赤い天使 作品情報

あかいてんし

昭和十四年、西さくらは従軍看護婦として天津の陸軍病院に赴任した。その数日後、消灯の後の巡回中、彼女は数人の患者に犯されてしまった。そして、二カ月後、深県分院に転属となった彼女は、軍医岡部の指揮の下で忙しい毎日を送っていた。一つの作戦ごとに、傷病兵は何台ものトラックで運ばれてきた。大手術が毎日のように行なわれ、手術台の傍の箱には切断された手足があふれていた。そんな精神をすりへらす仕事に、岡部軍医はいつしかモルヒネを常用するようになっていた。勤務交代で天津に戻ったさくらは岡部のお蔭で生命が助かったという折原一等兵に会った。そして、哀願する折原のために、さくらはホテルの一室で全裸になった。男の機能を復活させることが、自分の使命だと思ったからだった。しかし、あくる日、折原は病院の屋上から投身自殺を遂げた。再び深県分院に戻ったさくらは、岡部がモルヒネのために不能になっていることを知り、それを治そうと一緒に寝た。さくらは岡部をいつしか愛してもいたのだった。やがて岡部は応急看護班を編成して前線にいくことになり、さくらも行動を共にした。しかし、前線を走るトラックは、まだ目的地に着かないうちに、営林鎮集落で敵の包囲を受けた。しかも、極度に衛生状態の悪い集落ではコレラが発生していた。無線機は故障していた。総ての望みを絶たれた岡部とさくらは、ある日の夜、二人きりで部屋に閉じこもった。岡部は、間もなく禁断症状を起こして暴れたが、さくらは必死になって押えつけ、夜の白む頃まで格闘した。そして岡部が正気に戻った時、二人は激しい抱擁をくり返したが、間もなく、中国軍の攻撃が始まった。そして、圧倒的な中国軍の前に、全員が散っていったのだった。援軍が到着した時、さくらは岡部の死体を抱きしめて倒れていた。

「赤い天使」の解説

有馬頼義の原作を、「ほんだら捕物帖」の笠原良三が脚色し、「陸軍中野学校」の増村保造が監督したもので、戦争を素材とした限界状況ドラマ。撮影はコンビの小林節雄。成人指定。

公開日・キャスト、その他基本情報

キャスト 監督増村保造
原作有馬頼義
出演若尾文子 芦田伸介 川津祐介 赤木蘭子 池上綾子 千波丈太郎 喜多大八 谷謙一 河島尚真 小山内淳 仲村隆 竹里光子 松村若代 真杉美智子 有島圭子 三夏伸 井上大吾 後藤武彦 中原健 荒木康夫 南堂正樹 志保京助 飛田喜佐夫 藤野千佳子 甲千鶴 一条淳子 佐山真次
配給 大映
制作国 日本(1966)
年齢制限 R指定
上映時間 95分

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最終更新日:2023-11-07 02:00:05

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