ベルリン・天使の詩 作品情報

べるりんてんしのうた

ベルリンの街。廃墟の上から人々を見守っている天使ダミエル(ブルーノ・ガンツ)がいる。天使の耳には、地上の人々の内心の声が聞こえる。天使の姿は子供たちには見える。コロンボ刑事役で親しまれているアメリカの映画スター、ピーター・フォーク(本人)がこれからベルリンで撮影に入る映画の脚本を読んでいる。街の中のさまざまな人々の肉声。ダミエルは、親友の天使カシエル(オットー・ザンダー)と、今日見た自然や人々の様子について情報交換し、永遠の霊であり続けながら人間ではない自分にいや気がさしている。図書館は天使たちの憩いの場だ。老詩人ホメロス(クルト・ボウワ)が失われた物語を探している。サーカスに迷いこんだダミアンは、空中ブランコを練習中の美女マリオン(ソルヴェイグ・ドマルタン)を見て一目惚れをする。橋のたもとで起こった交通事故で死にかけている男に息をふきかえさせるダミエル。カシエルは、ホメロスにつき添ってポツダム広場を歩いている。ピーター・フォークの出演しているスタジオには様々な人がいる。ダミエルはカシエルを呼んでサーカスの公演を見にゆく。マリオンを見つめるダミエル。最後の公演を前に死の怖れを語るマリオンの肉声。ロック・コンサートで踊るマリオンの手にふれるダミエル。夜明け、ピーター・フォークはダミエルに人間になることをすすめる。壁をこえてノーマンズランドを散策するダミエルは、マリオンへの愛をカシエルに告白する。人間に恋すると天使は死ぬ。彼はカシエルの腕の中で死んだ。西ベルリン側の壁のそばで目をさましたダミエルの目の前は、モノクロから色彩の世界に変わっているのだった。

「ベルリン・天使の詩」の解説

ベルリンを舞台に人間の女性に恋した天使が人間になる姿を描く。製作・監督・脚本は「アメリカの友人」のヴィム・ヴェンダース、共同製作はアナトール・ドーマン、エグゼキュティヴ・プロデューサーはイングリート・ヴィンディッシュ。原作・共同脚本はペーター・ハントケ、撮影はアンリ・アルカン、音楽はユルゲン・クニーパーが担当。出演はブルーノ・ガンツ、ソルヴェイグ・ドマルタンほか。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 1988年4月23日
キャスト 監督ヴィム・ヴェンダース
出演ブルーノ・ガンツ ソルヴェイグ・ドマルタン オットー・ザンダー クルト・ボウワ ピーター・フォーク ラジョス・コヴァーチ
配給 フランス映画社
制作国 西ドイツ フランス(1987)
上映時間 128分

ユーザーレビュー

総合評価:5点★★★★★、6件の投稿があります。

P.N.「あなたも、翼の折れた天使、、、?」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2023-07-07

地上に、降りた、私たちは、天使。

この地球に生まれ、様々な制約で、生きる、天使。

水中で、重り、負荷を加えることで、より、水中を上手に、泳げるように、この世界を泳ぐ、天使。

時の瀬に立ち、流れの中で生きる天使。

あなたが、生きる場所、人々に笑顔があり、赤ちゃんが微笑みを返してくれるなら、天使な生き方をしているでしょう?

ずる賢く立ち回り、人々を騙して生きるなら、悪魔となり、本来の生き方を忘れているのでしょう?

リメイクの『シティー・オブ・エンジェル』の鑑賞から、時を経て、オリジナルを修正版で、モノクロが、より本質を引き出す効果を上手く活用し、異世界を、より、鮮明に描いた作品。

禅的世界が、静謐で、本質を突き詰めるように、

モノクロにより、視覚を、本質へとフォーカスする。

まさかのコロンボ、のように、まさかの展開。

しかし、私たちは、記憶をなくし、飛べない、翼の折れた天使だと言うことは、間違いないらしい、、、。

最終更新日:2024-02-25 02:00:04

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