日時:11月15日
場所:新宿バルト9
登壇者:山田孝之、佐藤健、荒川良々、山下敦弘監督
ドラマ「山田孝之の東京都北区赤羽」(15)で絶妙なコンビネーションを見せ、「山田孝之のカンヌ映画祭」『映画 山田孝之3D』(17)の2本では、自由な映像表現で映画ファンを驚愕させた俳優の山田孝之と監督・山下敦弘。そんな盟友コンビによる待望の劇映画『ハード・コア』が11月23日(金・祝)に全国公開となる。この度、本作の公開に先駆けて、11月15日(木)に新宿バルト9にて、完成披露舞台上映会が盛大に開催された。本作で主演を務めた山田孝之をはじめ、佐藤健、荒川良々らキャスト陣と山下監督、そして謎のロボット“ロボオ”らが登壇すると会場からは大きな声援が飛んだ。
あまりにも純粋で信念を曲げることが出来ず、世間に馴染めないアウトロー、権藤右近を演じた山田は「山下監督とだいぶ前から映画化したいと言っていました作品がついに公開を迎える。嬉しいですね。」と挨拶し、本作が公開されることへの喜びを語った。右近の弟でエリート商社マンを演じた佐藤健は「孝之くんの弟役ということで即決でした。僕の役者人生の新しい扉を開いた作品になっていると思います。」とコメント、そしてメガホンをとった山下監督は原作にちなんで「ようやく今日”平成地獄ブラザーズ”が揃いました(笑)」と嬉しそうにコメントした。さらに右近と牛山の友人!?であるロボオが挨拶代わりのダンスを行うと会場からは大きな拍手が沸き起こり佐藤が「劇中からキャラが変わり過ぎじゃないですか。そんなキャラじゃなかったでしょ(笑)」とツッコミを入れ会場に笑い声が響き渡った。
映画化に至るまでの経緯や作品について聞かれた山下監督は「山田くんと共通の知人のプロデューサーに『ハード・コア』を映画化したいという話をした時に、そのプロデューサーから《この作品山田くんも好きなんですよ》と聞いたのがきっかけでしたね」とコメントし、山田は「山下監督とは喧嘩もなく、楽しくやらせていただきました。今回、役作りなどはせず、素の通りにやらせていただきました。」と回答。さらに初の兄弟役を演じた佐藤について山田は「キャスティングの話が出た時に、左近役は佐藤健さんでどうでしょうかという声が上がって《最高だな!》と思いました。その後飲みの席で会う約束が会ったので自分からプッシュしようとしたら、健が《やりますよ!》と答えてくれてビックリしました」と経緯を説明。佐藤も「役者として山田孝之が好きで即決でした。僕が昔出演した『バクマン』、『何者』に孝之くんが出てくれて嬉しかったんですよね。だからこの作品では山田孝之を支える役に挑戦できるのが凄く嬉しかったです」と語った。
右近と左近、それぞれのキャラクターについて山田は「社会のことなど考えず、自分の信念を貫いて生きていく右近がカッコよく思うんですよね。だからみんな右近のことが好きだし、この原作が愛される理由なんだと思います。」とコメントし佐藤は「今の時代、右近のように生きるのは中々難しいと思います。だからこそ右近のような人へ憧れがあるんですよ。真似はできないけど男としてカッコいいなと思います。」と権藤右近というキャラクターについて熱く語った。また牛山のキャラクターについての話にもなり、山下監督は「昔、飲み屋で荒川さんと牛山を演じるなら荒川さんだよねと話していたんです。だから映画化決まる前から荒川さんのキャスティングは決まっていました。」と語り荒川も照れくさそうに「20代のころに原作に出会って当時の自分と重なる部分がありました。」と語った。
ここで、平成と共に誕生し平成を駆け巡った伝説のコミックが、平成末期の今映画化されたことに因んで、【平成の大事件は何ですか?】という質問を各キャストに聞くと、山田が「人前で、マスコミの前で、生放送もある中で、一大事件なんて言えないですよ!言ったら平成と一緒に俺が終わるかもしれない(笑)」と中々答えない山田に、「めんどくさいな!」とすかさず佐藤がツッコミを入れ本物の兄弟のようなやり取りを見せた。さらに続けて佐藤は「平成が終わることが僕にとっての大事件ですよ。」と回答すると会場からは拍手が沸き起こり、山田が「ずっと考えてた答えだな(笑)」とコメントし、会場は再び笑いに包まれました。山下監督は「『ハード・コア』を作れたことが事件でした」と答えると山田が「監督の顔を見てて思いました。山下監督と出会ってしまったことが事件かもしれないですね。」と答えた。
そして、フォトセッションに移るとロボオの顔に埋まった会場をバックに山田自らセルフィーの撮影をし、会場は大きな盛り上がりをみせた。最後に山下監督が「とにかく、原作を読んでから20年近く掛かってようやく映画化することができました。納得のいく作品になっていますので是非たくさんの方に観ていただきたいです。」とコメント。終始笑いの絶えないイベントとなり大きな拍手に包まれながら終了した。