南十字星の下 作品情報

みなみじゅうじせいのした

十一歳のイタリア少年マルコ(マルコ・パオレッティ)は、ジェノヴァから南米ブェノス・アイレスにいる母(エレオノーラ・ロッシ・ドラゴ)を探しに、父(ファウスト・トッツィ)に無断で移民船にもぐりこんだ。母はおじいさんの看病に出かけたまま、二年間も消息を絶っていた。マルコは船の事務員にみつかった。が、親切な二人の移民が助けてくれて、無事ブェノス・アイレスに上陸できた。しかし、母はいなかった。おじいさんの屋敷はすでに人手に渡っていた。マルコはあまりのことに気を失った。意識をとりもどした時、彼は慈善病院で寝ていた。そこで一人の看護婦から、母の消息を知った。母は帰国の途中、港で暴漢に襲われ、そのショックで過去の記憶を喪失してしまった。彼女は鉄道技師のメキネス家へ女中奉公に入り、三〇〇キロ北西のロサーリオにいた。マルコは病院を抜け出した。ボロ蒸気船に乗ったマルコはパラナー河をさかのぼった。船長は親切な老イタリア人にマルコを紹介してくれた。老人は世界一大きなイグアス瀑布のそばを通り、マルコにこの瀑布の伝説を聞かせた。二人はようやくロサーリオに着いた。メキネス氏は二千キロ離れたティルカーラに転勤して、母はいなかった。マルコに同情したイタリア移民の人々は、幌馬車隊の隊長に紹介してくれた。マルコは炊事の手伝いをしながら、パンパス大草原を横切って、アンデス山脈の麓にたどりつき、そこで一行と別れた。マルコは一人で山を登った。道は嶮しかった。途中、インディアンのフェリックス少年と友達になった。彼の案内でマルコはティルカーラの町に着いた。折から町は祭の最中だった。フェリックスに別れたマルコは、人混みをかきわけて、メキネス家にかけつけた。母は裏庭で洗濯物を干していた。彼女は自分を母という少年をみて、マルコとは気がつかなかった。そのショックで彼女は気を失った。何時間の後、正気に戻った。彼女は、マルコをひしと抱き寄せた。父の待つイタリアに帰る母子は、メキネス家の人々に見送られて、喜び勇んで汽車に乗った。

「南十字星の下」の解説

「青い大陸」「最後の楽園」のイタリア記録映画作家フォルコ・クイリチ監督が作った、記録映画的タッチをとりいれた劇映画。エドモンド・デ・アミーチスの著名な小説「クオレ」の中から、日本では「母を尋ねて三千里」の訳名で知られている挿話が原作としてとりあげられている。脚色はクイリチとジュゼッペ・マンジョーネの共同。撮影を担当したのはティノ・サントーニとアルゼンチン映画界のゴンサレス・パス。音楽はフランチェスコ・デ・マージ。出演するのは少年俳優マルコ・パオレッティ、「埋れた青春」のエレオノーラ・ロッシ・ドラゴ、「明日なき愛情」のファウスト・トッツィ等。製作はシルヴィア・ダミーコ。テクニカラー・ウルトラスコープ。

公開日・キャスト、その他基本情報

キャスト 監督フォルコ・クイリチ
原作エドモンド・デ・アミーチス
出演マルコ・パオレッティ エレオノーラ・ロッシ・ドラゴ ファウスト・トッツィ Giacinto Herrera グリエルモ・バッタリア サンティアゴ・ゴメス
配給 イタリフィルム
制作国 イタリア(1959)

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最終更新日:2022-07-26 11:03:58

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