映画感想・レビュー 147/2520ページ

パリより愛をこめて:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2023-12-13

この「パリより愛をこめて」は、私の大好きな映画「96時間」でブレイクした、ピエール・モレル監督の作品だ。

パリを舞台にテロ組織と闘うハメになった、新米諜報員のジョナサン・リース・マイヤーズと、その相棒としてアメリカから送り込まれた、ベテラン工作員のジョン・トラヴォルタ。

この性格も能力も真逆な二人が、カーチェイス、銃撃戦、爆破しまくりの乱暴さで悪の組織を追い詰めるが----というバディ・アクションの痛快作だ。

ピエール・モレル監督らしい、早いカット割りとスピーディな展開で、悪役なら女でも容赦なくサクサクと殺していく爽快さが、映画的緊張感に満ちて、ワクワクさせられる。

飼育:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2023-12-13

この映画「飼育」は、大島渚監督の最初の独立プロ作品だ。

乗機を撃墜されて、山間の村に降りた黒人兵をめぐるこの映画は、日本の部落の天皇制に通じる支配構造と、人々の戦争責任と、その無責任さ執拗に追及している。

特に、日本映画では見たことがないほど、複雑怪奇な性格のボス(三國連太郎)を造型した点で、出色の作品になっている。

囲碁、大島渚監督の関心は、しばしば日本における権力の構造と、支配=被支配の関係の探求に向かうのだが、この作品はその原型で、ラストの少年の死線も、大島渚監督の原点のありかを示していると思う。

ゴジラ-1.0:P.N.「日本の 国土は源 敷島の」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2023-12-13

※このクチコミはネタバレを含みます。 [クリックで本文表示]

様々な制約の中、よく出来た作品です。

結末も、このようにするが、善作だったのでしょう?

活躍中の若手俳優の今後を考えれば、

様々な、利権を考慮し、三方よしの精神で、

この作品に納得できない方にも、

多少の曖昧さは、続篇も匂わせつつ、期待もありながらの、未定だけど、

海外でも、好評、期待がふくらむ『君たちはどう生きるか』より最新ながら、共に上映され、結果を出しています。

人間狩り(1962):P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★
投稿日
2023-12-13

「人間狩り」は、松尾昭典監督、星川清司原作・脚本による社会派ドラマの佳作だ。

敏腕刑事の長門裕之が、時効寸前に、今は妻子と平和な暮らしをしている大坂志郎の殺人犯を探し出し、同僚が止めるのも聞かず、逮捕しようとするが、その時、駅の時計が時効切れを告げるのだった。

長門裕之の恋人に渡辺美佐子、殺人犯の娘に中原早苗が出演して脇を固め、刑事の執念の非人間性を、単にヒューマニスティックな批判としてではなく、行為に賭ける男の魅力も容認しつつ、立体的に描いた作品だと思う。

バッド・デイ・ドライブ:P.N.「嘘をあぶり出す、人生は、正に、ドライブ。」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2023-12-13

プロットも脚本も、キャスティングも完璧なので、見応えある作品に仕上がっています。

ドライブのように、行き先がはっきりして、出演者が、違和感なく、ストーリーに溶け込んでいるので、是非、日本の映画関係者も研究して欲しい。

リーアム・ニーソンがあっての作品とも言えます、ただ、レンタル、配信でも観てもいいのですが、なぜ映画なのでしょう?

やはり、映画は、多くの人々が関わるし、配信では失なわれる様々な技術の継承が行われるからでしょう?配信は配信なコンパクトな映画に結局なってしまう。

人生は、嘘をあぶり出すドライブ。

様々な、政界、芸能界の嘘があぶり出されるように、人間の人生の嘘はやがてあぶり出される。

嘘をついて、他人を陥れても、人生が、あぶり出す。

そのような、ハラハラドキドキを映画にしたような作品。

たかを括っていると、神の雷(イカヅチ)は、幸せの最高潮の時、それは、まるで、厄年、人によっては、二度と来ない厄年。

私は、常に、人事を尽くして天命を待つ生き方で、早起きは三文の徳の言葉を生きるのみ。

蜘蛛女のキス:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2023-12-12

この映画「蜘蛛女のキス」は、1985年度のアカデミー賞とカンヌ国際映画祭で、ウィリアム・ハートが主演男優賞を受賞した作品で、監房の中で芽生えた、男同士の恋愛物語だ。

