映画感想・レビュー 4/2487ページ

ジャイアンツ:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
なし
投稿日
2024-07-22

ドラマティックなシークエンスが多い「ジャイアンツ」ですが、そこには必ずジミー演じるジェット・リンクがいる。テキサス一の牧場主、ベネディクト家から冷遇される彼は、エリザベス・テイラー扮する若妻レズリーに、恋慕の情を抱き続け、逆転のチャンスを待っている。

そして、油脈を掘り当て、ロック・ハドソンを殴りつけるジミーほど、心に焼き付いたキャラクターはいない。「理由なき反抗」「エデンの東」のジミーもいい、だが私にとってのジェームズ・ディーンは、このジェット・リンク以外にない。

それというのも、ただ成り上がってしまうだけではなく、結局はレズリーに思いを告げる事が出来ない、敗北者として惨めったらしい醜態まで晒してしまうからだ。大金でもステータスでも、決して埋める事が出来ない、"巨大な孤独感"を死ぬまで抱き続けるこの男の姿が、他の数々のスクリーン・ヒーローを蹴落とし、常に理想の存在として私の心の中に存在するのです。

そんな人物を登場させてくれただけでも、この作品は忘れがたい作品となっているのです。

ジャイアンツ:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-07-22

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このジョージ・スティーヴンス監督の名作「ジャイアンツ」は、エリザベス・テイラー扮する主人公の女性レズリーの広大な西部のテキサスでの生活や、牧場主であるロック・ハドソン扮する夫のビックとジェームズ・ディーン扮するジェット・リンクとの確執の狭間に立つレズリーの姿を通して、時代の大きな流れの中で揺れ動く、20世紀初頭のアメリカ西部をダイナミックに描いた一大叙事詩ともいうべき作品だ。

東部の名家に育ったレズリーは、長身のテキサス男のビックと結婚し、大牧場へと嫁いでいく。ラズというビックの姉が仕切るベネディクト家は、旧態依然とした昔ながらの大地主だ。

進歩的なレズリーは、使用人のメキシコ人の扱いなどで夫のビックと度々衝突する。やがて、牧童頭のジェットが地道に発掘調査を行っていた土地から、石油が吹き出し、彼はたちまち大富豪に------。

轟音とともに石油が吹き出す。空を仰ぎ、全身でそれを浴びるジェームズ・ディーン------。ロック・ハドソンの大地主に代わって、蔑まれ続けた弱者が勝者になる瞬間が、まさにこのシーンだ。

暗くなるまで待って:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
なし
投稿日
2024-07-22

リアリティという意味で言えば、ギャング三人が盲目の女性一人を相手に、あそこまで手の込んだ芝居を打つだろうかとか、スージーがああまで懸命に人形を守る理由がないなど、突っ込みどころはあるが、これはリアルな犯罪映画というより、パズラーに近い人工的なエンターテインメントなんですね。

緻密な設定と伏線が、ジグソーパズルのように噛み合って、サスペンスを醸成する、知的遊戯なのだ。
そういう意味において、これは精緻な脚本と演出によって、職人的に作りこまれた、見事に知的なサスペンス映画の傑作であると思う。

暗くなるまで待って:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
なし
投稿日
2024-07-22

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そして、有名なあのラスト。絶対絶命を悟ったスージーは、無我夢中でアパート中の電灯を壊して回る。
暗闇が、彼女を守る最後の砦となるのだ。

アメリカでこの映画が上映された時、このシーンでは、映画館中の電灯が消え、実際に客席が真っ暗闇になったそうだ。
心憎い趣向である。そういう状態でこの映画を観たら迫力は倍増だろう。

冷酷な殺し屋ロートが、盲目のスージーを容赦なく襲うクライマックスに盛り込まれた、サスペンスを盛り上げるためのアイディアの量は、半端ないものがある。

マッチとガソリン、ステッキ、そして冷蔵庫。あらゆる小道具大道具が、驚くべき展開を担う。
そして、追い詰められるスージーの絶望の演技と、名優アラン・アーキン演じるロートのサディスティックな凄み。

今観るとそこまで強烈なことは何もしていないにもかかわらず、もの凄く、非常に残虐でサディスティックな印象を醸し出す。

もちろん、それは華奢なヘプバーンの恐怖に打ち震える演技の見事さにもよるものだが、それまでの伏線がガッチリ効いているからでもある。

暗くなるまで待って:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-07-22

テレンス・ヤング監督の「暗くなるまで待って」を久しぶりに観たら、かつて観た時より面白かった。
もともと芝居だった作品で、舞台がほぼアパートの中だけに限定され、緻密な脚本の妙と役者の演技で魅せる渋いサスペンスものだ。

