KIDS(1995) 作品情報
きっず
ある夏の暑い日の午後、NY。テリー(レオ・フィッツパトリック)はいつものようにバージンの女の子を首尾よくモノにし、例によって親友キャスパー(ジャスティン・ピアース)にそれを自慢気に話しながら街をブラついている。仲間がたむろしているポールの家に向かうと、ビールを飲み、ドラッグをキメ、陽気にとりとめもなくセックスの話で盛り上がる。一方、ルビー(ロザリオ・ドーソン)の家では、ジェニー(クロエ・セヴィニー)たち5人の女の子が、やはりセックスの話で盛り上がっている。ジェニーは、バージンを奪ったあと、知らんぷりを決め込むテリーを許せない。経験豊富なルビーは、自分の体験談をおもしろおかしく話す。その後、ジェニーとルビーはHIV検査の結果を聞きに行く。ルビーは無防備なセックスが多いのでちょっと心配だ。テリーとのセックスしか経験のないジェニーは、彼女のお供で検査を受けただけだ。しかし、HIVポジティブの宣告を受けたのはジェニーの方だった。突然のことに、彼女はどうしたらいいか分からず、呆然と街をさまよい歩く。ジェニーは、とにかくテリーに会ってこの事実を伝えようと彼を捜し求める。途中で、タクシーの運転手が慰めてくれた。一方、そんなこととは知らず、テリーはキャスパーと一緒に公園で売人からドラッグを買い、ケンカで黒人の男を半殺しの目に遇わせる。そして、前からお目当てのバージンの女の子ダーシー(ヤキーラ・ペグエロ)を誘い、仲間たちと夜のプールに忍び込んで遊ぶ。友達の両親が留守なのを幸い、上がり込んで小さな子供たちも含めて乱交パーティ。皆が疲れて眠った頃、ようやくテリーの居場所を捜し当てたジェニーがやって来るが、彼はダーシーと事に及んでいる最中だった。それを見て何も言えなくなったジェニーは疲れて眠り込むが、起き上がったキャスパーが彼女を犯した。朝が来て、テリーのモノローグ「僕はセックスのことしか頭にない」。寝ぼけまなこのキャスパーの「マジかよ?」と言う呟きで映画は終わる。
「KIDS(1995)」の解説
セックスとドラッグ、アルコールと暴力が日常となったNYのストリート・キッズの生態を、ドキュメンタリー・タッチで赤裸々に描いた異色の青春映画。監督は『タルサ』(71)、『ティーンエイジ・ラスト』(83)の2冊の作品集で話題となった写真家ラリー・クラークで彼の初監督作品。脚本は、スケートボーダーだった高校生の時にクラークと知り合い、19歳で初のシナリオである本作を執筆したハーモニー・コリン、製作はケイリー・ウッズ。エグゼクティヴ・プロデューサーは、『タルサ』に影響された映画「ドラッグストア・カウボーイ」を監督したガス・ヴァン・サント、パトリック・パンザレッラ、マイケル・チャンバース。撮影は、「マイ・プライベート・アイダホ」などヴァン・サント組の常連エリック・アラン・エドワーズ、美術はケヴィン・トンプソン、編集はクリストファー・テレフセン。音楽はルー・バーロウとション・デイヴィスがスコアを書き、ランダル・ポスターの監修の下、フォーク・インプロージョン、ダニエル・ジョンストンなどが挿入曲を提供。主演は全員素人の少年少女ばかりで、ヒロインを演じたクロエ・セヴィニーは本作以降、人気ブランド〈ミュウミュウ〉のイメージガールも務め、ストリート・キッズのアイドルとしてその言動が注目される存在とまでなった。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 1996年7月13日 |
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キャスト |
監督:ラリー・クラーク
出演:レオ・フィッツパトリック ジャスティン・ピアース クロエ・セヴィニー ロザリオ・ドーソン Harold Hunter Yakira Peguero |
配給 | 松竹富士(松竹=アミューズ提供) |
制作国 | アメリカ(1995) |
上映時間 | 92分 |
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