間諜X27 作品情報

かんちょうえっくすにじゅうなな

J・V・スタンバーグ1931年監督作

世界大戦が始まってから2年、1915年の秋、オーストリアはウィーンの裏町に幾多の売春婦たちが、崩れ行く祖国を眺めながら寂しく日を送っていた。その中から強く祖国を愛する1人の女が、時のイタリア秘密探偵局長に拾い上げられた。そしてスパイX27号として彼女の名は陸軍省機密書類の奥ふかく記録されたのである。仮装舞踏会の一夜、X27号の任務の手は売国奴ヒンダウ大佐に近づいてその夜の中に彼を自殺させてしまった。その直後、彼女の手はオーストリア将役の仮面を被った敵国ロシアのスパイ、クラノウの身辺にのびた。けれどお互いにスパイであることをしりながら2人は熱烈な恋に陥り始めた。この恋のいまだ日浅くして彼は逃れてロシアに帰り、続いて重大な任務を帯びたX27号がロシアに潜入した。

「間諜X27」の解説

「嘆きの天使」「モロッコ」に次いでジョセフ・フォン・スタンバーグが自ら原作し、監督にあたった映画である。脚色者は「テキサス無宿」と同じくダニエル・N・ルービン、カメラは「モロッコ」「戦う隊商」のリー・ガームス。主なる出演者は「嘆きの天使」「モロッコ」のマレーネ・ディートリッヒ、特にフォックス社から籍りられたヴィクター・マクラグレン、「放浪の王者(1930)」「危険なる楽園」のワーナー・オーランド、「女の一生」「紐育の波止場」のグスタフ・フォン・セイファティツ、「四人の悪魔」「父と子」のバリー・ノートン、ルー・コディなどである。

公開日・キャスト、その他基本情報

キャスト 監督ジョセフ・フォン・スタンバーグ
出演マレーネ・ディートリッヒ ヴィクター・マクラグレン ルー・コディ
制作国 アメリカ(1931)

ユーザーレビュー

総合評価:5点★★★★★、1件の投稿があります。

P.N.「グスタフ」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2019-10-02

古典名画「モロッコ」で有名なジョセフ・フォン・スタンバーグとマレーネ・ディートリヒの代表作。名花ディートリヒの女優としての魅力をスタンバーグが最大に引き出した脚本と演出で、作品の構成力や完成度で見れば「モロッコ」より優れている。ビリー・ワイルダーの傑作「情婦」と肩を並べる、ディートリヒの唯我独尊と孤立無援が同居した危うい美しさと強さ、そして女の弱さまでも表現した作品だと思います。他に例えようのない唯一無二の存在感に魅了されました。惜しいのは、フォードの「男の敵」「静かなる男」で名演を残すヴィクター・マクラグレンが共演者として少し弱い点くらいでしょうか。でも、私は大好きです。女スパイのディートリヒを堪能する映画。

最終更新日:2019-10-07 16:00:07

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