『勝手にふるえてろ』映画だからこそできた衝撃シーンに、松岡茉優の演技が光る!!原作の芥川賞作家・綿矢りさも大絶賛!東京国際映画祭 コンペティション部門 上映後Q&A レポート

『勝手にふるえてろ』映画だからこそできた衝撃シーンに、松岡茉優の演技が光る!!原作の芥川賞作家・綿矢りさも大絶賛!東京国際映画祭 コンペティション部門 上映後Q&A レポート
提供:シネマクエスト

日時:11月1日(水)
場所: TOHOシネマズ六本木ヒルズ SCREEN9
登壇者:大九明子監督、髙野正樹(音楽担当)

映画松岡茉優主演『勝手にふるえてろ』が12月23日公開となる。原作は、01年に「インストール」でデビュー、「蹴りたい背中」で第130回芥川賞を受賞した作家・綿矢りさによる同名小説。ラブコメ史上最もキラキラしていない主人公の暴走する恋の行方を、最後まで応援したくなる痛快エンターテイメントがついに誕生。そしてこの度、本作が第30回東京国際映画祭のコンペティション部門作品として選出された。11/1(水)、大九明子監督と本作の音楽を手掛けた髙野正樹による上映後のQ&Aが実施された。

この日お客さんと一緒にスクリーンで本作の上映を鑑賞していたという大九明子監督は「手汗がびっしょりだったが、東京国際映画祭という場で皆さんと鑑賞することができ、とてもスペシャルな体験ができた」と映画祭を存分に楽しんだ模様。本作で音楽を担当した髙野正樹は、「皆さんのリアクションが気になり、冷静に観ることができなかった」と、本映画祭で初お披露目だけにお客さんの反応が気になったことを明かした。

本作はとある転換点での音楽が話題の一つになっているが、そのシーンについて監督は、「前半と後半で何か変化をつけたいと思ったときに、映像のアスペクト比を変えたり、モノクロにしたりして世界観を変えることも考えたが、“ヨシカ”という人物を届けることに集中したときに、全部言葉で説明しようと思った。そして言葉で説明するときにより伝わるように、言葉にメロディーをのせた」と注目シーンを説明。

シナリオにメロディーをつけて欲しいと依頼を受けた髙野は、「メロディーができるのがすごく早かった。最終的に5パターンつくり選んでもらった。監督との共通認識として、“しゃべるように歌わせたい”というのがあった。ここでヨシカの激情が表せればと思った」と作曲秘話を明かした。松岡茉優演じる主人公・ヨシカが、これまでに溜め込んだあらゆるものを爆発させる衝撃的シーンとなった。

松岡茉優演じる主人公・ヨシカについて監督は、「行動パターンは少々厄介だが、綿矢さんの文学の魅力は、言葉のチョイスや言葉の切れ味。それを最大限に活かすとヨシカが愛おしくなってきて、“ヨシカは自分だ”と思った」と一心同体になっていたことを明かし、「自分も松岡さんもヨシカの厄介さを愛した。厄介なヨシカを現実世界のヨシカ的人に届けたい」と本作を撮った思いを語った。

そんなヨシカを自分のものにし見事に演じた松岡の魅力は「集中力と努力!そしてその努力は人に見せないところ」と松岡の尊敬すべきすごい部分を披露した。
主人公・ヨシカの暑苦しい会社の同期“ニ”を演じた渡辺大知は、自身が所属するバンド・黒猫チェルシーとしてエンディングに流れる主題歌の作詞作曲も手掛けている。監督は「“ニ”は大知くんに近い。エンディング曲の作詞作曲をお願いしたときに、すごく時間をかけて悩んでくれた。“ニ”として歌詞を紡いでくれたら素敵な曲ができるのではとディスカッションをした」と渡辺とのやりとりを振返った。

ヨシカの片思いの相手で中学の同級生“イチ”を演じた北村匠海。監督は「普段観ている映画に北村くんが出ていて、若いのにカメレオンのように多彩な演技をしていて惚れ込み出演を依頼した」というキャスティング秘話も披露した。

また、本作は芥川賞作家・綿矢りさの小説を映画化した作品。「映画を観てくれた綿矢さんいわく、“原作は普通は削られることが多いが、私の作品はプラスになって増えて返ってきた”と大変喜んでくれた」という、綿矢も絶賛の本作。小説のエッセンスを忠実に描きつつも、映画としてパワーアップしている作品が出来上がったことに監督も喜びを噛み締めた。

髙野も「観る度に発見がある作品。観る度に笑うポイントが違ったり、泣き所も違ってくる。何度観ても楽しめるので、何度も劇場に足を運んで観てもらいたい!」と本作の魅力を話し、リピート鑑賞を呼びかけた。

最終更新日
2017-11-02 12:00:42
提供
シネマクエスト(引用元

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