上を向いて歩こう 作品情報

うえをむいてあるこう

脱走を告げる少年鑑別所のサイレン。逃げる九と良二は通りがかりのオート三輪に飛び乗った。三輪車を運転する永井は、鑑別所を出た少年たちを自分の家へ引取り運送店をやらせ立派に更生させていた。九はここで更生の道を踏み出した。一方の良二は、ジャズ喫茶モンタナに現われた。彼は以前、ここのバンドのドラマー牧に教わったことがあり、ドラマーになりたい一心で鑑別所を脱走してきたのだ。しかし頼りの牧はヒロポン中毒、一文なしの良二が放り出されようとしたとき、喫茶店の用心棒で兄貴株の健が知恵を貸し、良二は、バンドボーイになることが出来た。閉店後の舞台でドラムを叩く良二は幸せそうだった。兄貴の健は、ノミ屋をしてかせいでいるが、どこか普通のヤクザとは違っていた。彼はひそかに大学の受験勉強にはげんでいたのだ。健、九、良二皆んな愛に飢えた孤独な者同士だが、それぞれ一生懸命生きようとしているのだ。すでにひどくヒロポンに犯され、ドラムを叩くことも出来なくなっていた牧は、恋人恵子の故郷へと帰っていった。健は見事大学の入試に合格した。これを機会にノミ屋をやめる決心をした健は、父の家へ堂々と出入りできると喜んだ。妾の子として生まれた健は、異母兄のように父親の愛情が得たいばかりに大学へも入ったのだ。ところが、父を尋ねた健に家族の態度は冷たかった。健の希望も消え、残るのは憎しみだけだった。九も一生懸命働いた。そんな九を永井は喜こびの目で見守った。一方、どうしてもドラムが欲しかった良二は、新車を盗み出した。しかも途中ハンドルを切りそこなって車を燃やしてしまった。九は良二の裏切りに我を忘れ、二人はモンタナのステージでにらみ合った。激しくぶつかり合う二人、やがて二人は肩を掴み合って泣いていた。上を向いて歩こう、涙がこぼれないように……。

「上を向いて歩こう」の解説

ヒット曲「上を向いて歩こう」から、「太陽は狂ってる」の山田信夫が脚本を書き、「暗黒街の静かな男」の舛田利雄が監督した歌謡メロドラマ。撮影は「男と男の生きる街」の山崎善弘。

公開日・キャスト、その他基本情報

キャスト 監督舛田利雄
出演坂本九 浜田光夫 高橋英樹 吉永小百合 渡辺トモコ 芦田伸介 大森義夫 梅野泰靖 高田敏江 亀山靖博 市村博 平田大三郎 滝恵一 石川進 小島忠夫 林茂朗 玉井謙介 本目雅昭 ダニー飯田とパラダイスキング 杉江弘 久遠利三 柳瀬志郎 石丘伸吾 清水将夫 原恵子 河上信夫 小幡真樹子 茂手木かすみ 上野山功一 武藤章生 木下雅弘 井田武 立川博 木島一郎 紀原土耕 清水千代 黒田剛 榎木兵衛 水木京二 衣笠力矢
配給 日活
制作国 日本(1962)
上映時間 91分

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最終更新日:2023-06-11 02:00:04

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