風雲児 織田信長 作品情報

ふううんじおだのぶなが

父信秀が没したのは、信長が十六歳の時である。万松寺で行われた葬礼で、信長は荒縄を腰に巻いた異形の姿で現れ、抹香を父の位牌に投げつけた。妻の濃姫は彼の陽やけした頬に光る涙を見た。狂人とののしられながら、自己の信念に生きる信長も、人の子だったのか。世は戦国、群雄割拠の時代である。濃姫の実父・美濃国稲葉城主斎藤道三は、信長の尾張国を狙うものの一人だった。使が信長との会見を申入れてきた。信長は少しも関心を示さず、武術のケイコに励んでいた。「尾張の大うつけ」が定評となった。それが、信長のつけ目だった。その奇行は家臣までもあざむいた。彼の天下統一の野望を誰が知ろう。家老・平手政秀は諫書を呈すと、切腹して果てた。信長は心から信頼していた臣を失ったことを悲しんだ。それを契機に、彼は正徳寺で道三と会見した。道三は罠を用意していた。信長は槍と鉄砲計千人を道中にひき連れ、道三をおびやかし、会見の場では例の狂人的姿から礼装に早変りし、先手をうった。道三は手の掌を返すように歓待した。信長は彼に勝った。彼の帰りを予期しなかった濃姫はその無事を喜んだ。--突然、今川四万の大軍が、尾張領になだれこんできた。今川義元の目的は上洛にあった。信長の手勢は五千、その前衛は次々につぶされた。義元は勝報に気をよくし、折からの猛暑を田楽狭間に避けた。清洲城の信長は出陣の気配を示さなかった。家臣は焦立つ。信長は十倍の敵に対する作戦を考えていた。“十人に一人、十人がもし眠っていたら……”ふと濃姫のもらした言葉が、信長をとらえた。濃姫に鼓をうたせ、“敦盛”を静かに舞い納めると、彼はすぐさま出陣を命じた。軍は嵐をついて桶狭間を襲った。--義元の首級を馬前に、信長は清洲城に引き揚げた。白装束で死を決していた濃姫には、夢のようだった。

「風雲児 織田信長」の解説

山岡荘八の原作を「百万両五十三次」の結束信二が脚色し「いろは若衆 花駕篭峠」の河野寿一が監督した、織田信長の半生を描いた娯楽時代劇。撮影は「浪花の恋の物語」の坪井誠。

公開日・キャスト、その他基本情報

キャスト 監督河野寿一
原作山岡荘八
出演中村錦之助 香川京子 月形龍之介 織田政雄 沢村宗之助 阿部九洲男 中村歌昇 楠本健二 里見浩太朗 尾上鯉之助 片岡栄二郎 遠山恭二 徳大寺伸 藤木錦之助 中村賀津雄 大月正太郎 進藤英太郎 有馬宏治 風見章子 三井京子 月笛好子 村松築技 高松錦之助 小田部通麿 尾上華丈 戸上城太郎 五味勝之介 長嶋隆一 柳永二郎 加賀邦男 中村幸吉 尾形伸之介 片岡半蔵 木南兵介 中村時之介 中里阿津子
制作国 日本(1959)
上映時間 95分

ユーザーレビュー

レビューの投稿はまだありません。

「風雲児 織田信長」を見た感想など、レビュー投稿を受け付けております。あなたの映画レビューをお待ちしております。

最終更新日:2022-11-12 02:00:06

広告を非表示にするには