ハリウッド製の派手なスリラーに比べると地味に思えるかも知れないが、精密に計算し尽くされた脚本は、お見事の一言。
だんだんと緊張感が高まっていき、最後には息をつかせぬ迫力で我々観る者を釘付けにする。
CGもエロもグロも血みどろもなし。これこそ美しき職人技だ。

主人公のスージーは盲目で、彼女の夫が麻薬入りの人形をたまたま預かってしまうことから、ギャングたちの抗争に巻き込まれてしまう。
要するに、彼女のアパート内に貴重な麻薬入りの人形があり、それを手に入れたいギャングたちが、あの手この手でスージーを騙す、という話である。

スージーを演じるのはオードリー・ヘプバーン、彼女を騙そうとするこわもてのギャングたちは三人。
スージーの夫は、最初と最後に出てくるだけで、彼女の力にはなれない。
彼女のヘルパーになるのは、小さな女の子一人だけだ。

狼よさらば:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
なし
投稿日
2024-07-22

ブロンソンも死刑執行人、マックィーンも死刑執行人であり、共に犯罪者。
だが、ヴェトナムで大量殺戮を企画したお偉方よりは、遥かに罪は軽い。

彼らは時代の申し子なのだから、新しい人生を持って当然ではないか、といった"暗黙の了解"が、これらの映画を支えたのだと私には思えるのだ。

そして、映画というものは、時代を写す鏡であり、時代を無意識のうちに呼吸して生きているのだということを、この映画は証明しているように思う。

狼よさらば:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
なし
投稿日
2024-07-22

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また、この映画で見逃してはいけない、もう一つのテーマは、"殺人者にも第二の人生がある"という、寛大さの容認ではないかと思う。

例えば、サム・ペキンパー監督、スティーヴ・マックィーン主演の映画「ゲッタウェイ」で、更生しようと思っている元銀行強盗のマックィーンが、なぜか釈放になる。

悪徳政治家が仕組んだ工作で、実は銀行強盗をマックィーンにやらせて殺害し、全て自分のものにしようというのだが、途中でこれを知ったマックィーンが、愛人と共にギャングをなぎ倒し、パトカーも蹴散らし、悠々とメキシコへ逃げ込むというものだ。

舞台はテキサスで、テキサスの小さな町ならこんなことも起ころうと設定されたあたり、テキサス州民なら面白くないだろうが、これが単なるギャング映画とは思えなかったところが、"時代の産物"たる所以なのかも知れない。

これは、徹底した権力無視の映画であり、それほど持ち上げて評価するのはどうかとも思うが、大ヒットした裏には、この「狼よさらば」と共通したテーマがあったからではないかと思う。

狼よさらば:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
なし
投稿日
2024-07-22

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こうして、法によって守られ保証されたブロンソンは、晴れ晴れとした表情でシカゴの街へと去っていく--------。

この映画が製作された1970年代の前半は、ヴェトナム戦争の終末期であり、その戦後処理の過程にある時期でもあった。
ウォーターゲート事件を頂点に、上は大統領から、あらゆるものの権威が失墜し、精神的にも生活的にも混乱の最中にあったのだ。

この映画の邦題である「狼よさらば」というのは、当時のブロンソン主演の話題作の「狼の挽歌」と「さらば友よ」を安易に合成したもので、原題は「デス・ウィッシュ」、つまり"死の願望とか殺人願望"という意味で、この映画のテーマは、アメリカ人好みの"西部開拓期の自衛精神"を攻撃的に塗り替えたものとして、アメリカで好評だったのだろうと思う。

現に、このドラマの主人公は、アリゾナへ出張した時、この精神を拳銃と共に仕入れてくるのだ。
愛する妻と娘の復讐をする父親とは、まるでジョン・ウェインの西部劇を観ているような設定だ。

狼よさらば:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
なし
投稿日
2024-07-22

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当時のニューヨークという街は、かつては"人種のるつぼ"であったが、近代化の波が押し寄せ、都市の中間層がすっぽりと抜け、大ビルとスラムに変貌し、同時に都市として破産状態に陥っていたのだ。

警察による街の治安の不徹底という要因もあったのではないかと思う。
肝心のその警察も、シドニー・ルメット監督、アル・パチーノ主演の映画「セルピコ」で描かれていたように、汚職と腐敗にまみれていたのだろう。

しかし、低賃金で危険にさらされる現場の警官はやり切れたものではない。
もちろん、市民の不信、非協力も相関関係をなしていたのかも知れない。
そして、拳銃の入手の容易さは言うまでもない。

