薔薇の素顔 作品情報

ばらのすがお

ニューヨークの精神分析医キャパ(ブルース・ウィリス)は、女性患者が彼のオフィスがある高層ビルから飛び下り自殺し、血の海に横たわる死体を見て以来、赤い色に拒絶反応を覚えてしまう。ショックから癒えぬ彼は、ロサンゼルスに住む同じ分析医のボブ(スコット・バクラ)を訪れる。彼はセラピー・グループの患者たちを紹介した。情緒不安定な女性サンドラ(レスリー・アン・ウォーレン)、潔癖症の弁護士クラーク(ブラッド・ダリフ)、被害妄想気味のケイシー(ケヴィン・J・オコナー)、妻子を殺された衝撃から立ち直れないバック(ランス・ヘンリクセン)、自閉症の少年リッチーの5人で、ボブはこの中の誰かに命を狙われていると告げる。数日後、その言葉通りに彼は何者かに惨殺された。同じ頃、キャパはローズ(ジェーン・マーチ)という少女と出会い、その謎めいた美しさにひかれる。一方、患者たちの願いで、彼は5人の治療を引き継ぐことに。事件を追うキャパの周囲には、姿なき殺人者の警告が発せられる。患者たちはそれぞれ秘密を隠しているようで、混乱するキャパはますますローズの怪しい魅力の虜になっていく。そしてまたもや、ケイシーが惨殺死体で発見された。キャパはボブのカルテから、ローズが多重人格者であり、全くの別人として患者全員と関係を持っていたことを知る。さらにリッチーとローズが同一人物である事が発覚。真犯人は彼女と近親相姦関係にあった兄デイル(アンドリュー・ロワリー)で、彼女と関係を持つ人々に嫉妬したゆえの犯行であった。彼は幼児期の性的虐待から近親同性愛者となり、ローズを男として愛したかったデイルは、彼女をリッチーという人格に仕立てていた。ローズは絶体絶命のキャパを救おうとして兄を殺す。抑圧が生んだ彼女の多重人格は姿を消し、キャパも赤い色が見えるようになった。

「薔薇の素顔」の解説

猟奇連続殺人事件の中に、多重人格、パラノイア、バイ・セクシャル、性的倒錯などのショッキングなテーマを散りばめて描いたサイコ・ミステリー。主演2人の演じるエロティック描写の過激さに、全米配給元であるディズニー傘下のハリウッド・ピクチャーズがクレームをつけ、公開を延期して編集したが、アメリカの映倫MPAAの審査で〈NC‐17〉(17歳以下は親の同伴があっても鑑賞できない、成人映画のX指定に次ぐ限定公開)指定に。フィルムの盗難騒ぎまで起き、大幅に再編集した結果、R指定(日本より厳しく、17歳以下は成人同伴でのみ鑑賞可能)で公開された。日本やヨーロッパで公開されたのは、〈NC‐17〉指定のバージョンである。監督は「スタントマン(1980)」以来、14年ぶりにメガホンをとるリチャード・ラッシュ。ビリー・レイの原案を、彼と「隣人」のマシュー・チャップマンが共同で脚色。製作はバズ・フェイシャンズとデイヴィッド・マタロン。エグゼクティヴ・プロデューサーは「トゥームストーン」のアドリュー・G・ヴァーニャで、彼の主宰するシナージ・プロ作品。撮影は「美しき獲物」のディートリッヒ・ローマン。音楽はドミニク・フロンティア、美術はジェームズ・L・ショップが担当。主演は「パルプ・フィクション」のブルース・ウィリス、「愛人 ラマン」に次いで2作目のジェーン・マーチ。共演は「メル・ブルックス 逆転人生」のレスリー・アン・ウォーレンほか。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 1994年11月12日
キャスト 監督リチャード・ラッシュ
出演ブルース・ウィリス ジェーン・マーチ ルーベン・ブラデス レスリー・アン・ウォーレン スコット・バクラ ランス・ヘンリクセン ブラッド・ドゥーリフ ケヴィン・J・オコナー アンドリュー・ロワリー エリック・ラ・サール ジェフ・コーリー キャスリーン・ウィルホイト シャーリー・ナイト
配給 東宝東和
制作国 アメリカ(1994)
上映時間 121分
TV放映 2023年11月10日 テレビ東京 午後のロードショー

ユーザーレビュー

レビューの投稿はまだありません。

「薔薇の素顔」を見た感想など、レビュー投稿を受け付けております。あなたの映画レビューをお待ちしております。

最終更新日:2024-03-12 15:48:52

広告を非表示にするには