「粘土のお面」より かあちゃん 作品情報

ねんどのおめんよりかあちゃん

ブリキ屋銅由の父ちゃん由五郎は、腕はたしかだが無頼のお人好しだ。この長屋に住んでいる人たちは、由五郎をはじめ、皆明日の米にも困るような貧乏暮しだった。女房のお雪にせきたてられて、正月を迎える金の工面に出かけた由五郎だったが、一銭の金も借りることができず、子供の正子と稔に約束した土産も買わずにすごすごと帰ってきた。お雪は、正子に父ちゃんが怪我をして困っているという嘘の手紙を書かせて、お得意に使いにやらせた。借りた金でママゴトのような正月を迎えた。由五郎が年始廻りに行こうと立ち上がった時、神棚にのせてあった粘土のお面が落ちた。正子が学校で作って賞を貰ったお面だった。駄菓子屋の二階に下宿している担任の木村先生のところにお面をあずけた。夕方帰ってきた由五郎は、酒がないのに不機嫌になり、お雪の横ッ面を殴った。お雪はその晩帰ってこなかった。翌朝、仕事に出かける由五郎の後姿を、路地裏から見送っていた。お人好しの由五郎は、こんどの仕事の手当てもまた組の頭にチョロマカされた。お雪が親類に行って金を借りてき、元気づけた。銅由一家は引越すことに決心した。リヤカー一台に家財をまとめ、七ツもたまった店賃も払わずに夜逃げする一家を、差配の池戸さんは止めようともしないで物蔭から見送っていた。親子四人でリヤカーをひく一家には、暮しに困って夜逃げするという暗い影は少しもなかった。

「「粘土のお面」より かあちゃん」の解説

豊田正子の『粘土のお面』を、「明治大帝と乃木将軍」の館岡謙之助が脚色し、「旗本喧嘩鷹」の中川信夫が監督したもので、どん底の生活ながらも明るく生きぬく庶民の姿を描いたもの。「誰よりも金を愛す」の平野好美が撮影した。

公開日・キャスト、その他基本情報

キャスト 監督中川信夫
原作豊田正子
出演伊藤雄之助 望月優子 二木てるみ 津沢彰秀 北沢典子 浜野桂子 河合英二郎 花岡菊子 鶴丸睦彦 西朱実 鈴木新 黒丸良 藤村昌子 林寛 田崎潤 加藤欣子 山下明子 橘恵子 山田長正 大原永子 宇津井健 沖竜次 加藤章 中村彰 石川冷 宮浩一 川部修詩
配給 新東宝
制作国 日本(1961)
上映時間 88分

ユーザーレビュー

レビューの投稿はまだありません。

「「粘土のお面」より かあちゃん」を見た感想など、レビュー投稿を受け付けております。あなたの映画レビューをお待ちしております。

最終更新日:2022-10-25 02:00:04

広告を非表示にするには