からっ風野郎 作品情報

からっかぜやろう

「百十一番の朝比奈だね」確かめるのと拳銃の轟音と同時だった。が、がっくりつんのめったのは全くの人違い。それは面会を代った囚人だった。殺し屋の狙った朝比奈一家の二代目武夫は難を逃れてその日出所した。殺し屋を向けたのは新興ヤクザ相良商事の社長相良雄作、武夫が父の復讐のために大怪我をさせ、それが武夫の二年七カ月のムショ入りの原因となったのだ。武夫はまず情婦の昌子に会った。女はすぐ燃えたが、武夫は非情だった。腕時計一つで彼女と手を切った。お荷物は一切綺麗にしとくんだと言って。武夫の根城は映画館コンパルだった。そこで新しいもぎりの芳江に会った。彼女は町工場に勤める兄の正一に弁当を届けにいき、ストライキにまきこまれブタ箱に入れられた。機会が訪れた。大親分雲取からの法事の招待状だった。武夫にも相良にも。が、寺には相良は来ず、代理として現われたのが殺し屋ゼンソクの政だった。武夫はツイていた。政がゼンソクの発作を起し、弾丸はそれて左の掌を射ち抜いたきりだった。芳江が現われ、もう一度雇ってくれと頼みこんで来た。武夫は抱いた。彼女から妊娠したと聞いた時不思議にも武夫は芳江に愛情を感じたのだ。堕ろせといっても芳江はきかない。その前後、武夫は相良の娘みゆきを誘拐し相良をおどしたが、相良も芳江の兄を監禁して抵抗した。芳江の身に危険を感じた武夫は、九州の田舎へ身をかくすよう勧めた。東京駅へ芳江を送って行った武夫は、生まれてくる子供のための毛糸を買いに、下のデパートに走った。その武夫に政の一弾が襲った。武夫はエスカレーターの上に倒れた。エスカレーターはその武夫を乗せたまま静かに上へと動いていった。

「からっ風野郎」の解説

「女が階段を上る時」の菊島隆三に安藤日出男が加わった共同脚本を「女経」の増村保造が監督したアクション・ドラマ。「明日から大人だ」の村井博が撮影した。

公開日・キャスト、その他基本情報

キャスト 監督増村保造
出演三島由紀夫 若尾文子 川崎敬三 船越英二 志村喬 水谷良重 小野道子 根上淳 矢萩ふく子 山本礼三郎 神山繁 高村栄一 杉田康 飛田喜佐夫 潮万太郎 浜村純 土方孝哉 此木透 小山内淳 三津田健 花布辰男 小杉光史 伊東光一 杉森麟 倉田マユミ 佐々木正時 森矢雄二 守田学 須藤恒子 津田駿二 山口健 大塚弘
配給 大映
制作国 日本(1960)
上映時間 96分

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ユーザーレビュー

総合評価:5点★★★★★、1件の投稿があります。

P.N.「pinewood」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2019-04-05

確かにフランス・ヌーベルバークの映画「勝手にしやがれ」のラストシーンに呼応した様な雰囲気が三愛でのロケーションに見られるんだ…。飄々とした組長,愛すべきヤクザな駄目男役の三島由紀夫,そんな男に惚れ込んで仕舞う可憐で勝ち気な若尾文子,中々に魅せて呉れるねぇ?

最終更新日:2023-03-30 18:15:19

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