中の身だった。

ヒロインをめぐっての三角関係と、先の読めない逃避行の物語が展開していくが、そこかしこに、ルネ・クレマン監督の名作「太陽がいっぱい」へのオマージュを見て取れる。

1960年代のファッションが醸しだす、時代の空気も濃厚で、クレタ島やイスタンブールといったロケ地のエキゾチズムともあいまって独特の雰囲気を盛り上げている。

イラン出身のこの監督、入国審査の場面のじりじりするような緊張感や、迷路のような街中での追跡劇なども見事で、久々に登場したヒッチコックの後継者として有望株と言えそうだ。

ラン・オールナイト:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★
投稿日
2023-11-09

大胆なカメラ視点の移動と場面の転換が新鮮な「ラン・オールナイト」は、リーアム・ニーソンが酔いどれの殺し屋を演じている。

主人公は、暗黒街を牛耳るエド・ハリスと幼い頃からの友情で結ばれてきたが、正当防衛とはいえ、一人息子のジョエル・キナマンが、エドの愛息を射殺してしまったことにより、三十年来の関係にひびが入る。

息子を差し出せとの要求に対し、主人公は命に代えても我が子を守り通そうと決意する。

やがて、手下と買収した警官を総動員し、エド・ハリスの大掛かりな人狩りが始まる。

監督は、「アンノウン」、「フライト・ゲーム」でミステリ映画好きを唸らせたスペインのジャウム・コレット=セラ。

意外性よりもサスペンスに軸足を降ろしたこの作品では、タイムリミットに向け、緊張感を巧みに盛り上げていく。

二人の父親を通して、二重に映し出していく、我が子への愛情のあり方もドラマの構図としても悪くない。

手錠のままの脱獄:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2023-11-09

黒人のシドニー・ポアチエと白人のトニー・カーチスをひとつの鎖で繋いで、異心同体にしたのは、1958年という時代背景から考えれば、刺激的な設定だ。

1955年末から黒人解放運動が爆発し、1964年に公民権法が成立したものの、根本的に解決されたわけではなく、現在は新たに民族問題が起こっている。

アメリカが抱える深刻な社会構造をえぐる野心作だと思う。

主演のシドニー・ポワチエは、ベルリン映画祭で最優秀男優賞を受賞し、アカデミー賞では、脚本賞、撮影賞を受賞している。

ブルースが聞こえる:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★☆☆
投稿日
2023-11-09

戦争といったら、ヴェトナム戦争で、第二次世界大戦は完全にノスタルジーになってしまった。

マイク・ニコルズ監督の「ブルースが聞こえる」の原作者も監督も、ノスタルジー以上のものを描こうとは思わなかったようだ。

スタンリー・キューブリック監督の「フルメタル・ジャケット」という傑作を見た今となっては、この映画の訓練所も上官も、随分とのどかに見えてしまう。

ノスタルジーとしては成功しているが、上官との心理的な緊張関係の描き方が浅くて、青春成長物語としては物足りない。

その男、凶暴につき:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★
投稿日
2023-11-09

「その男、凶暴につき」は、欠点の多い、滅茶苦茶で、見終わっても、まるっきりスッキリしない映画だが、私は好きですね。

日を追うに従って、傑作だったと思う。見た後で、どんどんきいてくる映画だ。

「ダーティ・ハリー」と違って、主人公の刑事の暴力の背後には、正義も何もない。
根拠のない、やみくもな暴力なのが面白いし、怖い。

この映画の迫力は、撮りたいものをちゃんと持ってる人の撮った映画だなと思う。

静かなる男:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★
投稿日
2023-11-09

このジョン・フォード監督、ジョン・ウェイン主演の「静かなる男」は、郷土愛をあふれさせた、人間喜劇の傑作だ。

ジョン・ウェインは、恩師でもあるジョン・フォード監督の作品では、虎みたいにコチコチしている場合が多いが、耐える男という役柄上での制約はあるものの、かなり大根っぽい。

ところが、終盤の殴り合いの場面になると、水を得た魚の如く、生き生きとした猛者ぶりを見せてくれる。

登場人物を的確に描き分けるジョン・フォード監督は、ユーモアとアクションを加味した、独特な作品世界を構築していると思う。

チャンピオン(1949):P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★
投稿日
2023-11-09

