夢のアンデス 作品情報

ゆめのあんです

ピノチェトは世界で初めて新自由主義に基づく経済の自由化を推し進めた。そして、芸術、文化、健康、教育すべてにおいて利益最優先の価値観を人々にもたらした。その結果、チリ社会は国民の間に激しい格差を生み、主要産業である銅の採掘は今やほとんどを多国籍企業が担っている。ピノチェト政権は国の財産を売り渡したのだ……。アンデスの原材料を使って作品を制作する彫刻家のビセンテ・ガハルドとフランシスコ・ガシトゥア。歴史や小説の作家であるホルヘ・バラディッドは、現代のチリの社会・経済構造におけるピノチェトのプロジェクトの継続について語り、音楽家のハビエラ・パラは、子供の頃に目撃した暴力を思い出す。1980年代以降、政治的抵抗や国家による暴力行為を記録するために活動してきた映像作家であり、今も街で市民のデモを撮影するアーキビストでもあるパブロ・サラスは語る。記録し、どんな時代だったのか次の世代に伝えたい。二度と過ちを繰り返さないために……。

「夢のアンデス」の解説

1973年の軍事クーデターの真実を世界に伝えた「チリの闘い」のパトリシオ・グスマンが、「光のノスタルジア」「真珠のボタン」に続き、チリの歴史的記憶と政治的トラウマを、その人為を見てきたアンデス山脈の神性との関係で描く三部作ドキュメンタリーの最終章。世界で初めて選挙によって選出されたサルバドール・アジェンデの社会主義政権を、米国CIAの支援のもと、アウグスト・ピノチェトの指揮する軍部が武力で覆した軍事クーデター。ピノチェト政権は左派をねこそぎ投獄し、3000人を超える市民が虐殺された。監督のパトリシオ・グスマンは「チリの闘い」の撮影後、政治犯として連行されるも釈放され、フィルムを守るためパリに亡命、映画を完成させた。「2度と祖国で暮らすことはない」と話すグスマンにとってアンデス山脈とは、永遠に失われた輝かしいチリ=夢の象徴である。いまなお続く、ピノチェトの遺産……新自由主義の実験の場となった母国の行く末を憂いて、時間的・空間的距離を自在に飛翔するカメラとともに、グスマンとチリの人びとは内省の旅を続ける。絶望をこえ、過去と未来を見据え、どう生きるべきか、私たちの「今」を問う力作。2019カンヌ国際映画祭最優秀ドキュメンタリー賞、インディペンデント批評家賞W受賞。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 2021年10月9日
キャスト 監督パトリシオ・グスマン
出演フランシスコ・ガシトゥア ビセンテ・ガハルド パブロ・サラス ホルヘ・バラディット
配給 アップリンク
制作国 チリ=フランス(2019)
上映時間 85分
公式サイト https://www.uplink.co.jp/andes

(C) Atacama Productions - ARTE France Cinéma - Sampek Productions - Market Chile / 2019

予告編動画

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最終更新日:2022-09-17 02:00:08

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