西鶴一代女 感想・レビュー 4件

さいかくいちだいおんな

総合評価5点、「西鶴一代女」を見た方の感想・レビュー情報です。投稿はこちらから受け付けております。

P.N.「pinewood」さんからの投稿

評価
なし
投稿日
2021-07-16

さらにピエロ・パウロ・パゾリーニ監督のアンナ・マニヤーニ主演の映画〈マンマ・ローマ〉での撮影の名手トニーノ・デリ・コリの長廻しの夜の街頭シーンもまた,溝口健二監督の代表作の本篇撮影の平野好美の有名なショットを想い出させるんだ

P.N.「グスタフ」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2019-10-23

日本映画を代表する小津安二郎の名作「東京物語」に並ぶ溝口健二の代表作が、公開当時絶賛されなかったのが私には理解できない。晩年の名作群が映画発祥の地フランスで高く評価されてから、漸く後年日本でも正当に扱われるようになった。この「西鶴一代女」は、「祇園の姉妹」「雨月物語」「近松物語」と合わせて私的なベスト4と位置付けている。
ひとりの女性お春が体験する人生流転の逸話を歴史絵巻のように織り込んだ重厚な脚本が素晴らしい。様々な男たちに翻弄され、境遇に打ちのめされても生きるお春には、男と女の凝縮された形や姿が象徴的に描かれている。その男たちを羅漢堂に並ぶ仏像に比喩して懐かしむ女の凄さ。江戸松平家のお部屋様から夜鷹までを全身全霊で演じる田中絹代の名演。そして冷徹に突き放し描く溝口健二のリアリズム演出が、すべてをまとめ上げる。女性崇拝の普遍性に到達した溝口健二の力的傑作。

P.N.「pinewood」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2018-06-11

映画「ヒッチコック/トリュフォー」にはサイレント映画期の映像に語らせる手法で惹き付けるシーンとして例えば女性の髪型への拘りの件が在った…。キム・ノバク演じた亡き妻への面影を美術館の肖像画の巻毛に重ねて描くヒッチコック監督。本編で田中絹代が廃寺御堂に並ぶ仏像の顔に好いた男の面影を見出だすシーンも映像の力で押して行く溝口健二監督の無声映画術だったと思う。トーキー以前の同時代の撮影経験が為せる技、此れは小津安二郎監督作品にもまま見られる様なモンタージュ手法だ。本編の深い奥行きの構図と田中演じる夜鷹が此方に向かって只管に前進して来る移動撮影シーンは鬼気迫るものが有った!トリュフォー監督作品「アデルの恋の物語」のワンシーンも恐らく本作を踏襲したもの何だろう🎥🎬🎞️

P.N.「pinewood」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2017-11-02

イサベル・アジャーニ主演のフランス映画〈ブロンデ姉妹〉を観ていたらアジャーニが注目されたフランソワ・トリュフォー監督〈アデルの恋の物語〉を是非又、見たく為った。一途なアデル・ユゴー嬢の姿は、恐らく本編の田中絹代の長回し、其の有名なラストシーンの記憶に基づくもの何だろう🎵迫真のリアリズムがヌーベルバーグの作家達に与えた影響は計り知れない。

最終更新日:2024-02-24 02:00:07

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