獄(ひとや)に咲く花 作品情報

ひとやにさくはな

黒船が来航し、時代が大きく変わろうとしていた江戸時代末期、安政元年。長州、萩にある“野山獄”は、生きて出られる者は少ない牢獄として知られていた。唯一の女囚である高須久(近衛はな)は、新しく送られてきた1人の男と出会う。国外密航を企てた罪で投獄されたその男の名は吉田寅次郎(前田倫良)、後の吉田松陰であった。やってきたその日から、周囲の獄囚たちと関わろうとする寅次郎。当初はそれを疎んじていた他の獄囚たちも、常に前向きな寅次郎の姿に次第に影響を受けてゆく。和歌の上手な吉村善作(神山繁)を先生に歌会を開き、富永弥兵衛(池内万作)から書道を教わるなど、分け隔てのない寅次郎の行動により、獄舎の雰囲気も明るくなってゆく。そんな彼に惹かれていく久。ある晩、久は寅次郎に投獄された理由を打ち明ける。彼女の罪名は姦通罪。夫を亡くした寂しさを紛らわせようと、屋敷で旅芸人に音楽を演奏させたことを身内から咎められ、姦通罪として投獄されたのだった。事実ではないものの、罪名が真実を覆い隠し、彼女の言葉に耳を傾けるものはなかった。だが、寅次郎だけは“大事なのは、あなたが今何をしているかだ”と語り、正面から久と向き合う。そんな寅次郎だったが、共に囚われていた仲間の獄死を知り、激しく動揺。志を高く持っていても、友人1人救うことすらできない。そんな考えが彼に思いつめた態度を取らせるようになる。安政二年。自宅蟄居の身となって出獄した寅次郎は私塾“松下村塾”を開き、久坂玄瑞、高杉晋作などの人物を育てる。それだけでなく、久たちの出獄を周囲に働きかけ、すべてが上手くいくように思われた矢先。幕府の外交政策を批判し、老中暗殺を企てた容疑で寅次郎は再び野山獄へ送られる。二度と会えなくなる予感に、寅次郎を想って歌を詠む久。そして安政六年。寅次郎は江戸に送られ、世に言う“安政の大獄”によって処刑されたのだった。

「獄(ひとや)に咲く花」の解説

幕末の長州で“松下村塾”を主宰し、歴史を変えた数多くの人物を育てた吉田松陰。わずか29歳で処刑されたその生涯を、投獄されていた時期を共に過ごし、心を通わせた1人の女囚の視点から描く伝記映画。主演は「明日への遺言」などに出演し、本作で父の目黒祐樹と初共演を果たした近衛はな。「長州ファイブ」の前田倫良が共演。2010年2月6日より、山口市・福岡市にて先行公開。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 2010年4月10日
キャスト 監督石原興
原作古川薫
出演近衛はな 前田倫良 目黒祐樹 赤座美代子 池内万作 勝村政信 仁科貴 本田博太郎 神山繁
配給 Thanks Lab(配給協力 シナジー)
制作国 日本(2010)
上映時間 94分
公式サイト http://www.hitoya.com/

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最終更新日:2022-07-26 11:03:33

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