喜劇 百点満点 作品情報
きげきひゃくてんまんてん
人生意気に感ずる生き方を身上とするのがこの映画の主人公、北上大三である。彼は、東京の代々木駅にほど近いとある場所に予備校を開設して、自ら学長に納まっている。だが、彼の仕事といえば生徒の事故処理ぐらいで、どうやら実権は理事長の磯貝あきと事務局長の末春に握られているようだ。もともと、この土地は大三がスーパーマーケットを開こうと思っていた所で、いまも彼はその夢が捨てきれない。さて、その北新予備校も開校一年目を迎えて、いよいよ総決算ともいうべき大学受験のシーズンとなった。いままでは順風満帆、生徒は押すな押すなの大繁盛。今年も東大を狙う十数年浪人の西原啓作から、ハーレーを乗り廻す田舎の大金持ちの息子、原口康太郎までにぎやかな顔ぶれが揃っている。それというのも、美川講師以下、講師陣にスターを揃えた結果のようだ。しかし、大三には一抹の不安があった。それは、彼らが無理矢理集めた花形講師ばかりなので、誰ひとり親身になって講義をしていないことだった。国立一期校の合格発表の日。そんな大三の不安が現実となって現われた。現場からのトランシーバーの連絡は、「桜散る」ばかり。遂に、北新陣は全滅した。合格者の名札につける赤いバラの花が、空しく机の上に積まれたままだった。大三は意を決して、いよいよ陣頭に立って生徒たちの身上相談をすることにした。だが、どうもうまくゆかない。生徒たちからからかわれるばかりだった。大三は古い人間なのだ。彼の息子の洋平は、実は戦友の忘れ形見であった。その洋平は、生徒たちのあこがれの的のスチュワーデス、静子と婚約した。娘の宏子には、軟派の大学生、早川がとりついている。いまや大三にとって、事業と家庭の両方から大きな波が近づいている。そして、早・慶を始めとする私立大学の合格発表の日がいよいよ近づいてきた……。
「喜劇 百点満点」の解説
現代社会の一つの象徴と縮図である予備校を舞台にした、笑いと涙の人生コメディ。昭和11年、芸能界に第一歩を踏み出して以来、今日まで映画、演劇、テレビ、ラジオ、レコードと幅広く活躍してきた森繁久彌の芸能生活四〇周年記念映画である。脚本は高橋玄洋と監督も兼任の松林宗恵、監督の松林宗恵は、社長シリーズなど一連の森繁喜劇を二十一本撮ったベテラン。撮影は「挽歌(1976)」の村井博がそれぞれ担当。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 1976年10月2日 |
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キャスト |
監督:松林宗恵
原作:高橋玄洋 出演:森繁久彌 浜木綿子 黒沢年男 榊原るみ 淡島千景 フランキー堺 西村晃 小鹿番 石見栄 永野裕紀子 荒木将久 藤村有弘 牟田悌三 谷村昌彦 草刈正雄 伴淳三郎 春川ますみ 三木のり平 坂口良子 堀内正美 池上季実子 朝倉隆 若井俊治 今村広則 伊藤敏孝 岡本信人 三木のり一 研ナオコ 堺正章 藤岡琢也 和田アキ子 小島三児 瞳順子 赤木美絵 高橋玄洋 赤木春恵 三上真一郎 山岡久乃 竹脇無我 前沢保美 左とん平 松山英太郎 栗原小巻 新珠三千代 有島一郎 小林桂樹 |
配給 | 東宝 |
制作国 | 日本(1976) |
上映時間 | 94分 |
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