ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ~ 作品情報
う゛ぃよんのつまおうとうとたんぽぽ
生きていれば、それでいいのです
戦後の東京で、才能がありながら放蕩三昧を続ける小説家・大谷を健気に支えて暮らす妻の佐知。貧しさを忍びつつ幼い息子を育てていたが、これまでに夫が踏み倒した酒代を肩代わりするため椿屋という飲み屋で働き始める。佐知は水を得た魚のように生き生きと店の中を飛び回り、若く美しい彼女を目当てに通う客で椿屋は繁盛する。そんな妻の姿を目にした大谷は、いつか自分は寝取られ男になるだろうと呟くのだった。
「ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ~」の解説
先に弱音を吐いて開き直ってしまうのは自己防衛の本能であり、ある意味計算尽くだ。そんな究極のダメ男である夫の不始末を常に受け止め、現実的に対処してゆく妻・佐知を演じ、かつてない色香を放つ松たか子が女のしなやかな強さを見せて美しい。2009年に生誕100年を迎えた作家・大宰治の「ヴィヨンの妻」「思ひ出」「灯篭」「姥捨」「きりぎりす」「桜桃」「二十世紀旗手」をもとに、ベテランの田中陽造が松をイメージして書き下ろした脚本は、セリフに息づく時代の匂いと文学的な美しさが光る。大宰を髣髴とさせる狡いが憎めない大谷役の浅野忠信も好演。第33回モントリオール世界映画祭で監督賞に輝いた秀作。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 2009年10月10日 |
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キャスト |
監督:根岸吉太郎
原作:太宰治 出演:松たか子 浅野忠信 室井滋 伊武雅刀 光石研 山本未來 鈴木卓爾 小林麻子 信太昌之 新井浩文 広末涼子 妻夫木聡 堤真一 |
配給 | 東宝 |
制作国 | 日本(2009) |
年齢制限 | PG-12 |
(C)2009 フジテレビジョン パパドゥ 新潮社 日本映画衛星放送
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ユーザーレビュー
総合評価:4.44点★★★★☆、9件の投稿があります。
P.N.「水口栄一」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2020-06-23
我が家の座敷には太宰治さんの置物が飾ってある。それだけにこの映画を観て、とても感動した。私は生きるということをあまり深く考えず、ありのまま受け入れて生きていればいいと思うようになった。松たか子さんの演技は素晴らしい。美しすぎる。大好きだ。浅野忠信さんの演技も抜群だ。最高だ。こんなに心地よい映画はないと思う。