自らのエゴの完遂のため、あらゆるものを踏み台にし、利用していく青年の姿が、リアリズム映像で描かれていく。

ストーリー展開にメロドラマ的な脆弱さがあるが、それをマーク・ロブスン監督は、視覚的な豊かさと、凄まじいまでのアクションでカバーし、迫力ある作品にしていると思う。

アメリカン・ドリームに賭けた、一人の男の生き様が、深く胸を打つ1篇であり、アメリカにおけるボクシング映画の原型がここにある。

天上の花:P.N.「大岸弦」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2023-11-08

天上の花 大阪十三の映画館「第七芸術劇場」鑑賞 2023年11月7日
詩人・三好達治のドキュメンタリー
詩人・萩原朔太郎の娘である萩原葉子の小説を映画化。
1966年に発表した萩原葉子の小説「天上の花-三好達治抄-」を題材にしている。

太平洋戦争真っ只中である。
達治と慶子は越前三国でひっそりと新婚生活を送り始める。
気に入らないと、慶子を殴る、何度も繰り返されてしまう。一途な愛と憎しみを制御できなくなっていく。

「ことばが弾になって、敵を倒すことができないけれど、国民を励まし、勇気づけられるんじゃないかと思って」達治は述べる
「あなたがどんな詩を書いたって、日本は戦争に負ける」と慶子は泣きじゃくる

慶子演じる女優「入山法子」の迫真の演技に感動した。

ONE PIECE FILM RED:P.N.「ぺんぺん」さんからの投稿

評価
☆☆☆☆
投稿日
2023-11-08

わたしはワンピースが見たいのに、聞きたくもないアドの曲を延々と聞かされて苦痛でした。ワンピースは好きで、物語の続きは気になるのに邪魔なCMを挟むかのようにアド入れられて、、最低評価です。

ゴジラ-1.0:P.N.「まー」さんからの投稿

評価
★★☆☆☆
投稿日
2023-11-08

昨日見に行ってきました。
シンも今回のマイナスも全然だめですね。

役者さんは頑張ってたと思います。
人間ドラマにしたいのなら、ゴジラである必然性は
あるのでしょうか?

ゴジラは自分の中では戦後日本の復興の象徴でした。
同じ放射能を浴びた、日本とゴジラ。そこから外敵に向かって
立ち向かっていく、そんな姿に自分自身を重ねて日本人は頑張ってきた側面があると思います。
少なくとも人間ごときに、どうこうされる存在では無いのです。
思い上がるな、人間!と思わずには居られませんでした。
ゴジラにゴミくずのごとく踏みつぶされ、逃げ惑う姿をもっと見たかったです。

甘い鞭:P.N.「雪風」さんからの投稿

評価
★★★☆☆
投稿日
2023-11-08

壇蜜さん、間宮夕貴さんの体当たり演技のSM作品。ハードプレイで血だらけになるけど不思議と不快感やいやらしさは感じませんでした。石井隆監督の脚本がいいのでしょう。音楽もクラッシック調で静かに流れる。普通のクラブを頑張る女子高生が小っちゃな紐パンはご愛嬌ですね。

キエフ裁判:P.N.「大岸弦」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2023-11-08

※このクチコミはネタバレを含みます。 [クリックで本文表示]

キエフ裁判

国際軍事裁判
1946年 ナチ関係者15名が人道にかかわる罪で裁判となっている
第二次世界大戦の ドイツ ソ連戦で、ナチドイツのユダヤ人虐殺などの戦争犯罪の首謀者が対象

裁判の内容がほとんどとなっている。あまりにもむごい犯罪
ラストシーンでは、15名の「絞首刑」が確定し、「公開処刑」となった。その様子を動画で伝えているのである。
このシーンはあまりにもムゴイと感じた。すくなくとも日本ではテレビで公開されることはないと思います。
ドキュメンタリーの恐ろしさである。

ガザ 素顔の日常:P.N.「大岸弦」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2023-11-08