この映画の舞台は、ファシズムが支配している南米の監房。
政治犯のヴァレンティンは、現実主義者。

同室のホモセクシャルのモリーナの優しさに触れるうちに、ヴァレンティンの心に、今までにないような感情が芽生えていく。

水と油のようだった二人が、次第に打ち解け合っていく様子、そして意外なラストのどんでん返しが胸を打つ秀作だ。

ホモセクシャル役のウィリアム・ハートが、どう見ても男にしか見えない風貌なのに、物腰や口調を柔らかくし、見事に女性になりきろうとしている男性を演じて、見事の一語に尽きる。

子宮に沈める:P.N.「雪風」さんからの投稿

評価
★★★☆☆
投稿日
2023-12-12

大阪であった悲惨な事件がモデル。子役さんが凄すぎて観ていて辛さが増します。ただ固定カメラの撮り方は私には合いませんでした。最後母親は後悔している描写ですが、実際は帰宅して遺体を見ても、そのまま男と遊びに行ってホテルで逮捕されたらしい。現在懲役30年で服役中。子供たちが不憫でなりません。

座頭市血煙り街道:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2023-12-12

旅の途中で偶然出会った子供の父親を、市が探してやっていると、ご禁制の浮世絵皿を描かされている、絵皿職人が浮かび上がる。

それまでに何度か顔を合わせていた、謎の浪人風の侍が、実は公儀隠密だった。
事件の関係者は全て斬ると、子供の父親に斬りかかり、遂に市との一騎打ちに---------。

戦前の剣戟スターから東映の「柳生武芸帖」シリーズを経て、TVシリーズの「素浪人 月影兵庫」でお茶の間の人気俳優になっていた近衛十四郎(松方弘樹のお父さん)が、公儀隠密の侍役で出演していて、日本の映画界で若山富三郎と並ぶ、殺陣の名人が、この映画でも迫力のある殺陣を披露していて、通常よりも長く見える刀を豪快に振り回し、市の仕込み杖と激突する。

ほとんどアドリブだったという、勝新太郎と近衛十四郎の二人の殺陣は、凄まじい迫力で、本物の時代劇の殺陣の素晴らしさを堪能できましたね。

加えて、最後の決闘の場面を盛り上げる雪、雪、雪の素晴らしさ。
最近のちゃちなCGでは表現できない、見事な質感は、まさに大映映画の美術の真骨頂だ。

シンシナティキッド:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★
投稿日
2023-12-12

この映画「シンシナティ・キッド」は、興奮と緊張に貫かれた、冷たく孤独なギャンブルの世界を、「夜の大捜査線」「華麗なる賭け」のノーマン・ジュイソン監督が、鋭いタッチで描いた作品だ。

いささか自信過剰の気味の若いポーカーの勝負師と、ベテラン勝負師が、精魂傾けての一世一代の大勝負をクライマックスにした、一瞬にして金も女もふっ飛ぶ、非情な世界が魅力的に描かれている。

ノーマン・ジュイソン監督が、スティーヴ・マックィーン、エドワード・G・ロビンソンのリアルな演技に焦点を合わせて、迫力のある作品にまとめていると思う。

フル・ハウスのスティーヴ・マックィーン扮するシンシナティ・キッドが、勝利を確信した時、エドワド・G・ロビンソン扮する老勝負師ランシーのストレート・フラッシュが、それを打ち砕くラストが印象的だ。

市子:P.N.「ロマンチックエロ爺」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2023-12-12

杉咲花、地獄めぐり映画です!市子に関わると人生狂います~下手すると死にます!最初、市子に同情してますが~危ない~危ない~市子の悲しさ~辛さ~哀れさに深く関われば関わるほど飲み込まれてしまいますよ!こんな恐ろしさまで表現した杉咲花、恐るべし!

戦場のピアニスト:P.N.「ショパンに、ノクターン?」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2023-12-12

