珍品堂主人 作品情報

ちんぴんどうしゅじん

加納夏磨は骨董屋が本職ではないが専門家をしのぐ鑑定眼の持ち主で人呼んで「珍品堂」。かつて実業家・九谷の息子を教えたのが縁でしばしば出入りするうち、数寄屋造りの広大な邸宅が遊んでいるのを知って、これを貸り受け高級料理屋の経営を思い立った。九谷の快諾を受けた彼は、持ち前の凝り性で食器から食料にいたるまで原産地で手に入れる熱の入れようだった。こんなある日、茶道、商業美術、その上骨董眼にも秀れている才女タイプの蘭々女史が九谷の紹介で相談役としてやって来た。屋敷は彼女の設計で改築され、女中頭には腹心の於千代が来た。新橋の小料理屋「三蔵」をやらせている佐登子をという珍品堂の夢は破れたが、料理屋「途上園」の景気は上々、大阪に支店をもつまでになった。ある時、女史から「白鳳仏」を見せられた彼は、秘蔵の吊燈籠を売却してこれを買求めたが、ぐうぜんのことでこれが偽ものとわかり、彼の心はおだやかでなかった。その上、いつか「途上園」の顧問に収った女史は支配人の彼をこき使うようになった。ついに爆発した珍品堂は女史にくってかかった。これは女史の手の裏をかえしたようなわび言で治ったが、女史が会計の佐々を馘にしたことから、ついにストライキという騒ぎになってしまった。珍品堂はいつの間にか首謀者にまつりあげられていたが、不思議にもストライキは一日で終ってしまった。すべては女史をあやつる九谷の指しがねだった。ほっぽり出された彼は、「白鳳仏」を九谷におくった。にせものをつかまされた心境をたくして。ところが博物館で吊燈籠に再会した彼は九谷のところから「白鳳仏」を取りかえした。たまたま彼と同じように妾を解雇された女史にあった。彼は十年でも二十年でも、私の目でにらみつけているうちに、ホンモノにして見せると、語るのであった。

「珍品堂主人」の解説

中央公論に連載された井伏鱒二の同名小説の映画化。「女経」の八住利雄が脚色し「暗夜行路」の豊田四郎が監督した。撮影は「女が階段を上る時」の玉井正夫。

公開日・キャスト、その他基本情報

キャスト 監督豊田四郎
原作井伏鱒二
出演森繁久彌 淡島千景 柳永二郎 乙羽信子 淡路恵子 有島一郎 山茶花究 東野英治郎 千石規子 峯京子 小林千登勢 都家かつ江 高島忠夫 石田茂樹 若宮忠三郎 市原悦子 横山道代 河美智子 林寛
配給 東宝
制作国 日本(1960)
上映時間 120分

ユーザーレビュー

レビューの投稿はまだありません。

「珍品堂主人」を見た感想など、レビュー投稿を受け付けております。あなたの映画レビューをお待ちしております。

最終更新日:2023-06-10 02:00:04

広告を非表示にするには