ドキュメンタリー映画「ガザ 素顔の日常」 大阪十三映画館「第七芸術劇場」にて 2023年11月7日
2019年との記載あり 今から約4年前の「ガザ」。
長さ40km 幅10kmほどの狭いエリアで暮らしている。ガザは「天井のない監獄」と呼ばれる。
日常があり、普通の人々が暮らしている。穏やかで美しい地中海に面しており、温暖気候、花やイチゴの名産地。サーフィンする若者や、ラッパー、妻が3人、子どもが40人いる老人など、平和で楽しい状況
しかし、ガザの住民の約7割が難民で貧困。2014年と2018年の戦争では、多数の学校、病院、家屋、発電所などが破壊された。それでもなお、力強く生きようとする住民たち。
チェロの音色で包まれている。

所感
「ガザ」が悲惨な状態と報道されているけれど、恥ずかしいことだがで「ガザ」のことを知りませんでした。

ゴジラ-1.0:P.N.「たろ」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2023-11-08

面白い。
ゴジラ映画というより戦後人間ドラマとも言える。
シンゴジラは最悪だったがこれは良い、これはヒットして然るべき作品。
最後ワンシーンだけはご都合主義だったがそれ以外は最高。
ゴジ泣きってあるんやね。

ゴジラ-1.0:P.N.「シレクマ」さんからの投稿

評価
☆☆☆☆
投稿日
2023-11-08

※このクチコミはネタバレを含みます。 [クリックで本文表示]

最後のトドメの刺し方、攻撃方法有りきで脚本を作った感が満載!全編、主人公個人の葛藤話も私にはくどくて物語の途中で冷めてしまった。
話の中心はあくまでもゴジラ退治にして欲しい。

個人的にはゴジラをもっと前に出して欲しい。

ゴジラ-1.0:P.N.「あらたのぱぱ」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2023-11-08

※このクチコミはネタバレを含みます。 [クリックで本文表示]

熱線強い圧倒的な絶望感
知恵練って倒す、空想科学読本的映画
悪いやつのいない人間ドラマ

起承転結 どれも楽しめました!
次作も絶望感のジェットコースターの先にハッピーエンドでお願いします!

荒野の七人:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2023-11-08

黒澤明監督の「七人の侍」に惚れ込んだ、俳優のユル・ブリンナーが、翻訳権を買い取り、舞台をメキシコに設定して映画化した西部劇の傑作だ。

メキシコの寒村イストラカンは、毎年、野盗に襲われ続けている。
そこで、村の長老は助っ人を雇うことにした。

ユル・ブリンナー、スティーヴ・マックィーン、チャールズ・ブロンソン、ジェームズ・コバーン他3人の計7人のガンマンたちが集まり、彼らは村人たちに射撃の練習をさせ、隠し柵を作り、道には溝を掘らせて、野盗一味の襲撃に備えた。

やがて野盗は、40人の手下を率いて現れるが、思わぬ農民たちの反撃にあい、部下の半数の死体を残して、命からがら逃げ帰った。

その後、何度かの攻防が続き、結局3人のガンマンが生き残った。
リーダーのクリス役のユル・ブリンナーが呟く。
「勝ったのは俺たちじゃない。百姓だよ。」と。

7人の個性あふれるガンマンぶりが魅力的で、中でもスティーヴ・マックィーンのカッコよさは群を抜いていたと思う。

ガルシアの首:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★
投稿日
2023-11-08

1960年~1970年代のアメリカの活劇映画を代表する、バイオレンス派のサム・ペキンパー監督の後期の代表作が、この「ガルシアの首」だ。

広大なメキシコを背景に、酒場のピアノ弾きが、すでに死んでしまった男の首を手に入れるため、墓場をさまよい歩く。

サム・ペキンパー監督ならではの、非情で乾いたタッチの演出と、賞金の懸った首をめぐって変容する人間模様の描写が見ものだ。

僕の村は戦場だった:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2023-11-08

ヴェネチア映画祭で金獅子賞を受賞した「僕の村は戦場だった」は、戦争の悲惨さを、12歳の少年の悲劇を通して描いた、アンドレイ・タルコフスキー監督の長編デビュー作だ。

苛酷な戦争シーンに、リリカルで、詩的な少年の回想シーンを織り交ぜた、美しい映画詩になっていると思う。

最終更新日:2025-04-28 11:00:01

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