野火('59) 作品情報

のび

レイテ島を舞台に飢餓に追いつめられた兵隊を描いたもの

曹長はなぐった。再び病院へ帰れと命じた。田村一等兵はのろのろと歩き出した。それは死の宣告に等しかった。病院からも追い出されたばかりだ。どこにも行く所がないのだ。--比島戦線、レイテ島。日本軍は山中に追いこまれていた。田村は病院の前に寝ころぶ同じように原隊から追われた連中の仲間に加わった。彼らが厄介ばらいされたのは、病気で食糧あさりに行けないからなのだ。安田という要領のいい兵隊は、足をハラしていたが、煙草の葉を沢山持っていた。永松という若い兵が女中の子だというので、昔、女中に子を生ませた安田は、彼を使うことにした。翌日、病院は砲撃され、田村は荒野を一人で逃げた。海辺の教会のある無人の町で、田村は舟でこぎつけてきた男女のうち女を射殺してしまう。恐怖からである。そこで手に入れた塩を代償に、彼は山中の芋畠で出会った兵たちの仲間に入った。彼らは集結地という、パロンポンを目指していた。すでに雨季がきていた。

「野火('59)」の解説

大岡昇平の原作を、「鍵(1959)」のコンビ和田夏十が脚色し、市川崑が監督したもので、レイテ島を舞台に飢餓に追いつめられた兵隊を描いたもの。撮影は「代診日記」の小林節雄。(キネマ旬報 全映画作品データベースより抜粋)

公開日・キャスト、その他基本情報

キャスト 監督市川崑
出演船越英二 ミッキー・カーチス 月田昌也 杉田康 浜口喜博 滝沢修
制作国 日本(1959)

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ユーザーレビュー

総合評価:5点★★★★★、2件の投稿があります。

P.N.「pinewood」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2019-08-19

「人間存在そのもの」を問う大岡昇平の原作,NHKラジオアーカイブス人物史の中で取り上げられた大岡昇平の〈野火〉等を廻るinterviewを聴いていて市川崑のmonochromeの名篇が浮かぶ,フランス象徴主義のボードレールや詩人ランボーの方法論を移し換えた戦後文學の原点的作品

最終更新日:2019-08-24 16:00:05

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