MEMORIES(1995) 作品情報
めもりーず
「彼女の想いで…」2092年の宇宙空間。ハインツとミゲル、イワノフ、青島の四人は、宇宙に浮遊する難破船など、いわゆる宇宙のゴミを回収する業者をしていた。ある日のこと、彼らは宇宙の墓場と呼ばれるサルガッソー宙域から『マダム・バタフライ』のオペラと共にSOS信号をキャッチ。早速救助へ向かうが、そこには巨大な薔薇の形をした宇宙船が浮遊していた。潜入したハインツとミゲルは、中で立派なお屋敷やオペラ劇場を発見する。調べを進めていくうち、それが21世紀初頭の天才的ソプラノ歌手エヴァの遺品の数々であることが分かった。しかし、やがて二人はそこに巣くうエヴァの情念によって幻想世界に惑わされることになる。忌まわしい過去の記憶を蘇らせられたハインツは、エヴァが愛した男との秘密を暴き、脱出を図った。しかし、宇宙船は爆発を起こし、全ては宇宙の藻屑と化してしまう。からくも命だけは助かったハインツは、藻屑と共に宇宙を浮遊するのだった。 「最臭兵器」甲府にある西橋製薬に勤める田中信男は、その日、風邪で体調を崩していた。彼は、同僚に勧められた新薬サンプルを服用したが、実はそれは政府の極秘の依頼で開発中の、服用した人間から発生されるガスによって周囲の人間を一瞬にして意識不明にしてしまうという細菌戦用兵器だったのである。会社の応接室で仮眠をとって、翌朝目覚めた田中は、同僚たちがバタバタと倒れる様子を見て驚かされる。慌てて東京の本社に連絡を取ると、極秘資料とサンプルを、なるべく人と接しないようにして東京へ運んで来いとのことだった。急いで会社を出る田中は、彼が行くところ行くところに人はおろか鳥や獣までもが仮死状態で倒れていることに戦慄を覚える。東京の本社は政府機関に連絡を取るが、政府はその男を抹殺せよとの決断を下した。政府は自衛隊を派遣して田中を攻撃するが、田中もなかなかしぶとかった。ついにアメリカ軍が開発した宇宙服まで持ち出され、田中抹殺作戦が決行される。中央高速のトンネルの中で勝負はついたかとみられたが、作戦成功にわく政府に戻って来た宇宙服の男は実は田中だったのだ。極秘資料とサンプルを運ぶという自分の使命を果たした田中は、本社の人間を前にヘルメットを脱ぐのだった。 「大砲の街」その少年が住んでいるのは、無数の大砲で重装備した移動都市だった。現在、敵国との戦争の真っ最中で、テレビからは「撃てや撃て力の限り街のため」などという標語が流れている。少年は学校で砲撃の勉強に勤しみ、父は17番砲台の装填手として働き、母は砲弾製造工場にパートに出ている。今日もいつもと変わらぬ戦火の一日が始まり、やがて暮れていく。そんな日々を繰り返す少年は、将来、父のような重労働だが地位の低い装填手ではなく、花形職種の砲撃手になりたいと夢に描くのだった。
「MEMORIES(1995)」の解説
ジャパニメーションの先駆者・大友克洋の製作総指揮で贈る3話構成のファンタスティック・オムニバス。監督は「とべ!くじらのピーク」の森本晃司、OVA『うる星やつら(ヤギさんとチーズ)』の岡村天斎、そして「ワールド・アパートメント・ホラー」の大友克洋。芸術文化振興基金助成、東京国際ファンタスティック映画祭参加作品。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 1995年12月23日 |
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キャスト |
監督:森本晃司
岡村天斎
大友克洋
原作:大友克洋 大友克洋 出演(声):磯部勉 高島雅羅 山寺宏一 飯塚昭三 千葉繁 長谷川亜美 沢海陽子 柊美冬 平野正人 坂口哲夫 大場真人 堀秀行 羽佐間道夫 大塚周夫 阪脩 緒方賢一 大塚明夫 京田尚子 石森達幸 藤井佳代子 神代知衣 曽我部和恭 島田敏 小野英昭 田中亮一 岸野幸正 佐藤浩之 大滝進矢 巻島直樹 岩永哲哉 中村尚子 新田三士郎 森ステファン 林勇 キートン山田 山本圭子 仲木隆司 中村秀利 福田信昭 江川央生 佐藤正治 さとうあい 長嶝高士 石川ひろあき 喜多川拓郎 田中和実 園部啓一 鈴木勝美 塩屋浩三 河合義雄 峰あつ子 大友洋子 巴菁子 |
配給 | 松竹 |
制作国 | 日本(1995) |
上映時間 | 107分 |
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