この映画の中で、市民はチンピラ掃除をする死刑執行人のブロンソンを支持している。
いわゆる、目には目をということだ。
警察のメンツ丸つぶれの警部は、闇から闇へ事件を葬ろうと、市街への退去を提案する。

狼よさらば:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
なし
投稿日
2024-07-22

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「都会人は銃を毒ヘビのように恐れているがバカげている。ここでは単なる道具で、誰もが持っているから平和なのだ」と。

そして、復讐心を駆り立てられたブロンソンは、銃を手に入れ、都会に帰ってチンピラ掃除を始めるのだ。
それも、妻や娘を苦しめた直接の犯人を探すのではなく、一人、二人、三人と手当たり次第に、彼が認めた"悪"を抹殺していくのだ。

世論はこの無名の粛清者を支持し、警察も黙認する。
そして、最後にはブロンソンと身許がバレるのだが、警部は「この街を出て行くなら、今まで使用した銃は川へ捨てよう」と提案し、ブロンソンはシカゴへ去るというストーリーだ。

考えてみると、この映画には様々な問題が内包されていると思う。
まず、ストリート・クライムと言われるひったくり、窃盗から強盗、殺人までの暴力が、日常的にはびこっている、この映画で描かれた1970年代の荒廃し切ったニューヨークという街の生々しい実態がある。

狼よさらば:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★
投稿日
2024-07-22

チャールズ・ブロンソンという俳優は、アメリカ時代は脇役専門の俳優で、割りと地味な存在だったが、フランスへと渡り、アラン・ドロンと共演した「さらば友よ」や、名匠ルネ・クレマン監督と組んだ「雨の訪問者」で一躍有名になり、先にヨーロッパと日本で人気が爆発し、その後、1970年代の初めにハリウッド映画に返り咲き、次々とヒット作を飛ばし、百万ドルスターになっていったのだ。

しかし、拳銃をぶっ放して復讐するマフィア等を演じているうちは、単なるフラストレーション解消用の代償作業としての暴力派スターだったが、マイケル・ウィナー監督と組んで主演したこの「狼よさらば」で、ニューヨークに住む一市民、一父親が、街のダニに復讐する役を演じて、初めてアメリカ人の琴線に触れることになるのだ。

三人組のチンピラが家に押し入り、妻を殺し、娘を暴行する。
娘はそのため気が狂ってしまう。
残されたブロンソンは、設計技師という設定で、それまで良心的な反戦論者だったが、仕事先のアリゾナへ行った時、西部の人間から銃の魅力をたきつけられるのである。

バベル:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
なし
投稿日
2024-07-22

それにエピソードとしても、この日本編だけ浮いている。
聾啞の少女の孤独の描写は良かったが、脚本段階で思い切って削除してしまう勇気も欲しかったところだ。

この映画には、構成や物語の作り方において、いろいろと問題点はあると思う。
しかし、愛のすれちがいを丁寧に描いており、感動的な余韻を残していると思う。
人によって好き嫌いは分かれそうな気がするが、個人的には大好きな作品だ。

バベル:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★
投稿日
2024-07-22

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この映画は、バベルの塔の建設がきっかけで世界の言語が分かれ、互いの意思疎通ができなくなったという、聖書の逸話をメタファーとして掲げた作品だ。

メタファーからわかることだが、この映画を一言で語るならば、愛のすれ違いを描いた作品と言えるだろう。
映画の中で悪いことなどしていない、愚かなことをしただけだ、といったニュアンスのセリフをメキシコ人の家政婦が口にしているが、そのセリフが映画全体を象徴しているように思う。

その愚かしい、言うなれば、強情な意地から、夫婦や親子や兄弟の愛のすれ違いが生まれているという印象を受けたからだ。

さすがにアカデミー賞にノミネートされるだけあり、菊池凛子演じるチエコの孤独が丹念に伝わってくるのが印象深い。
だが個人的にはテーマの描き込みが言葉足らずという印象があり、ラストの親子で抱き合うシーンもさして心には響いて来なかった。

神弓 KAMIYUMI:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
なし
投稿日
2024-07-22

特に後半は、キム・ハンミン監督の畳み掛けるような演出で一気に見せるのですが、クライマックスはもちろん「神弓」対「長弓」の戦い。

ちょうど西部劇の拳銃が、弓に取って代わったようなもので、これでもか、これでもかと双方が死力を尽くすんですね。
そして、その迫力たるや、まるで弓が画面の中から観ている私の方へ飛んでくるような錯覚に陥り、思わず首をすくめることもしばしば。

これは、やはり今はやりのCGに頼らず、高速度カメラで矢の軌跡を再現する、高度な技術力の勝利と言っていいだろう。
そして、それは巧みな編集技術と、クロースアップの多用のおかげでもあるのですが、黒澤明ばりのアクションシーンは、十分堪能できましたね。

