P.N.「鎌倉の隠居」さんからの投稿
- 評価
- ★★☆☆☆
- 投稿日
- 2026-05-06
前作での肩透かし感から腰重くしていたのだが、ようやく劇場に向かう気になって遅まきながらスクリーン鑑賞。それでもやはり、逡巡的中。
前作での消化不良に続き、後篇でもガッカリ感、大。もちろん、あくまで個人的感想である。
前後編に分けたことで、後篇の本作には魅力的ナンバー僅少となり、後味もよろしくない。なぜこうなってしまったのか、上質舞台の映画化悪手となった印象。
思い込みが過ぎるかも知れないが、ミュージカルは基本、観終わって楽しく明るい気分でありたい。そう求めるのは勝手すぎるだろうか。本作後篇は、エルファバの内面描出が前面に出過ぎて、『ウィキッド』という『オズの魔法使い』を横に置きながら巧みに構築された奥深く、浩瀚な物語世界が平板で起伏のない内容になってしまっている。VFXにより構え大きく深淵感なくはない。いや、逆に事細かにリアルに描かれてしまっている故に、舞台鑑賞時に在った観客の想像力を羽ばたかせる要素が希薄になった。それが最大の欠損点となって観る者誰もの心を浮き立たせる娯楽作品には整えられなかった。
辛口過ぎるだろう。しかし原作舞台を大切に思うからこそ期待した映画化が、想像力を刺激してくれるはずの側面で拡大ではなく収縮してしまっている点にこそ、個人的不足感の理由があるのだと思う。
観終わってすぐ、映画版でなく舞台版のOSTを聴くしかなかった。残念。