今まで聴いたショパンのノクターン、遺作で、いちばん、柔らかく包み込む調べ。

人間は、振動体、

その生きざまは、人生に表現される。

主人公が、そのように生きたとしたら、俄然、神に生かされる存在として、うなずける。

沈黙と感謝の精神は、生きる上で、最強の武器だ。

多くの人々は、沈黙を貫けない、一見、物静かな人間も、悶々と独り言を呟き、はたまた、頭でお喋り。

とっても、辛い、ストーリーですが、頭と終盤に、ノクターンが、印象的に使われています。

その変化を楽しめると思います。

最新技術で、鮮やかによみがえる作品です。

羅生門(1950):P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2023-12-12

黒澤明監督の「羅生門」は、1951年度ヴェネチア映画祭金獅子賞、アカデミー賞特別賞を受賞した作品で、世界中に黒澤明監督の名を知らしめた映画詩に残る傑作だ。

この作品の素晴らしさは、人間の本質がどこにあるのかという、人間存在そのものに対する根本的な疑問を、観る者に強く訴える力を持っている点だと思う。

また、単に疑問をなげかけるだけではなくて、例えば、捨てられた赤ん坊を育てていくというヒューマニズムも織り混ぜられ、それがこの作品の救いになっていると思う。

奔放なカメラワークで、映像の魔術師と絶賛された、宮川一夫のモノクロの撮影も素晴らしく、とりわけ世界的に有名な森の中を走る場面は出色の出来だと思う。

誰が為に鐘は鳴る(1943):P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★
投稿日
2023-12-12

この映画「誰が為に鐘は鳴る」は、ヘミングウェイ原作の映画化作品で、ゲーリー・クーパー、イングリッド・バーグマン競演のスペイン内乱の戦時下の大メロドラマの傑作だ。

スペイン内乱時に、フランコ反乱軍に対して、人民戦線軍に身を投じた、アメリカ人のロバート(ゲーリー・クーパー)は、ゲリラ活動を行なうジプシーの一団と行動を共にする。

そこにいた娘マリア(イングリッド・バーグマン)は、ロバートに恋するが、彼には苛酷な戦いが待っていた。

極限状態の中の男女の愛を、壮絶な戦闘と絡めて描いていて、かなり大甘のメロドラマになっているが、ゲーリー・クーパー、イングリッド・バーグマンの絶頂期の作品だけあって、これぞハリウッド映画と呼びたい。

髪を短くして撮影に入ったバーグマンは、まさに体当たりの熱演で、クーパーとのラブ・シーンでの「キスの仕方を知らないの。鼻と鼻が邪魔するわ」というあの甘いセリフは、強烈なエロチシズムを感じさせ、「カサブランカ」と並んで、最高に綺麗なバーグマンを見ることができる。

1900年:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2023-12-11

ベルナルド・ベルトリッチ監督の「1900年」は、ロバート・デ・ニーロとジェラール・ドパルデューが存在感のある演技を競い合った、壮大なる映像詩とも言える作品だ。

1900年の同じ日に、大農園で二人の男児が誕生した。
ひとりは、地主の孫アルフレード、もうひとりは、小作人の孫オルモ。
二人は激動の時代を、互いに意識し合いながら成長していく。

2部構成によるベルトリッチ監督の壮大なる叙事詩でもあり、豪華な配役により、世代の移り変わりを描いたメロドラマにもなっている。
そこに、ファシズムの狂気が割り込んでくる。

人々の愛と憎しみ、農民のデモやファシストによる虐殺という、歴史的な事件までが、ゆったりとした時の流れの中で、何気ない出来事のように描かれている。

ライアンの娘:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2023-12-11

この映画「ライアンの娘」は、20世紀初頭の反英運動下のアイルランドの寒村を舞台にした、巨匠デビッド・リーン監督の壮大な愛の叙事詩だ。

教師と結婚した居酒屋の娘が、英軍の指揮官と恋に落ち、スパイ容疑をかけられる。

人妻の不倫愛を軸に、大自然と人間の共存を、デビッド・リーン監督独特の重量感とスケールで描いた佳作だ。

崖を舞うパラソル、冬の荒海、官能的な森といった、各々のシーンの絵画的な美しさ。

貧困と偏見が蔓延する村への不満を、結婚で解消できず、不倫へ溺れていく人妻の心の揺れを、サラ・マイルズが繊細に演じているのが印象に残ります。

また、ヒロインに付き従う小男の純粋無垢な愛も忘れられない。

鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎:P.N.「たつさん」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2023-12-11

昭和時代のタバコ描写の多さ、結構今見るとびっくりしますね。
ゲゲ郎の語り口調やアクションが非常によかったです。
水木とのバディ感もかなりよかったです。

あと、糸目のCV石田彰キャラは明らかになんかあるぞ…と思わせてくれました。

救いのない鬱展開や流血描写は、
確かに小学生以下はちょっときついかも。

時弥くんが本当にCV小林由美子さんの演技で泣いてしまいました。

龍賀家全体的になんて家だ…って最初は思いますが
見終わった後、しばらくたつと
いや、こうなってしまったのには理由が…とか
描かれていない背景を考察するのも楽しいのかもしれません。

ラスト付近は 自分を含め 両隣も涙。
上映終了後も泣いてるような方がちらほら…でした。

最終更新日:2024-11-02 16:00:01

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