神弓 KAMIYUMI:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-07-22

この韓国映画「神弓-KAMIYUMI-」は、アクションに次ぐアクションで息つく暇もないほどの迫力の、"弓"対決が堪能できる傑作だ。

鉄砲が登場する前は、刀や槍が主要な武器だったはずだが、この映画では何と弓矢が主役の座に踊り出た。

この作品は、韓国映画の大ヒット作で、主演のパク・ヘイルがその年の韓国国内の映画賞において、主演男優賞を総なめにしたことでも話題になりましたね。

1636年に実際に起きた清と李氏朝鮮との戦い「丙氏の乱」に材を取り、結果的に清軍は、多数の朝鮮人を捕虜として連行したというが、この映画では李氏朝鮮の「神弓」の名手(パク・ヘイル)と清の「長弓」の名手(リュ・スンリョン)が、正面から対決する。

それでも最後は「神弓」の勝利に終わることから、韓国人のナショナリズムを相当、刺激したに違いありません。
韓国で2011年度の興行成績ナンバーワンを記録したのも頷けます。

とにかく、この映画は冒頭からアクションに次ぐアクションの連続で、のんびり構えている暇はないのです。

水は海に向かって流れる:P.N.「雪風」さんからの投稿

評価
★★★☆☆
投稿日
2024-07-22

ダラダラした展開でテンポが悪い。個性的な役者の脇役が生かされてなく、もったいない。広瀬すずさんはさすがに存在感があったけど、相手役がちょっと残念やった。もう少し編集で削除して100分位にしたら引き締まったかも。當真あみさんが可愛くてキラキラしてました。

第十七捕虜収容所:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
なし
投稿日
2024-07-22

この映画は、実体験に基づいて書かれた戯曲の映画化作品ですが、収容所経験のない者には、信じられないようなことが多いんですね。

それを、ビリー・ワイルダー監督のまさに名人芸ともいえる演出と、ウィリアム・ホールデンの巧みな演技が、見事にカバーして見せてくれる。

「帰らざる河」や「栄光への脱出」のオットー・プレミンジャー監督が、収容所長役で登場して、なかなかの役者ぶりを披露してくれるあたりも楽しいし、とにかく、ウェルメイドな作品だと思いますね。

第十七捕虜収容所:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
なし
投稿日
2024-07-22

大きなカバンには、収容所にありそうもないものが、いっぱい詰まっており、煙草などで闇商売をやっているんですね。

"そんなバカな----"といったようなことが、そう思わせずに説得力を持って描かれているあたりは、さすがビリー・ワイルダー監督の職人芸だと思いますね。

この"収容所貴族"とでも言うべき男が、脱走者が捕らえられ、銃殺されてスパイがいるとの噂が流れ、疑われ出したところから、映画はちょっと趣を変えて、犯人探しから、それに続く脱走劇へとスリルとサスペンスに満ちたものになっていく。

ノンシャランとしていた男が、リンチされそうになるという状況はあるにしても、スパイ探しをはじめ、果ては窮地に立たされたダンバー中尉を救うため、収容所脱走という大勝負に出るというのは、あまりにも突然の変貌ゆえに、これまた"そんなバカな----"となるところなのだが、これはウィリアム・ホールデンの絶妙の演技によって納得させられてしまうんですね。

第十七捕虜収容所:P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-07-22

このビリー・ワイルダー監督の映画「第十七捕虜収容所」は、第二次世界大戦末期のドイツ、アメリカ空軍の捕虜が集められた第十七捕虜収容所という、閉鎖的状況での人間の葛藤と、脱走に成功するまでの苦悩を描いた、収容所もののはしりとなった作品で、主演のウィリアム・ホールデンがアカデミー主演男優賞を受賞しましたね。

この"収容所もの"というと、何か暗くて重いというイメージがあるものです。
だが、この映画は暗さはありますが、決して重くはない。

ストーリーは、スリリングに展開するし、男ばかりの生活という特殊な環境の中にあって、登場人物たちは、かなり誇張して描かれており、時にそれは道化的にもなって滑稽ですらあるんですね。

数多い登場人物の中で最も面白いのが、セフトン軍曹(ウィリアム・ホールデン)という男。
この男はなかなか抜け目がなくて、収容所生活をできるだけ楽しくしようと、人造酒を作ったり、望遠鏡を作ったりしている。
その望遠鏡で女兵士のシラミ取り入浴をのぞき見るシーンは、爆笑ものだ。

最終更新日:2024-07-26 16:00:01

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