P.N.「グスタフ」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2019-09-20
偉人ヘレン・ケラーが初めて一つの言葉を知る、たったこれだけのお話なのに、人間の可能性には限界がないことを知り感動する。アメリカ映画の強みには、ヨーロッパ文化から受け継いだ演劇の伝統に根差した作品と人の厚みがあり、それはサイレントからトーキーに変革した時、ハリウッドがブロードウェイから多くの人材を採用したことに始まります。ウイリアム・ギブスンが自作の戯曲を脚色しアーサー・ペンが演出した本作は、舞台の映画化ではアメリカ映画を代表する名作になりました。アン・バンクロフトとパティ・デュークの名演は永遠に語り継がれるでしょう。
登場人物で見逃せないのがヘレンの兄の存在です。両親の庇護と対決するサリバンの苦闘を一人客観的に見守る役割です。彼の立場で観るとより主題を理解でき、また神の視点にも想える深さがあります。