斬る(1962) 感想・レビュー 1件

きる

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P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-02-26

この映画「斬る」は、柴田錬三郎の原作を新藤兼人が脚色、市川雷蔵主演、三隈研次監督による時代劇だ。

お家騒動に巻き込まれ、手討ちとなった腰元と、出家した侍との間に生まれ、他家に養子に出された悲運の子が、剣を生き甲斐とし、数々の生死の境地を彷徨いながらも、遂に、自ら死んでいくまでの生涯を三人の女性の死に様を通して、硬質に映像美たっぷりに描いた大映時代劇の傑作だ。

母親、養父の娘、弟の身代わりとなった通りすがりの武家の女と、三人の女の死に直面した主人公が、虚無の淵に立ちながら、己をテロリストへと駆り立てていく過程を、シュールな手法と端正な語り口で表現していると思う。

最終更新日:2024-03-07 16:00:01

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