悪魔の手毬唄(1961) 作品情報

あくまのてまりうた

流行歌手の和泉須麿子が鬼首町鬼塚村へ帰郷の途上、惨殺された。死体の傍のトランジスター・ラジオからは、須麿子の新曲「鬼首村手毬唄」の旋律が流れていた。鬼首町警察に捜査本部が置かれ、主任の磯川警部が捜査に乗り出した。名探偵金田一耕助も駆けつけ温泉宿亀の湯の“楓の間”に泊った。須麿子を失った仁礼家は鬼塚一の富豪だが、当主の剛造、妻宮子、長男源一郎、次女里子がいる。剛造は「手毬唄」を聴くとなぜか脅えた。そんな折、辰蔵という男が十八年ぶりに、剛造の前に姿を現わした。金田一は亀の湯の“杉の間”にいる学生遠藤和雄が仁礼里子の学友であることを知った。湯治客の放庵は「手毬唄」を口ずさみ、石山の部屋からは夜な夜な謡曲が聞える。仁礼源一郎と里子は、須麿子の死が半年前に剛造に届いた脅迫状に起因しているらしいというが、剛造は取り合わない。だがその直後、銃声一発、源一郎が殺された。金田一は源一郎の死を“自殺を装う毒殺”とにらんだ。帰途、村の暗い過去を知っているのは放庵だと、お告げ婆が金田一の耳に囁くのだった。里子の身を護る和雄を助手として、金田一は事件に挑戦を試みた。なぜ「手毬唄」に剛造がおののくのであろう。金田一は放庵に会うが、この老人は昨日から姿を消した辰蔵の身を案じていた。辰蔵は荒れ果てたブドウ工場で、金田一から源一郎の死を告げられ、驚愕した。半年前、剛造が受け取った脅迫状とは、仁礼家の全財産を社会奉仕に投げ出して無一文になれ、という内容である。発信人は不明だが、青池家の誰かにちがいない。--二十年前、剛造は村一番の豪家青池の土地、財産のすべてをだまし取ったが、青池の妻と三人の子供は服毒自殺をとげた--。金田一は、青池の自殺した毒薬と同じもので源一郎が殺されている事実から、青池の恐ろしい執念を感じた。

「悪魔の手毬唄(1961)」の解説

宝石連載の横溝正史の同名小説を「暴れん坊一代」の結束信二と、「ひばり民謡の旅 べらんめえ芸者佐渡へ行く」の渡辺邦男が共同で脚色。「ひばり民謡の旅 べらんめえ芸者佐渡へ行く」の渡辺邦男が監督したミステリーもの。撮影もコンビの渡辺孝。

公開日・キャスト、その他基本情報

キャスト 監督渡辺邦男
原作横溝正史
出演高倉健 北原しげみ 小野透 永田靖 大村文武 志村妙子 不忍郷子 八代万智子 山本麟一 石黒達也 中村是好 花澤徳衛 五月藤江 神田隆 関山耕司 北山達也 山口勇 増田順司 河合絃司 沢彰謙 大野広高 小林裕子 木村梢 岡部正純 高須準之助 菅原壮男 仲塚光哉 赤尾静子 都健二 大東良 岡野耕作 北峰有二 山田甲一 日尾孝司 山之内修 堀口由紀子
配給 東映
制作国 日本(1961)
上映時間 83分

ユーザーレビュー

総合評価:5点★★★★★、1件の投稿があります。

P.N.「pinewood」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2020-11-24

フイルム・ノワールの如くサングラス姿の金田一耕介を演じる高倉健が

最終更新日:2022-07-26 11:03:52

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