「幼い頃からの夢を叶えるために“男性であることを隠しながらミスコンに臨む」― 誰の目にも不可能に思える主人公の挑戦を通して、自分だけの生き方や価値観を見つけていくフランス映画『MISS ミス・フランスになりたい!』(2/26 公開)。このたび、アレックスが男性であることを隠して初めてミス・フランスの審査会場に挑むシーンを切り取った、本編特別映像が解禁となった。
主人公アレックスを演じたのは、パリでユニセックスモデルとして活躍しているアレクサンドル ・ヴェテール。2016 年当時、男女両性の特徴を持つアンドロジナス的スタイルを提案することでも知られるジャン=ポール・ゴルチエのウィメンズのショーに出たことをきっかけに一気に注目が集まった彼は、近年では日本でも大人気となった Netflix オリジナルドラマ「エミリー、パリへ行く」(20)にも出演、役者としても目覚ましい活躍を見せる注目株だ。
男性であることを隠したまま、ミス・フランスの審査会場に初めて“女性”として入るアレックス。緊張の面持ちで佇む彼に審査員は「ミス・フランス になりたい?」と質問、「何者かに」と率直にその想いを答えるが、その様子を見ていたミス・フランスのディレクターでもあるアマンダ(パスカル・アルビロ)はアレックスに対して、他の参加者とは違う“何か”を感じ取る。その後、アマンダからミス・フランスで勝ち抜くためには「インスタのアカウントを開設するよう強くお勧めするわ」と指導を受け、早速下宿先の仲間たちと一緒に“インスタ映えしそうな写真”を撮ってアップロード、加えて「視聴者が見るのは気品と物腰、そして女性らしさ」という助言にも応えられるよう、ぎこちないながらも、マスカラやヘアメイクなどで自らを少しづつ魅力的に装っていく。もちろん「孤児の教育に力を注ぎたいです」と、ミスコン向けの“定番の質疑応答”の練習にも真面目に取り組むアレックス。しかし「(サッカー選手の)“エムバペ”は?」「“子アザラシ”も入れろ」と仲間たちが謎の横槍を入れ、「支離滅裂になる」と「だから何だ?」「人気ワードで票が集まる」と、アレックスを応援するあまりどんどん本筋からずれていってしまうという仲間たちとの愉快なやりとりもユニークなシーン映像となっている。
パリの場末にあるボクシングジムの手伝いをしているアレックス。ある日、アレックスの幼馴染であるエリアスがジムを訪問する。エリアスは幼いころからの夢を叶え、自信にあふれていた。両親を事故で亡くして以来自信を失っていたアレックスはそんなエリアスに触発され、自分の夢へ向かうことを決意する。その夢とは「ミス・フランスになること」。アレックスの下宿先の、母のような存在である家主のヨランダをはじめ、ドラァグ・クイーンのローラやインド人のお針子など個性的な仲間たちに助けられ、挑戦が始まる。ローラに紹介された地区を仕切る“女王陛下”と呼ばれるボスからは「24 時間、寝る時もコルセットを着けて、靴のサイズは普段より小さめの 25.5 センチ。ペタンコ靴は禁止、普段は 12 センチヒール、疲れたら 8 センチ(のヒール)。つけまつげと、谷間メイク。水着用に膨らみを隠す技も学んで」と厳しい指導を受ける。
スポーツ選手のエリアスからは精神面を鍛えるアドバイスをもらい、めきめきと美しさをましていくアレックス。地区大会でも過酷な競争を乗り越え、夢が少しずつ現実になっていく…。コンテストでの厳しい戦いの中にも夢だった美しく華やいだ衣装を纏い輝くアレックス。その中でも“真の美しさ”“本当の自分”を見つけようともがき悩んでいく。そして運命を変える時が訪れる。その時アレックスがとった行動とは?
原案・監督は TV ドラマを中心に多くの作品を手がけるルーベン・アウヴェス。前作のコメディ『The Gilded Cage(仏題:La cage dorée)』(13)は Rotten Tomatoes でも 88%Fresh の高評価を獲得、本作が 2 作目の劇場公開⻑編映画となり、俳優としても『イヴ・サンローラン』(14 年日本公開)や『あしたは最高のはじまり』(17 年日本公開)に出演、今後も活躍が大いに期待されている。
映画『MISS ミス・フランスになりたい!』本編映像
https://youtu.be/V0IdZwgzH3k