雲切獄門帳 作品情報
くもきりごくもんちょう
義賊雲霧仁左衛門が江戸城に忍び入り捕われたのは嘉永五年秋のことである。吟味与力高梨小藤次から死刑を言い渡された雲霧は吟味の途中で並はずれの怪力で梁の下敷になった老大工を救った。雲霧は同牢の大吉から因業金貸夜叉権の娘おこうが父無し子を生んだという話を聞き、二年前夜叉権の家に押入った時、ふとしたはずみでおかした自分の罪に思いあたるのであった。我が子見たさに牢番を買収し脱獄、夜叉権の家に忍び入った雲霧は、おこうを失った我が子ゆきを質屋の佐渡幸にあずけ、約束通り牢に戻ったが蔵六の家に届けるはずの十両が手ちがいから雲霧の名前で他人の家に届いた事が、奉行の疑いを招き確証を握るために一時釈放されることとなった。自由になった雲霧は、ゆきをつれて薬売りになり藤田兵部のつれた息子市之進と、ゆきの右手に同じようにホクロがある事を知ってその奇縁に驚いた。一方雲霧を追う小藤次と息子の外記は、雲霧と出会い争ううちにゆきと外記は谷底へ転落した。ゆきは偶然谷底にいた佐渡幸に拾われた。それから九年別れ別れになった親子はゆきは辻占いに、雲霧は盲目にと悲運は重なる。更に七年の後再び佐渡幸夫婦に芸者に売られたゆきは、幕府を護ろうとして傷ついた市之進と再会し看病するという運命の奇縁に相遇した。ゆきは市之進の破傷風を治すため、薬をもとめに居留地御用達商人春木屋へ行く、この薬屋こそ暗い過去を持つ雲霧であった。この頃江戸市中で荷車の下敷になった佐渡幸を雲霧はもちまえの怪力で救った。十手を手にした小藤の目に人間の善意と涙が光った。自首して出た雲霧に小藤は縄をかけず、雲霧はゆきと市之進のあとを追うのだった。
「雲切獄門帳」の解説
吉川英治原作”雲切閻魔帖”より「風速七十五米」の高岩肇が脚色、「最後の顔役(1963)」の佐々木康が監督した人情ドラマ。撮影は「柳生武芸帳 片目水月の剣」の松井鴻。
公開日・キャスト、その他基本情報
キャスト |
監督:佐々木康
原作:吉川英治 出演:市川右太衛門 笠智衆 沢村精四郎 三島ゆり子 加藤直也 水谷世津子 木村鶴美 本間千代子 西村晃 浦里はるみ 有馬宏治 小西一郎 河原崎長一郎 鳳八千代 原健策 吉田義夫 堺駿二 中村時之介 晴賀俊介 大城泰 汐路章 南方英二 五里兵太郎 中村錦司 吉田江利子 加納美栄子 水野浩 江木健二 島田兵庫 矢奈木邦二郎 有川正治 明石潮 赤木春恵 |
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配給 | 東映 |
制作国 | 日本(1963) |
上映時間 | 94分 |
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